姫様!最弱剣士が護衛に付くようです!!

メカ

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顔合わせ。

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「さぁ、城下町まで着きましたよ。お嬢さん。拙者、所用にてここで失礼仕る。」

「あ、ちょっと・・・。」

引き留めようと手を伸ばすも、男はまるで雲の様に人ごみに消えた。
彼は普通の速さで歩いていたはず。それなのに、手を伸ばすより先に消えたのだ。
先の人狼族撃退といい、只者ではない。

「ひ、姫様!漸く見つけましたよ!さ、城までお戻りください!」

「貴方たち、まだ私の事を探してたの!?」

「勿論です。姫様にもしもの事があれば、国王に顔向けできません!」

「・・・悪い事しちゃったわね。分かったわ。帰りましょう。」

・・・・・。

「大臣殿、失礼。」

「鍵は開いている。入り給え。」

「っは。・・・ブレア、東の砦より大臣がお呼びと聞き馳せ参じました。」

「遠い処すまんな。火急を要する話ゆえ。」

「急ぎのご用件とは?」

「ブレア。本日をもって東の砦の警備より身を引き、とある方の護衛に回ってもらう。」

「拙者が・・・?」

「一か月前に王族復帰なされた第一王女。ジュナ様の事は知っているな?」

「はい。快活な方であると聞き及んでおります。」

「この国では、王族は専属の騎士を世話役につけるのが習わし。その任を其方にやってもらう。」

「承知しました。」

「だが、今日はもう遅い。明日の朝、正式に顔合わせとする。下がってよい。」

「失礼しました。」

・・・翌朝。

「と、いう事で、ジュナ。其方にも専属の騎士を突ける事になった。」

「お話は分かりましたが、国王様。急な話なもので心の準備が・・・。」

「すまんな。王族としては当然の計らいでも其方には過ぎたもてなしかと思われるかも知れん。
だが、これも王道を行く者の勤めの重さを理解してもらう為。しばし辛抱するのだ。」

ジュナは心底動揺していた。
王国にきて一ヶ月。大臣によるお世話を搔い潜り城下に遊びに行く事も楽しみの一つであった。
しかし、目が覚めると給仕から大臣に変わり騎士のお世話役が着くと説明を受けた。
そして、今
国王からも事の顛末を聞いたが・・・
私に着く騎士とは一体誰なのか?
ま、まさか・・・ゴリゴリに鎧を纏った中年の頭の固い騎士であったら・・・。
そんな事を考えるだけでも息が詰まりそうになる。
はたまた、宮廷騎士の地位を笠に気位の高い気障な男が来たら・・・。
不幸だ・・・。そんな事になったら、私は何とも不幸だ!

「陛下、準備が整いました。」

「うむ。すまんな。マルタン。入れてくれ。」

「はい。ブレア。こちらへ。」

「陛下の御前、失礼仕ります!」

「よく来た、ブレア。火急の頼み、引き受けてくれて感謝する。」

「陛下の御頼みとあらば、ブレア、命も差し出す所存!」

「ははは、固くなるな。表を上げよ。」

「っは!」

「あれ・・・貴方・・・。」

「ん?」

「あぁぁ!やっぱり!貴方、昨日の変な人!」

「し、失敬な!陛下の御前で。何者だ!」

「はっはっは。既に二人は知り合いか!ブレア、そこに居るのが我が娘。第一王女のジュナだ。」

「な!・・・これはご無礼を。申し訳ありません。」

「良い良い、頭を上げよ。ブレア。我が娘には手を焼かされると思うが宜しく頼んだぞ。」

「っは!仰せのままに!」

「では、公務があるのでな。二人とも下がってよいぞ。」

「失礼いたします!さ、姫。行きましょう。」

「あ、ちょっと!」

ジュナはブレアに背中を押される形で王室を後にした。
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