届かない想い

真條 沙織

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11 アドマイズ侯爵の陰謀

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リュークがアドマイズ家を訪れている頃、ミリアの両親はガルフィード家へ向かっていた。

リュークがミリアを訪ねていてガルフィード領地に居ないと知っていて、あえて留守を狙ったのだ。


父»「ガルフィード領は小さい土地らしい、ミリアを貰ってくれたら有難いが。」

母»「調査はしてきたではありませんか、もし私の憶測が違ったとしても、先方に跳ね除けるだけのチカラは無いはずです。」

父»「本当にリューク殿がミリアを好いているのか?どうにも信じられん。」

母»「私の勘は侮れないですわよ?貴方のヘソクリを全て没収した実績が御座います♪」

父»「あれはミリアに使う為の金でヘソクリではないと言っただろう…。」

母»「なかなか貯め込んでましたが、そんなに必要ですか?」

父»「ミリアはセリアと違って何も欲しがらんのでな、せめて私を頼ってきたらデンと出す予定の金だったのだ。頼って来たらの話しだがな。」


などと話しなが、ガルフィード家へ向かう。


父»「この辺りにはアドマイズで行っている方法は使われていないのだな。」

母»「全く伝わっていない風でもない様子ですが、民に受け入れられていないのでしょうか?」

父»「わからんな、ミリアが見れば違うのかもだが。」


ミリアの両親が見た光景は、自領で行っている畑作ではなく、ガルフィード領で行っているのは主に稲作であり水田を見ているのだが、アドマイズ領には水田が無いので、領地の視察に出ない領主が水田を見ても何を作っているのか分からないのだ。(残念領主)


そして予定日にガルフィード邸へ到着し、領主が自らお出迎え。


領主»「本日はようこそおいでくだいましたアドマイズ侯爵様、トアモル・フォン・ガルフィードと申します、こちらは妻のリースです、ここでは失礼ですので、どうぞ中へ。」

アドマイズ領主»「ご領主自らとは恐縮です、ではお言葉に甘えて。」


応接室へ案内され、まず自己紹介をしなければならない。


セイルクス»「本日はお忙しい中お時間を頂き真に感謝いたします、セイルクス・フォン・アドマイズと申します、こちらは妻のミリネアです、よろしくお願いいたします。」

トアモル»「あ、頭をお上げ下さい、私は男爵でありアドマイズ様は侯爵様です、下級貴族にその様な…。」

セイルクス»「いえ、礼儀は通しておかないと落ち着きませんので。」


ウダウダ世間話をして、そろそろ本題に移ろうと話しを切り出したセイルクス。


セイルクス»「そこでですね、そちらのご子息、リューク殿に私の娘を貰って頂けないかと思いまして参りました。」


ガルフィード男爵、なんとなく推測はしていたのだが顔面蒼白。

訪問の手紙に記されていた内容は、領地の見学とあり、それは無いだろ~。もしや問題児の押し付け輿入れでは?とか考えていたのであった。

男爵は侯爵家に2人の娘が居る事は知っているのだが悪い噂を聴かないだけでは判断は出来ない。親が揉み消しているか、ワガママで金遣いが荒いか。

トアモル»「それは…なぜ…?」

セイルクス»「実は、13歳になる娘が縁談を尽く断っており、その理由が解らず困っていたのですが、ようやく理由が判明いたしまして。」

トアモル»「はぁ…。」

セイルクス»「その理由とは、どうやら娘のミリアネールがご子息のリューク殿を好いているようで、自分に来た縁談を断っておいて、リューク殿に来た子爵家からの縁談を、自分がリューク殿に縁談を出して潰そうとしたのです。」

トアモル»「…。(ーωー) その縁談は息子が断って潰しましたがね。」

セイルクス»「もしやリューク殿にも?」

トアモル»「あ~。はい。その様です。」

セイルクス»「そのお相手をトアモル殿はご存知なのですかな?」

トアモル»「あ~。はい。本当の事を言ったかは分かりませんが、息子に問いただし聞き出しました。」

セイルクス»「それは?縁談を持ち掛けていないのでは?」

トアモル»「はい、あまりにも階級差がありすぎて息子も諦めてはいるのですが、気持ちの整理が出来ないのか縁談は断っております。」

セイルクス»「階級差ですか、まさかウチのセリアリールだったりとかではないですよね?」

トアモル»「いえ、セリアリール様では御座いませんが…。」

セイルクス»「では?」

トアモル»「うッ…。申し訳ございません、ミリアネール様を想っているようなのです…。」

セイルクス»「へ?( '꒳​' )」

トアモル»「(滝汗)」

セイルクス»「あ、そ、そうなんですか?」


妻ミリネアの勘は当たったようだ。


トアモル»「身の程を弁えない愚息で申し訳ございません。」

セイルクス»「いや…え~。問題ないのでは?こちらはミリアネールを貰ってほしいとお願いにあがったのですし。」

トアモル»「しかし、さすがに侯爵令嬢様を想い人とは不敬すぎて、申し訳ございませんとしか。」

セイルクス»「ここはどうでしょう?お互いに想い合っている様ですし、思い切って強引に娘の輿入れを。」


グイグイくるセイルクスの攻撃を躱すのが苦しくなり焦るトアモル。












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