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「サマンサ」の話。
連鎖 1
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事の発端は、凡そ15年ほど前。
「サマンサ」こと「サマダ君」は地方からの引っ越しで
一家全員である県に移住した。
周辺は都会とは言い切れないものの、ファミリー層が住むには十分な施設の整った町だった。
当時、彼はまだ学生だった。
彼の両親は勉学については厳しく、一切の妥協も許さなかったという。
だが・・・それを除けば、ごく普通の家庭だった。
移住から二か月ほどして「異変」は水面下で動いていた。
祖母の体調不良。
受診の結果は「胃がん」だった。
思えば、いくつか兆候はあった。
だが、学業優先の彼には口を挟む権限が与えられていなかった。
祖母を心配すれば、決まって両親は言う。
「もう歳だから、相応のガタは出てくるさ。それよりも勉強しなさい。」と・・・。
祖母の胃がんが発覚した時
既に末期にまで進んでいたソレは、もうどうしようもなかった。
祖母は見取りを名目に病院へ預けられた。
それから程なくして、祖母は亡くなった。
すると、今度は祖父にも変調がみられた。
趣味の日曜大工で、怪我をすることが増え・・・仕舞には救急を呼ぶような大事も増えた。
その度「いやぁ、俺も歳だなぁ!」と豪快に笑う祖父に
サマンサは独り、嫌な気配を感じ取っていたという。
その後、祖父にも幾つかの病気が見つかり
晩年まで、投薬・治療が施された。
祖父の闘病は7年続き・・・ある日あっけなく幕を引いた。
唯一、心の救いとなったのは
祖父が亡くなる前に、彼が伴侶を見つけ式へ招待出来た事だ。
その時の祖父の泣きながら笑う暖かい顔は、今でも覚えているという。
しかし・・・。
そんな幸せなひと時に、冷や水が走る。
祖父の葬儀で再会した両親は、まるで廃人にでもなったように
表情一つ変えず、淡々と葬儀を進めていたそうだ。
その瞳の奥には、何かとてつもない「重責」が見えるようで・・・
彼は、極力両親との会話を避けていたという。
その一年後
たまたま掛かってきた母からの電話で「借金」の話が表に出た。
とはいえ、金の無心ではなく「返済の目途は立っている。心配するな。」という内容だった。
「アンタ達の代まで借金を残すような真似、絶対しないからね。安心しなさい。」
母のその一言が、強烈に心に引っかかった。
その結果がどうなったかは、私の章で話をしてあるため割愛するが
残り僅かとなった借金は彼の双肩に預けられた。
住む人の居なくなった実家について
彼は妻を連れ立って、しばらくの間使用することを提案した。
遺品整理と実家の売買が滞りなく済むまでの間・・・。
その間に、新たな移住先を探すというのが展望であったそうだが・・・
土地の売買は難航した。
条件は悪くないはずだ。
それなのに、買い手が付かない。
不動産に行き、話を持ち込んでも
最初は買い取りの方向で動いていた話が、気付けばいつの間にか白紙に戻っていたりする。
・・・まるで、何かに邪魔でもされているように。
そうこうしている間に、彼にも「胃がん」が見つかってしまったのだ・・・。
「サマンサ」こと「サマダ君」は地方からの引っ越しで
一家全員である県に移住した。
周辺は都会とは言い切れないものの、ファミリー層が住むには十分な施設の整った町だった。
当時、彼はまだ学生だった。
彼の両親は勉学については厳しく、一切の妥協も許さなかったという。
だが・・・それを除けば、ごく普通の家庭だった。
移住から二か月ほどして「異変」は水面下で動いていた。
祖母の体調不良。
受診の結果は「胃がん」だった。
思えば、いくつか兆候はあった。
だが、学業優先の彼には口を挟む権限が与えられていなかった。
祖母を心配すれば、決まって両親は言う。
「もう歳だから、相応のガタは出てくるさ。それよりも勉強しなさい。」と・・・。
祖母の胃がんが発覚した時
既に末期にまで進んでいたソレは、もうどうしようもなかった。
祖母は見取りを名目に病院へ預けられた。
それから程なくして、祖母は亡くなった。
すると、今度は祖父にも変調がみられた。
趣味の日曜大工で、怪我をすることが増え・・・仕舞には救急を呼ぶような大事も増えた。
その度「いやぁ、俺も歳だなぁ!」と豪快に笑う祖父に
サマンサは独り、嫌な気配を感じ取っていたという。
その後、祖父にも幾つかの病気が見つかり
晩年まで、投薬・治療が施された。
祖父の闘病は7年続き・・・ある日あっけなく幕を引いた。
唯一、心の救いとなったのは
祖父が亡くなる前に、彼が伴侶を見つけ式へ招待出来た事だ。
その時の祖父の泣きながら笑う暖かい顔は、今でも覚えているという。
しかし・・・。
そんな幸せなひと時に、冷や水が走る。
祖父の葬儀で再会した両親は、まるで廃人にでもなったように
表情一つ変えず、淡々と葬儀を進めていたそうだ。
その瞳の奥には、何かとてつもない「重責」が見えるようで・・・
彼は、極力両親との会話を避けていたという。
その一年後
たまたま掛かってきた母からの電話で「借金」の話が表に出た。
とはいえ、金の無心ではなく「返済の目途は立っている。心配するな。」という内容だった。
「アンタ達の代まで借金を残すような真似、絶対しないからね。安心しなさい。」
母のその一言が、強烈に心に引っかかった。
その結果がどうなったかは、私の章で話をしてあるため割愛するが
残り僅かとなった借金は彼の双肩に預けられた。
住む人の居なくなった実家について
彼は妻を連れ立って、しばらくの間使用することを提案した。
遺品整理と実家の売買が滞りなく済むまでの間・・・。
その間に、新たな移住先を探すというのが展望であったそうだが・・・
土地の売買は難航した。
条件は悪くないはずだ。
それなのに、買い手が付かない。
不動産に行き、話を持ち込んでも
最初は買い取りの方向で動いていた話が、気付けばいつの間にか白紙に戻っていたりする。
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