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EP 15
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爆走! 魔導馬車ドリーム・ラビット
冒険者ギルドを出た二人は、スタラントの裏門にある駐機所へと向かった。
そこには、マイユが「いつか動かしてやる」と意気込んで整備していた試作車両が置かれていた。
「これがアタシの最高傑作、自律駆動式魔導馬車『ドリーム・ラビット』よ!」
マイユがカバーを外すと、そこには馬車というよりは、無骨なバギーに可愛いウサギのエンブレムを付けたような、奇妙な鉄の塊が現れた。
馬はいない。車体後部には巨大な魔導エンジンが積まれている。
「すげぇ……これ、完全に『車』じゃねぇか」
英一は工業高校時代に憧れたエンジンの匂いを感じ取り、ボンネット(?)を撫でた。
構造はシンプルだが、出力は高そうだ。
「えっと、運転は任せてよいのかしら? この子、じゃじゃ馬で普通の御者じゃ制御できなくて……」
「任せとけ。俺は『普通免許(MT)』を持ってるし、フォークリフトも運転できる」
英一は運転席に乗り込み、魔力伝導式のハンドルを握った。
ペダルは二つ。アクセルとブレーキ。ギアは魔力流動による無段変速か。
直感的に理解した。これは、FPSに出てくる軍用バギーと同じだ。
「しっかり捕まってろよ、マイユ!」
「は、はいっ!」
英一が右足のペダル――アクセルをベタ踏みする。
「行っけぇぇぇぇッ!!」
キュルルルルッ……ドォォォォォン!!
魔導エンジンが爆音を上げ、タイヤが地面を削る。
『ドリーム・ラビット』はロケットのような加速で飛び出した。
「きゃああああ!! 凄ぉぉぉい!!」
マイユの絶叫が風に流される。
景色が線になって後ろへ飛び去っていく。
「私が作ったとはいえ、こんなにスピードが出ますのぉぉぉ!?」
「いい反応だ! 足回りのサスペンションも悪くねぇ!」
英一はニヤリと笑った。
引きこもり時代、深夜の峠を親の軽トラで攻めた(※妄想シミュレーション含む)腕が鳴る。
「おい、ちゃんとナビゲーションしてくれよ! レッドオーガの居場所はどっちだ!?」
「え、えーっと! その道を左ですわ! 森の奥へ続く旧道に入って!」
「分かった! 掴まってろ!」
目の前に直角に近いカーブが迫る。
普通なら減速する場面。だが、英一はアクセルを緩めない。
ハンドルを一気に切り、同時にサイドブレーキ(魔力制動レバー)を引く。
ギャギャギャギャギャッ!!
タイヤが悲鳴を上げ、車体が横滑りする。
慣性ドリフト。
砂煙を巻き上げながら、ドリーム・ラビットは最小半径でカーブをクリアし、再び加速した。
「――ッ!?」
マイユは目を白黒させ、それから満面の笑みを浮かべた。
「きゃああああ!! なんですの今の動き!? 内臓が浮きましたわ! 気分爽快ですわ~!!」
「だろ? これが『ドリフト』だ!」
ドワーフのスピード狂の素質が開花した瞬間だった。
森の奥深く、レッドオーガの生息域手前。
英一は木陰にドリーム・ラビットを滑り込ませ、エンジンを切った。
「ふぅ……到着だ」
「はぁ、はぁ……最高でしたわ、英一さん。また乗せてくださいね」
髪をボサボサにしたマイユが、興奮冷めやらぬ様子で降りてくる。
英一はヘルメットのバイザーを下げ、戦闘モードへと意識を切り替えた。
「さて、と」
視界のUI、タクティカル・ミニマップを確認する。
レーダーの縁に、複数の赤い光点が明滅していた。
「……敵だ。赤いマーカーが出た」
その光り方は、ゴブリンの時よりも大きく、そして色が濃い。
相手が強力な魔物であることを示している。
「よし、敵はあっちだな。距離300メートル」
「いよいよですわね! 素材の回収準備は万端よ!」
マイユが大きな麻袋と解体用ナイフを取り出す。
英一は背中のM24を抜き放ち、ボルトを引いて初弾を装填した。
「行くぞ。……一方的に狩ってやる」
凸スナの本領発揮。
英一は足音を殺し、しかし素早い動きで、赤いマーカーの指し示す殺戮の場へと走り出した。
冒険者ギルドを出た二人は、スタラントの裏門にある駐機所へと向かった。
そこには、マイユが「いつか動かしてやる」と意気込んで整備していた試作車両が置かれていた。
「これがアタシの最高傑作、自律駆動式魔導馬車『ドリーム・ラビット』よ!」
マイユがカバーを外すと、そこには馬車というよりは、無骨なバギーに可愛いウサギのエンブレムを付けたような、奇妙な鉄の塊が現れた。
馬はいない。車体後部には巨大な魔導エンジンが積まれている。
「すげぇ……これ、完全に『車』じゃねぇか」
英一は工業高校時代に憧れたエンジンの匂いを感じ取り、ボンネット(?)を撫でた。
構造はシンプルだが、出力は高そうだ。
「えっと、運転は任せてよいのかしら? この子、じゃじゃ馬で普通の御者じゃ制御できなくて……」
「任せとけ。俺は『普通免許(MT)』を持ってるし、フォークリフトも運転できる」
英一は運転席に乗り込み、魔力伝導式のハンドルを握った。
ペダルは二つ。アクセルとブレーキ。ギアは魔力流動による無段変速か。
直感的に理解した。これは、FPSに出てくる軍用バギーと同じだ。
「しっかり捕まってろよ、マイユ!」
「は、はいっ!」
英一が右足のペダル――アクセルをベタ踏みする。
「行っけぇぇぇぇッ!!」
キュルルルルッ……ドォォォォォン!!
魔導エンジンが爆音を上げ、タイヤが地面を削る。
『ドリーム・ラビット』はロケットのような加速で飛び出した。
「きゃああああ!! 凄ぉぉぉい!!」
マイユの絶叫が風に流される。
景色が線になって後ろへ飛び去っていく。
「私が作ったとはいえ、こんなにスピードが出ますのぉぉぉ!?」
「いい反応だ! 足回りのサスペンションも悪くねぇ!」
英一はニヤリと笑った。
引きこもり時代、深夜の峠を親の軽トラで攻めた(※妄想シミュレーション含む)腕が鳴る。
「おい、ちゃんとナビゲーションしてくれよ! レッドオーガの居場所はどっちだ!?」
「え、えーっと! その道を左ですわ! 森の奥へ続く旧道に入って!」
「分かった! 掴まってろ!」
目の前に直角に近いカーブが迫る。
普通なら減速する場面。だが、英一はアクセルを緩めない。
ハンドルを一気に切り、同時にサイドブレーキ(魔力制動レバー)を引く。
ギャギャギャギャギャッ!!
タイヤが悲鳴を上げ、車体が横滑りする。
慣性ドリフト。
砂煙を巻き上げながら、ドリーム・ラビットは最小半径でカーブをクリアし、再び加速した。
「――ッ!?」
マイユは目を白黒させ、それから満面の笑みを浮かべた。
「きゃああああ!! なんですの今の動き!? 内臓が浮きましたわ! 気分爽快ですわ~!!」
「だろ? これが『ドリフト』だ!」
ドワーフのスピード狂の素質が開花した瞬間だった。
森の奥深く、レッドオーガの生息域手前。
英一は木陰にドリーム・ラビットを滑り込ませ、エンジンを切った。
「ふぅ……到着だ」
「はぁ、はぁ……最高でしたわ、英一さん。また乗せてくださいね」
髪をボサボサにしたマイユが、興奮冷めやらぬ様子で降りてくる。
英一はヘルメットのバイザーを下げ、戦闘モードへと意識を切り替えた。
「さて、と」
視界のUI、タクティカル・ミニマップを確認する。
レーダーの縁に、複数の赤い光点が明滅していた。
「……敵だ。赤いマーカーが出た」
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相手が強力な魔物であることを示している。
「よし、敵はあっちだな。距離300メートル」
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