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しおりを挟む並木 司 誕生日が過ぎたのて32歳になりました。
ただいま部長に呼ばれ仕事の話をしているのですが…。
「担当エリアの違う企業との商談は他部所とのトラブルになるのではないでしょうか?」
「そうなんだが、キミに行ってもらいたいんだ、頼まれてくれ。」
俺が係長になったのを裏で悪く言ってる奴が居るのは知ってる。
それを黙らせたいのだろうか?
逆効果なんじゃないのか?エリア外の仕事は内容的には変わらないが、先方の担当との絡みは良く解らない。
「失敗するかも知れませんよ?」
「先方との顔繋ぎと思ってくれていぃ、ありのままのキミで頼む。」
ありのままの俺って何?
部長なに企んでんだ?
で、明日って…急すぎんだろ、こっちの担当に何かあった?それなら俺が行く話にならないよな…。
モヤモヤしながら当日になり、弊社の社員と2人で先方の担当とご対面なのだが…。
なにこれ…(滝汗)
「ハインズワーキス取締役専務を務めております、本郷 晃利と申します、本日はよろしくお願いします。」
なんで専務が出てくんの?
これ顔繋ぎなの?
俺…解雇…。
「あ~。並木さん、何やら固まってる様子だが?」
「し、失礼しました。本日は担当の者では無く私が代理として参りました、至らない所が不快にお思いかも知れませんが…」
「あぁ、キミを呼んだのは私だ。」
「え…?」
専務以外の人が、え?みたいな顔になった、そりゃそうだ。
「ここは会議室で部屋の中の音等は外には聞こえない、普通に話してもらって構わない。」
「は、はい。」
「呼び出してすまなかった、三嶋に頼んで娘の選んだ男性を見てみたかったんだ。」
「お嬢さんの?」
「あれ、楓の交際相手では無いのかな?」
かえで…? 本郷 晃利 なにーッ!?
本郷、そうか、彼女の父親、部長…先に言っといて下さいょ…。
「お、お嬢様とは、お見合いで、はい。」
はいって俺…。頭まったく回らん
専務と俺以外の2人は、え?専務の娘と付き合ってんの?みたいな顔してるが、俺も今知った。
「娘の交際相手が気になって仕事が手につかないって話をしたら、じゃ会えばいぃだろとか言われてな、こうなった、すまん。」
「いえ、部長には何も聞かされておらず驚きましたが、お嬢様の交際相手が気になるのは分かる気がします、自分には娘が居ないので、憶測的な感じですが。」
「正直、見合いが成功してホッとしている反面、娘を嫁に出す寂しさって言うのか?いろいろと考える自分も居る、娘をよろしく頼む。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
いろいろ話をして緊張も解けてきて、なかなか良い時間が経過していた。
「そろそろ時間も長くなりましたので、私達はこの辺で失礼させて頂きます。」
「そうだな、仕事の話も出来たし、あまり長く引き止るのも悪いな、それで…今日の事は娘には極秘にしてもらえないだろうか、これバレたらマジヤバいんすよ、契約の話は俺も推しとく、お願いしますッッ 」
この人、部長と似た匂いするぞ。
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