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出会いは突然
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待ち合わせ会場のエントランスには王子様やお姫様の格好した人がいる。
王子様はなんのキャラなのかは分からないけど、お姫様はわかりやすい。ディズニープリンセスの格好が多い中ロココ調のマリー・アントワネットのセンパイがエントランスに入ってくるなり一斉に注目を浴びてる。センパイが緩やかに手を振りながら近づいてきた。
「藤っちお待たせ」
仕草や動作は穏やかにしてるが喋り方はいつも通りのセンパイに笑ってしまった。
「都センパイ口調と動作が反比例してますよ」
「じゃあさ、私が藤代様お待たせ致しましたって言い出したらどーするの?合わせてくれるの?」
「えー、それはちょっと僕には難しいです」
「でしょ!コスプレ歴半年未満の君には難しいってわかるから口調だけはそのままにしてあげてるの。感謝しなさいよね。でも本当にラッキーだったわ!この衣装が入るのが藤っちしか居なかったから断られたらどうしようかって本気で焦ったもの。引き受けてくれてありがとう」
この衣装は高校生の時に自分で着るために作った衣装らしく今のセンパイには入らないけど、僕なら入るって思ったから頼み込んできたのが大きな理由だ。
僕の身長は170と周りには言ってるが本当は2センチ足りないのは秘密、そして体重が51キロ。そして今はヒート明けなので50キロもなくこの衣装が少しぶかぶかしてるがタオルを腰周りに入れたので丁度よく見えてる。
「いえいえ、コチラも色んな人のコスプレを見れて勉強になります」
「楽しんでもらえてよかった。でもねキララ様が現れたら周りが霞んでしまうから絶対に、期待してて」
伝説のコスプレイヤーキララ様。出身、年齢、性別と全く素性が分からないけどその場に居るだけで目を奪われてしまう、凄腕プレイヤーらしい。
僕もキララで検索したけど写真は1枚もなかった。
ネットであげる人が居ないのか聞いてみたが、ネットにアップされた瞬間に消されてしまうらしい。
キララ様の噂だけが独り歩きしてるのでは?と思っても実際に見た人はキララ様は別格と褒めちぎる文章だけが多くネットで残ってるから不思議だ。そして、センパイもキララ様を見た一人で、キララ様を語り始めたら止まらないのだ。
本当に来るかどうかは分からないけど、伝説のコスプレイヤーに会えるかもと思えば少しだけ楽しみでもある。
会場内の撮影は禁止の張り紙の扉の向こうが会場となってる。
王子様がお姫様をエスコートして会場入りするのが決まりなのでセンパイにいたずらっ子のようにお姫様どうぞと肘を軽く曲げて輪を作ってあげると、ありがとうと礼を言いながら腕を回してきた。
スタッフが僕たちの為に会場の扉を開けてくれた。
大勢の人が居たはずなのに僕にはスポットライトで照らされた一人のお姫様を見た瞬間 体の奥から血が逆流したかのような衝撃を受け、その場で膝をついてしまった。
王子様はなんのキャラなのかは分からないけど、お姫様はわかりやすい。ディズニープリンセスの格好が多い中ロココ調のマリー・アントワネットのセンパイがエントランスに入ってくるなり一斉に注目を浴びてる。センパイが緩やかに手を振りながら近づいてきた。
「藤っちお待たせ」
仕草や動作は穏やかにしてるが喋り方はいつも通りのセンパイに笑ってしまった。
「都センパイ口調と動作が反比例してますよ」
「じゃあさ、私が藤代様お待たせ致しましたって言い出したらどーするの?合わせてくれるの?」
「えー、それはちょっと僕には難しいです」
「でしょ!コスプレ歴半年未満の君には難しいってわかるから口調だけはそのままにしてあげてるの。感謝しなさいよね。でも本当にラッキーだったわ!この衣装が入るのが藤っちしか居なかったから断られたらどうしようかって本気で焦ったもの。引き受けてくれてありがとう」
この衣装は高校生の時に自分で着るために作った衣装らしく今のセンパイには入らないけど、僕なら入るって思ったから頼み込んできたのが大きな理由だ。
僕の身長は170と周りには言ってるが本当は2センチ足りないのは秘密、そして体重が51キロ。そして今はヒート明けなので50キロもなくこの衣装が少しぶかぶかしてるがタオルを腰周りに入れたので丁度よく見えてる。
「いえいえ、コチラも色んな人のコスプレを見れて勉強になります」
「楽しんでもらえてよかった。でもねキララ様が現れたら周りが霞んでしまうから絶対に、期待してて」
伝説のコスプレイヤーキララ様。出身、年齢、性別と全く素性が分からないけどその場に居るだけで目を奪われてしまう、凄腕プレイヤーらしい。
僕もキララで検索したけど写真は1枚もなかった。
ネットであげる人が居ないのか聞いてみたが、ネットにアップされた瞬間に消されてしまうらしい。
キララ様の噂だけが独り歩きしてるのでは?と思っても実際に見た人はキララ様は別格と褒めちぎる文章だけが多くネットで残ってるから不思議だ。そして、センパイもキララ様を見た一人で、キララ様を語り始めたら止まらないのだ。
本当に来るかどうかは分からないけど、伝説のコスプレイヤーに会えるかもと思えば少しだけ楽しみでもある。
会場内の撮影は禁止の張り紙の扉の向こうが会場となってる。
王子様がお姫様をエスコートして会場入りするのが決まりなのでセンパイにいたずらっ子のようにお姫様どうぞと肘を軽く曲げて輪を作ってあげると、ありがとうと礼を言いながら腕を回してきた。
スタッフが僕たちの為に会場の扉を開けてくれた。
大勢の人が居たはずなのに僕にはスポットライトで照らされた一人のお姫様を見た瞬間 体の奥から血が逆流したかのような衝撃を受け、その場で膝をついてしまった。
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