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しおりを挟む少しして店主が再起動したようだ。
女»「…あの…失礼致しました…え~…。」
ユーリ»「セリスティアの事は、まだ秘密でお願いします、人間の国の王女様で、少しゴタゴタしてますので。」
女»「はい、それはモチロン。」
ユーリ»「代金は完成後ですか?技術料なども込みでしょうから判断が難しいでしょ?」
女»「いえ、お代なんて頂けません。」
ユーリ»「貴女はサウザンスからロズ王都に店を出しに来たはず、自分の生活があるのですから、遠慮してたら餓死しますよ?」
女»「はい、有難うございます。」
ユーリ»「ぼったくりは店を畳む事になるでしょうから、そこ気をつけてね。」
女»「はい、有難うございます。」
完全な再起動では無かったが会話が出来てたから大丈夫だろう。
店を出てゲートでセリスティアを家に送って城の庭へ戻った。
ユーリ»「これ何人いるの?」
奴隷»「14人ですね。」
ユーリ»「娼館の売り上げで養える?」
奴隷»「はい、それは問題ないでしょう、ですが仕事が無いのでは?」
ユーリ»「街の建物の修理でもする?集合住宅とか無い?」
奴隷»「集合住宅はありましたね、そこを修理してもらいますか?」
ユーリ»「修理して皆で住めばいいんじゃないかな?そのまま住めるんなら修理しなくていいし。」
奴隷»「わかりました、皆には集合住宅の修理を優先で、手の空いた者に街の修理をやってもらいます。」
ユーリ»「あんた達、使えるわね、正直びっくりしてるわ。」
奴隷»「ご主人様に自由を頂いてからですよ、それまで自分で考えて動くなんて無かったですから。」
ユーリ»「あ、そうか、言われるがまま動くのとは違うよね、皆も同じ環境にしたら変わるかな?」
奴隷»「性格もあると思いますが、自分で考えて動く者は出てくるかもです。」
ユーリ»「管理は4人に任せるよ、娼館もあるけど出来る?」
奴隷»「やります、ご主人様のお望み通りになるかは分かりませんが、やってみます。」
ユーリ»「ムリしちゃダメだよ?」
奴隷»「有難うございます。」
ニドルドの所から連れて来た奴隷が話を聞いていて、主人と奴隷が会話している事が既に有り得ないのに、奴隷に向かってムリするなと言う主人を不思議な物を見るような目で見ている。
ユーリ»「ところで、すごい今更だけどね?私あんた達の名前を知らないんだよ。」
奴隷»「名前ですか、一応名前はありましたが、ご主人様が新しく名付けて頂けませんか?」
ユーリ»「え?名前って大事な物じゃないの?」
奴隷»「奴隷の名前は、奴隷商人が付ける場合が多いのですよ、犯罪奴隷等は別ですが、俺達のような最初から奴隷の者は名前なんて有って無い物なのです。」
ユーリ»「そうなの…名前かぁ…自分で付けて忘れそうだな…。」
奴隷»「では簡単でご主人様が覚えていられそうな名前をお願いします。」
ユーリ»「じゃ~…エイ、ビイ、シイ、デイ、でお願いします。」
奴隷達»「有難うございます。」
ユーリ»「名前は忘れないだろうけど、誰がどの名前か忘れそうだな…。」
ダメダメ主人である。
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