異世界無知な私が転生~目指すはスローライフ~

丹葉 菟ニ

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スローライフスタート

家に入る為には

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無事に結界内に入れたけど、てしてし君は家に入れないとわかると、スルスルと小さくなった。
私としては、室内犬と呼ばれる小型サイズがありがたい。

もう少し小さくとお願いするも、出来ないことも無いが、これ以上はキツいと言われてしまい断念した。
近所で見かけていた、ゴールデンレトリバーの大きさだ。

そのまま抱えようと試みるも無理だったので、外のホースで水を掛けようとしたが、慌てたのは てしてし君だ。

「おい、待て。なにをするつもりだ?」

「ずっと外に居たんでしょ、汚いから綺麗に洗うのよ。汚い子は我が家に入れてあげません」

顔を顰めたてしてし君。

「分かった。洗えばいんだな。使い方を教えてくれ。」

疑いの眼差しで 見るしかないでしょ。
1人でどうやって洗うつもりなのかと、当たり前に思うでしょう?

「コレでどうだ」

ぉぉぉおっ、すっごい。何でもありなのかぁ~、てしてし君が人間になった。
長身のイケメン。神様って美形が 基本標準なのか?!
白銀の髪は腰まであり、一つに括ってる、小顔の目つきが鋭い青い目のイケメンさん。

「へぇ~、便利な能力ね。フェルリンと人とどっちが本当の姿なの」

「冷静だな、フェルリンだ」

聞いておきながら、まぁ どうでもいいか!などと思う。
なるほど、その姿なら 1人でも大丈夫ね。
ちゃんと服は来てますよ。
古代エジプトの壁画に書かれてるような服、
なんて言うのかな?白ワンピース。赤い紐で腰周りを縛ってる。

人の姿ならと風呂場に案内した。
タオルでちゃんと拭いて来るまで一通りを教えてた私は風呂場を出て庭に到着。

この辺りでいいかな?
物置から持ってきた桑。
大きく振りかざして地面に突き立てた。
何度も繰り返し柔らかくした土で畝を作り、スコップで等間隔に穴を掘る。昨日、散歩で気になった薬草や お野菜になりそうなもの植えて行った。

花は見ているだけでもリラクゼーション効果があるので玄関周りやリビングから見える位置に植えていく。

「元気に育ってね」

ジョローで水やりをしてると、ウッドデッキから 大型犬のてしてし君が顔を出した。

「綺麗にして来たぞ」

「わかった。ご飯だね、ちょっと待っててね」

お取り寄せ空間に手を入れて念じみた。
いつもより多く魔力を取られたけど 何かを掴んでるのはわかる。
取り出して見るとワンちゃんの写真がのったご飯だった。
人になったりもするが基本はフェルリンだ。やっぱりこれだよね。

「お待たせ。てしてし君ご飯どうぞ」

「てしてしでは無い。アオトだ」

深いお皿をてしてし君 専用にしてあげるつもりで、先程お取り寄せした ご飯をザァーと 入れてあげた。

「おい、なんだこれは」

不機嫌に右前足をてしてしと叩いてる

「あのですね。そんなに不機嫌にしてても動物に人の食べ物を与えるのは良くないんですよ」

いじめてる訳では無いと、ちゃんとした理由を話すが、イライラしてるのかてしてしが止まらない。
怒ってるんだうな、でも可愛いしか思えない。

「忘れてるかもしれないが、俺はパズルフィの聖獣だ。時々はパズルフィ都市に出向き人の食べるものも食べる。余計な心配は無用だから昨日の黄色いのを出せ」

パズルフィ都市?へぇー、都市もあるんだ。後で色々と聞かないとね。

ホントに大丈夫なのだろうか?
コッチは気を利かせたんだから怒ることないと思う。
うーん、自己申告を間に受けて大変な事になっても。と悩むが 目の前のてしてしが止まらない。
・・・信じるしかないか。でも、卵焼きを出せと言われても 直ぐには出せない。

「黄色って卵焼きだよ、そしてごめん。今朝私が 食べたのよ」

ガーンって効果音が聞こえてきそうなほどの落ち込みよう。耳はもちろん尻尾までが項垂れてる。

「毎日 食べさせてくれると約束した」

了承した覚えはない。が、テイムしてしまったから了承した事になるのか?私は協力者を希望したつもりだけど?
うーん、曖昧だな。


「少し待っててもらえたら 作るけど 」

ぅお。耳が元気になった、尻尾もブンブン振り回してるし。

「待つ、待つから作ってくれ卵焼き」

「わかった。その前に食べれない物や嫌いな物はある」

「ない」

ウキウキと"ない"と答えるてしてし君。
コレは断れないよね。
って事で、手早く朝御飯作りました。
朝作った お味噌汁 1口がんもとひじきの煮物
砂肝のポン酢あえ 味付け海苔 ご注文の甘い卵焼き 白ご飯

ポンと人の形になると、美味しそうにご飯を食べてたけど、1番は甘い卵焼きだった。卵焼きの時だけ 笑顔が半端ない。
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