幻・骸行進

メカ

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「サマンサ」の話。

連鎖 2

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サマンサの胃がんは、初期で見つかった為
幸い、投薬での様子見となる。

仕事を続けながらの闘病中
最初に異変に気付いたのは、妻だった。

「家に居るとね・・・何か変な音がするのよ。」

祖父母の代から続く古い家だ。
屋鳴りなどはする。
昔は動物が入り込んでいた事もあった。

この時の彼は、その程度の認識でいた。

しかし・・・次第に妻の様子は可笑しくなり「音」に対して異様なまでに怯える様になった。

それは、彼が少し椅子から立ち上がった際の軋む音にさえ、過敏に反応し顔をこちらに向ける程に。

「どうしたんだよ?そんなにボロいのが気になるの?」

「違うの。そうじゃなくて・・・。」

「何だよ?」

「・・・音が、ずっと付いてくるのよ・・・。」

日中、自宅に居る妻はその「怪音」に悩まされる格好の的だ。

彼女の話では、家事を行っている間
ふと気づくと物音が気になりだし、その音は場所が変わっても後をつけてくるように同じ音が鳴る。
のだそうだ。

ただの屋鳴りや動物の仕業であれば、同じ音が鳴り続ける事は不自然だ。

妻の怯え様と異常な音の話を聴き、彼は漸く調査に乗り出すことを決めた。

だが・・・
原因となる音の出所はついぞ見つけられなかった。

その調査の最中にも
妻のいう「怪音」が彼の耳にも入る。

一度気になり出すと、もう止まらない・・・。
限界は直ぐに来た。

まるで、見ず知らずの第三者と共に生活している様な感覚に
彼らは「プロ」を頼る決断に出た。

地元にあるお寺の住職を頼り、自宅の鑑定を頼んだ。
だが・・・その住職曰く「身内に強い念を感じる」という事を言って
先祖供養を強く勧められ、墓参りなどを勧められただけだった。

次に、妻の知り合いに居た占い師を生業とする人物。

「此方は、土地が悪い。」と言い
お祓いまがいの儀式とお守りと称した御札を高額で売りつけ残していった。

しかし、状況が好転することはなかった。

ソレでも尚、彼等はあきらめず「有識者」を求めた。

その流れで、私の元にもメールが来たわけだ。

私の元にたどり着くまで、すでに4年の歳月を費やし悩みを抱えたまま生活していたそうだ。

そこから約半年、X氏の予定が空くのを待つ間に
私は彼等の家を訪れ、状況などを直接聞く事となったのだ。

この時の事をサマンサは後にこう語る。

「もう既に可笑しくなっていたかもしれない。
両親が借金を可能な限り減らして、それでも尚残ったものを払って・・・。
その辛さを身に染みて分かっていたはずなのに、良く知りもしない相手に
数十万の金額を投資して・・・。何とか助かろうと必死だったけども
・・・まるで底なし沼に沈んでいくのを必死でもがいて抵抗しようとする感覚だった。」
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