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姉妹の再会①
しおりを挟む364話のヒルラウロがセリスティアの家へ連れて来られた時のお話しです。
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町娘として過ごす日々、とても楽しい毎日で御座います。
巷では歌姫と呼ばれる事も御座いますセリスティアと申します。
部屋で寛いでいると、見覚えのあるコロモリさんが窓をペシペシしています。
窓を開けてコロモリさんを部屋へ入れてあげました。
確かロズグランデ国王陛下のコロモリさんだったと記憶しております、何やら手紙を届けに来たみたいですね。
セリスティア»「リリさん、でしたっけ?お手紙を届けて下さったのですね、有難うございます。」
手紙を読むと、陛下がヒルラウロお姉様を連れて間もなくこの家に来ると書いてあります、アンヌ(侍女)にお茶の用意をお願いし、お姉様の到着を待ちます。
小さなカップでお茶を飲むリリさんの服を見て、この服も可愛いなと思っていたら。
リリ»「ご主人様きたなの。」
従魔は主人の位置が察知できるのだとか。
どうやら到着したようですね、お出迎え致しましょう。
セリスティア»「お久しぶりです、お姉様。」
ヒルラウロ»「セリス…。」
ユーリ»「今日はゆっくり休みなさい、明日また迎えに来るから。」
リリさんは陛下のお腹の袋へ頭から入っていき、お尻がムクムク動くのが可愛かったですね。定位置なのでしょう。
陛下にお辞儀をし、お姉様を家の中へ案内。
セリスティア»「広い家では御座いませんが、ごゆっくりなさって下さいね。」
ヒルラウロ»「この小さいのが家?セリスの家なの?」
セリスティア»「お姉様…お城とは違いますよ?、これでも一般的な家より広く大きく造られているとか。この家は陛下よりお借りしている家ですよ。」
ヒルラウロ»「…そうなのですね…ゴメンなさい…。貴女が行方不明になったと知らせが入った時は心臓が止まるかと思いました、無事でなによりです。」
セリスティア»「陛下が私を行方不明として国の道具より解放して下さったのです。」
ヒルラウロ»「そうでしたか、お父様や王妃様はご無事なの?」
セリスティア»「それは私には分かりません、マイズトーレは同盟の交渉の最中にビルセイド領へ軍を差し向けたのです、本来であれば私達も軍と共に討たれていても不思議では御座いません。」
ヒルラウロ»「そんな…。」
お姉様は言葉を失ったように黙り込んでしまわれました。
セリスティア»「私達は陛下のご慈悲により今は楽しく過ごさせて頂いております、収入が多くはないので城で過ごしたようには行きませんが、なんとか3人で食べて行けているといった感じですね。」
ヒルラウロ»「収入?あなた達、働いているの?」
セリスティア»「働いていると言いますか、街で歌を聞いて頂いて収入を得ています。」
ヒルラウロ»「…え?歌?」
セリスティア»「はい、旧街で数日に1度程度ですが台の上で歌を聞いて頂いてます。」
ヒルラウロ»「他に無かったの?」
セリスティア»「やってみると楽しいですよ?歌い手さん。」
ヒルラウロ»「…そうなのね…。」
セリスティア»「お姉様はマイズトーレの管理者をしているのでしょ?」
ヒルラウロ»「えぇ、私には難しくて…。」
セリスティア»「陛下がお姉様を管理者に選んだのでしょう?」
ヒルラウロ»「えぇ。」
セリスティア»「ならば何も心配はいりませんね。」
ヒルラウロ»「やる事や覚える事が多すぎて…。」
陛下のお手紙にあったお姉様のお疲れのご様子、ご気分も滅入ってらっしゃるように見受けられます。
セリスティア»「コンを詰めすぎなのではないですか?陛下はスグに結果を出せと仰る方ではないはずです。」
ヒルラウロ»「…。貴女はロズグランデ国王を信用しているのですね。」
セリスティア»「陛下は私に自由を与えて下さいました、行きたい場所、好きな場所で自由に暮らせと。」
ヒルラウロ»「自由…。」
セリスティア»「私はロズグランデ国でアンヌとミア、それにティアと楽しく過ごしております。」
ヒルラウロ»「ティア?」
セリスティア»「ティア。」
ティア»「はいなの。」
セリスティア»「この子です、従魔なのですが、まぁお友達ですね。」
ヒルラウロ»「従魔…魔物なのですか?」
お姉様が小さなティアが飛んで来たのを見て驚いています、マイズトーレでは従魔は禁止でしたしね。
セリスティア»「小人とコウモリの間に産まれた子だそうで、お話しができて可愛いのです、まだロズグランデ国でしか売っていないそうですよ。」
ヒルラウロ»「お話し?会話が出来るのですか?」
セリスティア»「ティア、こちらは私のお姉様で名前はヒルラウロです、ご挨拶できますか?」
ティア»「はいご主人様、ティアなの。」
ティアが短い右手を上げてご挨拶しています、とっても可愛いです。
ヒルラウロ»「ヒルラウロと申します、よろしくお願いいたします?」
セリスティア»「この子達はコロモリと呼ばれ、ロズグランデに住む住民も連れている者が居ます、可愛いでしょ?」
ヒルラウロ»「確かにお人形みたいで可愛いですね。」
セリスティア»「私は主に歌う時に連れていますが、陛下や城の方はコロモリに手紙を持たせて飛ばしたり、連絡手段としても連れているようです。」
ヒルラウロ»「連絡用?確かに飛べるのであれば連絡手段にも使えますね。」
セリスティア»「街の子供達は私と同じでお友達として連れていますよ。」
ヒルラウロ»「子供が従魔を使役しているのですか?危険は無いのですか?」
お姉様が驚いていますが、コロモリ達が危険な事をした話しは聞いた事がありません。
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