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閃光
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城門前。此処より先は激戦の渦だ。
病み上がりで、且つ最近まで歩くのがやっとであったこの体。
一体どこまでの事が出来るか。
そして、それは・・・己が命を賭してまでやらねばならない事か?
ブレアは今一度、自身に問いかけた。
頭では問うまでもなく答えは出ている。しかし、体が動かない。
多くの傍付騎士は、使える主に忠義以上の感情を持つという。
兄弟や恋人、果ては親子のような絆を彼らは持っているという。
だが・・・ブレアの中で、大きなウエイトを占めているものは
愛や情でもなければ、忠誠でもない。
ただただ「恩義」のその一言に尽きる。それも、姫にではなく国王にだ。
国王の危機に勇んで命を投げ出す覚悟はある。
しかし、姫そのものにおいては・・・ブレアには何の感情も湧いて居ない自分が不思議だった。
この靄付いた気分に、答えを見出さなければ
きっと、姫を助け出したとしても、それは「国王の命あっての事」だ。
自分自身が此処までやって来た事の説明にはならないだろう。
覚悟を決め、武器を手に取り、戦場へと向かおうとするその意思を
「命令だから」で片付けられる程、冷徹ではない。
戦場への足取りに躊躇いを持ったブレア。
だが、その時
彼の脳裏には、悲しい過去が舞い戻った。
「雨、虎はもう疲れたぞ。」
「一体、何時まで逃げればいいのだ?あとどれ位、隠れていればいいのだ?」
・・・・・。
「若様・・・。半田殿と仲良くしておられるだろうか・・・。」
思えば、任された境遇は似たようなものだ。
だが、あの時とは何かが決定的に違う。
その違いを理解する為にも、もう一度、彼女に会わなければならない。
半ば壊れかけている城門を丁寧に開け放ち、ブレアは駆ける。
右をみれば兵士たちの慟哭にも近い雄叫び。
左をみれば魔物たちの奇行と嘲笑。
前をみれば焼き討ちされた平原の煙。
物や肉の焼ける匂い、兵士や魔物の熱気、煙による視界不良。
ふとした瞬間現れる、魔物。なりふり構わず得物を振り上げ襲い来る。
しかし、ブレアはそれをひらりと交わす。
それを見た別の魔物たちが、我先へと武器を振りかざす。
猛進する一人の人間を、打ちのめさんとするその眼差しは、狂気そのものだ。
「抜刀。秋雨・・・。」
鞘から抜かれた刀は、鋭く光る。
周囲の炎が刀身に反射し、煌めく光の筋が走る。
その筋は悉く魔物を両断していく。
さらに、その光の筋は、その場に留まる事無く突き進んでいく。
目的はない、充てもない。
だが、これでいい。戦場で目立て。そうすれば、目的は向こうからやって来る。
その舞踊を踊るかのような剣技は、戦場で直ぐに注目の的となる。
そして、ブレアの思惑が当たるのである・・・。
病み上がりで、且つ最近まで歩くのがやっとであったこの体。
一体どこまでの事が出来るか。
そして、それは・・・己が命を賭してまでやらねばならない事か?
ブレアは今一度、自身に問いかけた。
頭では問うまでもなく答えは出ている。しかし、体が動かない。
多くの傍付騎士は、使える主に忠義以上の感情を持つという。
兄弟や恋人、果ては親子のような絆を彼らは持っているという。
だが・・・ブレアの中で、大きなウエイトを占めているものは
愛や情でもなければ、忠誠でもない。
ただただ「恩義」のその一言に尽きる。それも、姫にではなく国王にだ。
国王の危機に勇んで命を投げ出す覚悟はある。
しかし、姫そのものにおいては・・・ブレアには何の感情も湧いて居ない自分が不思議だった。
この靄付いた気分に、答えを見出さなければ
きっと、姫を助け出したとしても、それは「国王の命あっての事」だ。
自分自身が此処までやって来た事の説明にはならないだろう。
覚悟を決め、武器を手に取り、戦場へと向かおうとするその意思を
「命令だから」で片付けられる程、冷徹ではない。
戦場への足取りに躊躇いを持ったブレア。
だが、その時
彼の脳裏には、悲しい過去が舞い戻った。
「雨、虎はもう疲れたぞ。」
「一体、何時まで逃げればいいのだ?あとどれ位、隠れていればいいのだ?」
・・・・・。
「若様・・・。半田殿と仲良くしておられるだろうか・・・。」
思えば、任された境遇は似たようなものだ。
だが、あの時とは何かが決定的に違う。
その違いを理解する為にも、もう一度、彼女に会わなければならない。
半ば壊れかけている城門を丁寧に開け放ち、ブレアは駆ける。
右をみれば兵士たちの慟哭にも近い雄叫び。
左をみれば魔物たちの奇行と嘲笑。
前をみれば焼き討ちされた平原の煙。
物や肉の焼ける匂い、兵士や魔物の熱気、煙による視界不良。
ふとした瞬間現れる、魔物。なりふり構わず得物を振り上げ襲い来る。
しかし、ブレアはそれをひらりと交わす。
それを見た別の魔物たちが、我先へと武器を振りかざす。
猛進する一人の人間を、打ちのめさんとするその眼差しは、狂気そのものだ。
「抜刀。秋雨・・・。」
鞘から抜かれた刀は、鋭く光る。
周囲の炎が刀身に反射し、煌めく光の筋が走る。
その筋は悉く魔物を両断していく。
さらに、その光の筋は、その場に留まる事無く突き進んでいく。
目的はない、充てもない。
だが、これでいい。戦場で目立て。そうすれば、目的は向こうからやって来る。
その舞踊を踊るかのような剣技は、戦場で直ぐに注目の的となる。
そして、ブレアの思惑が当たるのである・・・。
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