185 / 415
176 リーゼちゃん密偵のお仕事②
しおりを挟むユーリ»「あんた達が自分で密偵しか出来ないと思ってるから密偵しかやらないんだよ、ロザリカは彫刻してるでしょ?あれでロザリカは侍女を雇って彫刻だけで十分に生活が出来るんだよ?上の18人だって、あんた達だって同じなんだよ、密偵しかしないから生きられないんじゃない?」
エンル»「あ…主様…身体から紫の煙が出てます…よ?」
ユーリ»「おや?なんでだ?」
ローナ»「主様のお話は理解できました、我々密偵にも他の道が有ると言う事ですよね?」
ユーリ»「そだよ、でも辞めろとか言ってないからね?辞められると私が困る。上の18人ね、密偵が出来ないなら他に何かしろって事だよ。」
エンル»「10年も屋根裏に居て簡単には切り替え出来ないのではないでしょうか…。」
ユーリ»「密偵ってそこそこ強いよね?リーゼ強かったし?」
リーゼ»「それなりの戦闘は可能だと思います。」
ユーリ»「なぜ冒険者にならないんだ?外で焼肉やらせろ、魔獣ぐらい倒せるでしょ?」
ガイツ»「いつもながら突発ですが良い案かもですね、自分達も食べられますし。」
ユーリ»「じゃそれでよろしく。」
リーゼ»「行ってきます…。」
いつもの強引なお姉様でゾクゾクしたが、これは秘密なのだ。
もう一度、元密偵の集まっている場所へ戻り、魔獣を狩って来ないと追い出されると言ってみた。
男»「魔獣を狩ってどうする?それは密偵の仕事ではないぞ?」
あ、これダメかも知れない。
リーゼ»「密偵の仕事がしたいのか?10年も屋根裏に居て出来るのか?私達は密偵の仕事に甘くはないぞ?」
男»「じゃあなぜ魔獣を狩るんだ?」
リーゼ»「魔獣を狩って焼いて食え、町は今ドラゴン襲撃で再建中だ、町の人へ食料を運んでやって欲しい。」
男»「それは密偵の仕事じゃないだろ?」
リーゼ»「だから密偵の仕事がしたいのか?お前達に出来るのか?密偵の仕事をしても死ぬだけだと思うぞ?」
男»「…俺達にどうしろと?」
凄いイライラする、なんだこれ?私はこんな考えだったのか?お姉様が不機嫌になるワケだ。
リーゼ»「とにかく言われた通りにしないと領主はお前達を排除すると言っている。」
男»「横暴だな。」
リーゼ»「10年もタダでメシを食っといてよく言えるな?これからメシは無いぞ?腹が減ったら魔獣を狩って食え。」
男»「あんなの食わなきゃいけないのか…仕方なく食った事はあるが…出来れば勘弁して欲しいな。」
リーゼ»「今は美味いぞ?ロズ兵なんか毎日食って騒いでるぐらいだ。」
エンル»「あれホントに美味しいの?」
ローナ»「騒いでるのは毎晩見てるけどさ、食べたいとは思わないわ。」
リーゼ»「あ、そうか2人は食った事ないのか、狩ってスグ血を抜くと美味いんだ、その辺の売ってる肉より美味いぞ?」
ローナ»「え?そうなの?食べてみたいな。」
リーゼ»「ここの兵も焼肉やってるはずだぞ?試しに食ってみるか?」
ローナ»「食べるぅ」
エンル»「めっちゃ興味あるぅ」
リーゼ»「お前達も、住む場所が無いならロズグランデに来い、廃屋だらけだから好きに住めるぞ?」
男»「…。」
リーゼ»「とにかく1回やってみろ、狩ってスグに血を全部抜くんだ、まったく別の肉だぞ?」
男»「ホントか?」
リーゼ»「やってみろ?別に騙してないぞ、お前達を騙しても私に得は無いからな。ほらいけ。はよいけ。」
とにかく追い出した。
怪我の後遺症で動けない者も居たので全員参加ではなかったが、とりあえず狩りに行かせる事は出来た。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
33
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる