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捕虜解放の後、シルフに帰ると言ってからロズ新街へ向かった。


ユーリ»「グランツ、そろそろマイズトーレ攻撃していい?」

グランツ»「そうだな、誰も帰ろうとしないし、家族を呼び寄せて旧街に住ませている者も居る、待ってくれて感謝する、後は好きにやってくれ。」

ユーリ»「あっさりしてるね、国が嫌いだったの?」

グランツ»「そうだな、国で会話の成立する者はセリスティア様と、セリスティア様と仲の良かった第2王女のヒルラウロ様ぐらいだな。」

ユーリ»「国王もクズなのか。」

グランツ»「現国王は世襲で王になっただけの王だ、飾りだよ。」

ユーリ»「ここに居る皆はセリスティア派って感じなのかな?」

グランツ»「そうだな、皆セリスティア様を慕っている、あの方がこの地から離れないのなら、我々も同じだと思ってくれ。」

ユーリ»「セリスティアを裏切らないって事だね?」

グランツ»「あぁ、殿下の哀しむお顔は見たくないな。」

ユーリ»「わかった、ロズグランデに来て良かったと思ってもらえるように努力するよ。」

グランツ»「よろしく頼む。」


城へ戻りマイズトーレをどう攻撃しようか考えようとしたのだが、マイズトーレが何処に有って、どんな形の国なのか知らないのだ。


ユーリ»「ちょっと屋根裏いってきます。」

ラナ»「マイズトーレの情報が欲しいのではないですか?」

ユーリ»「…はい。」

ラナ»「ユーリ様がマイズトーレをご存じない事ぐらい分かりますよ。」

ユーリ»「…サーセン。」


ラナの話によると、マイズトーレはロズグランデ国より東に有る国で、ビルセイド領の王城を吹き飛ばした元国の隣りなのだそうだ。東ってどっち?

マイズトーレは小さい国だが、歴代の王の力が強かったので、他国から攻められる事は少なかったらしい、だが今の王になって国の力が弱くなり、ロズグランデを味方につけ自国を守ろうとしたか、他国より優位に立ちたいと考えたのだろうとの事だ。

そんな考えを持ちながら交渉人ではなく偽王を寄越すあたり、かなり魔族を軽く見てると言う事だろう。

以前グランツが言った、人間が世界を統治する発言、決められたセリフだったのかグランツの本心なのかは解らないが、人間の偉い人は そう思っているだろう。


ユーリ»「ビルセイドが所有する元人間の国って、今どうなってんの?」

ラナ»「現在はロズグランデ国の領土になっており、王族不在で貴族制度を廃止、管理する者を置いておりませんのでロズ王都と同じ無税で勝手に住まわせております。」

ユーリ»「元貴族から怨まれてるんだろうなぁ…。」

ラナ»「シルフ様の指示ですが、ロズグランデ国の支配下なので怨まれるのは国王様ですね。」

ユーリ»「…だよね…。」


解放した兵士達が国に戻るまで3日は掛かると思い、最低5日は待ってやる事にした。

それまで暇だ、アルザには言えないが、暇だ。








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