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しおりを挟む今日は並木さんとの約束の日。
なんとなくだけど、会うのを楽しみにしている自分が居る気がする。
「早いですね本郷さん、お待たせしてすいません。」
「あ、いえ、私が早く来すぎただけで、すいません。」
「とりあえず店に入りましょうか?」
「はい。」
もう少し明るい色の服のが良かったかな?ブラウン系って暗い女とか思われるかも…。
「今日は、俺が思ってる事を話そうと思ってます、本郷さんがどう思うか解りませんが、俺の正直な気持ちです。」
「うッ はい。」
あ、下を向いてしまった。
真面目な声だ、付き纏われてると思われてるかも知れないな…。
「俺は、この見合いを断れなくて来ました、貴女も断れずに来たと言ってましたので、ただ会うだけだと思ってました、正直に言いますと、貴女のような綺麗な彼女は欲しいなと思います、けど、なんて言うのかな、30過ぎると めんどくさいんですよ、いろいろ。貴女が嫌とかじゃないんです…………」
面倒だと思われてたんだ。
昔からそうだった、一緒に居ても楽しくないとか、暗いとか…男の子と付き合った事はあるけど、だいたい言われるのはそんな言葉だった。
「……ご迷惑…お掛けしました…。」
泣いてしまった。
昔の自分を思い出して、今も変わっていないのだと考えたら涙が出てしまった、また並木さんに迷惑かけた…。
「あ、じゃなくてですね?それでもいいんですか?って事なんですよ。嫌じゃないんですよ?」
「……すいません…。」
「俺は本郷さんと会えてよかったと思ってます、本郷さんみたいな綺麗な人は、もう俺の前には二度と現れないとも思ってます、誤解されそうな言い方に聞こえるかもですが、絶好のチャンスなのは間違いないと確信してます。なので、品定めみたいな事はしないでほしいんです。」
「………。」
品定め…してたんだ私…。
何度も会うって、そう言う事なんだ、気が付かなかった。
失礼な事しちゃった…。
「で。貴女を俺の彼女にと決めてもいいんですか?」
品定めしてる気は無かったけど、悪い印象は無いし、こんな私を綺麗と言ってくれたし気取った感じもなく思ってる事を話してくれた。
半分ぐらい聞いて無かったけど…。
「……私で…良ければ…。」
「キャンセル不可ですよ?クーリングオフも効きませんよ?」
「(笑) はい。よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
これって並木さんと付き合うって事だよね?
お昼時になったので喫茶店を出て何か食べようとの話になり、外観の可愛いオシャレな店へ入った。
目的地が有る感じに来た店なのでリサーチでもしてたのかな?
女性との行き付けの店とか?
食事をして、その日は少し話して帰った。
父に連絡して、お付き合いする事になったと報告。
「そうか、楓が良いと思う人なら良いんじゃないか?」
「うん、まだ分からないけど。」
「それを分かる為に付き合う事にしたんじゃないのか?相手に合わせようとしたら失敗するかもだぞ?」
「うん。」
父との電話を終えて、明日に備えて寝る準備。
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