TS陸上防衛隊 装脚機隊の異世界シークレットミッション

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エピローグ1/4:「隊員等の休息 魅惑の変貌にて」

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 ――防衛隊の発動した大反抗攻勢作戦は、その圧倒的な力をもって進められ続けた。
 丁寧に、端から掃き浚えるように。
 鋼獣帝国軍を押し、潰し、排し、退け。

 そして数週間の後、その果てに。
 現在介入中のこの国より、侵略軍である鋼獣帝国軍はその全てが押し返され、完全に撤退した。

 解放の暁を見るその時を迎え。
 この国の都市は、街は、人々は。
 大いに沸き、歓喜し。高らかに笑い歌い、祝いを上げた。
 人々の歓喜歓声は、数日間昼夜を通して止むことは無かった。

 それは、防衛隊の任務作戦の成功の証明でもあった。
 日本国防衛隊の大きな、重要な任務が。ここに一つ完遂されたのだ――



 ――髄菩等が身を投じた一連の戦いの決着から、同じく数週間の日時が過ぎたそのある日。
 場所は戦線の後方、日本が現在も介入中である異世界の国の。防衛隊が仮設駐屯地を隣接併設するある一つの街へ。

 その街の一角には中々の敷地と贅沢な施設を持つ、一軒の屋敷が存在していた。
 それはこの街に住まう資産家が元は保有していた屋敷であるのだが――現在は成り行きから、防衛隊が借り受けていた。
 
 簡単に事の経緯を話せば、その所有者である資産家もこの屋敷を持て余していたのだが。
 その資産家は、この地の解放の希望と注目を集める防衛隊が、街への出張所を必要としている噂を聞きつけ。防衛隊とお近づきになる手段にと、その屋敷の提供を申し出て来た。
 防衛隊としては最初は、屋敷一つを「それはどうも」と一言で借り受ける事などはできなかったが。しかし所有者の手回しの上での、逞しいまでの勧め申し出を最終的に断り切れず。
 防衛隊は屋敷を借用。そして今日までは、その端っこを小じんまりと出張所事務室として使うに甘んじていたのだ。

 ――しかし今日にあっては、その屋敷は大変に騒がしく。姦しい様子光景を見せていた。


「――はぁーッ」
「――ふぃーっ」

 屋敷には贅沢にも大きなプールが併設されている。
 そのプールサイドの一角。レジャーシートとパラソルが設置され、その内に敷かれたビーチマットレス。
 その上に、それぞれくつろぐ様子で寝そべる二人の美少女と美女が。

 ――黒髪美少女姿の、髄菩と。
 ――今日はまた金髪白ギャルの美女姿となっている、奈織。

 その二人の姿があった。

 現在二人はプールサイドという場所光景に合わせ、その格好はどちら水着姿だ。
 詳細にはOD色を基調とし、ラインを走り描く競泳水着姿。これは明かせば、性転換の事情文化が防衛隊でも普及するに合わせて、隊員に支給されるようになった支給品であった。

「ほぁ――まさか異世界でウォーファイトしに来たのに、こんなエンジョイタイムにありつけるなんてねーっ」

 そのくつろぐ二人の内の、奈織から間延びした色でそんな声が上がる。
 そんな奈織が同時に視線を向けて見るは。望む大きなプールの内や周りで、戯れあるいは運動遊戯などに興じる、何人もの美少女や美女たちの姿光景だ。
 もちろんいずれも水着姿の美少女や美女たちが見せるその光景は、大分に姦しく賑やかであったが。

 もはやお約束だろうか――暴露すればその美女や美少女たちのほとんどは、その正体は性転換した〝男性等〟であった。
 詳細にはその彼女(彼)等の多くは、日本国防衛隊の隊員等。一部には介入中であるこの異世界の国の、軍の兵士たちもいる。
 そんな美少女・美女性転換男性等が。実に愛らしく目の潤う光景を繰り広げていたのだ。

 前述した通り、当初は持て余して小ぢんまりと防衛隊の出張所として使われていたこの屋敷であるが。
 誰が思いつき目を付けたのか、この贅沢な施設設備を有する屋敷を持て余しているのはあんまりだと。慰安娯楽施設として使おうと言う話がどこからか浮上したのだ。
 そしてそこから少なくない数の者、隊員等が。欲望からの異様な行動力を見せ、話を回し手を回し。
 結果としてグレーゾーンではあるが。この屋敷施設が(一応は)密かな休息娯楽のための場として、利用が(見逃されて)認められる運びとなったのであった。

 そして髄菩や奈織等、先日の作戦に従事した隊員等は。この日、この屋敷施設にて休息休養を享受していたのだ。

「皆のベヒモス級行動力さまさまってカンジ?」
「まったく、身内もまた欲に忠実なことだ」

 くつろぎつつ、そんな現在の環境の経緯を思い返し。
 引き続きプールの方向を。そこで楽し気に遊戯に興じる、中身は男性な美少女&美女たちを鑑賞するように眺める二人。
 二人のすぐ近くのプールの一角では。ビーチボールでまた楽し気に遊戯に興じる、四人の美少女&美女の姿が見える。
 それこそ他でもない空挺の、彗跡に稜透、東須に狡徒だ。いずれもOD色の競泳水着姿。

「贅沢なフィールドに、イケてるガールズ&レディで目のホヨー――マジ至高の贅沢ってカンジっ」

 そんな今見える光景を。そして現在自分等が享受する状況を、そんな言葉で表現して歓迎の色を見せる奈織。

「あとは――」

 そしてしかし次に。その眼の色が少し妖しく、下心を含めたものへと変わる。

「っとッ?」

 そしてその奈織が身を起こす動きを見せ。次に上がったのはその隣の髄菩の、少しの驚き交じりの声だ。
 見れば、仰向けに寝そべりくつろいでいた髄菩の身体に。奈織が覆い被さり乗っかっていた。
 身体を密着させ、壁ドンならぬ床ドンの様相で腕を着いて髄菩を逃がさぬようにして。そして奈織自身のたわわな乳房を、髄菩のまた魅惑の乳房へ、むにゅりと押し付け互いを潰していた。

「一緒にイチャラブしてくれる、イケイケガールの好きピがいればカンペキっ!的な?」

 そして覆い被さった眼下の髄菩に向けて。奈織は可愛らしく悪戯っぽく、しかし同時に獣欲を垣間見せる表情で、そんな言葉を降ろした。

「お前……ッ」
「チト早いけど、デザート頂いちゃいたい気分みたいなっ?」

 少し呆れの色を含めて言葉を返した髄菩に。奈織はまた妖しい笑みでそんな素直な言葉を降ろす。

「――ひゃっ!?」

 しかし、その奈織の背筋に。
 それをツイとなぞる、物理的に冷たい感覚が走ったのは直後だ。そして奈織の口から可愛らしい悲鳴が上がる。

「こぉーらっ、何してんだ間女ギャルっ」

 そして視線を上げれば、二人の横には膝立ちでそこに位置取る芹滝の姿が現れていた。その姿は今も金髪ショートボブの気の強そうな美少女姿で、格好はやはりOD色の競泳水着。
 そしてその手には一本の冷えた缶コーラ。その缶コーラの縁で奈織の背筋がなぞられ、今しがたの刺激で襲ったのであった。

「人の居ない間に髄菩にちょっかいを出すとは、いい度胸だっ」
「あわわっ、芹ちっ。本妻がカムバックしちった……っ!」

 口を尖らせ少し不機嫌そうな、しかし冗談交じりの色で。奈織へそんな言葉を降ろす芹滝。
 それに奈織は悪戯がばれた子供のような、わざとらしく慌てる様子を見せながら。覆い被さってた髄菩の身体より転がり退く。

「髄菩ーっ、浮気だぞ?」

 そして芹滝は奈織から反対隣位置の、髄菩の横へと可愛らしく座ると。その髄菩にまた不機嫌そうに、そんな言葉を降ろした。

「自分はモテるんでな」

 そんな芹滝に、髄菩は淡々とした言葉に、しかし少しのニヒルな色を混ぜて返す。

「むぅ、これは少し〝わからせ〟が必要か?」

 その髄菩が寄越した言葉に、芹滝はまた口を尖らせ零すと。
 次には髄菩の身体に添い寝そべり、髄菩の片乳に自分の乳房を、ふにゅりと押し付けて見せた。

「ムーブの重い相棒だな」

 そんな様子を見せ、自身に寄り添って来た芹滝に。しかし髄菩はまた淡々と揶揄う言葉を返す。

「やぁ、あーしは性転換美少女カップルの間に割り込みお姉さん」

 そんな所へ。
 髄菩の反対側へ、同じく添い寝そべって互いの乳房を押し付け。《0ワ0》といった表情と、そんな台詞言葉と合わせて割り入って来たのは奈織。
 
「わ か ら せ な き ゃ」

 その奈織に、髄菩の身を挟んで反対側の芹滝から。ハイライトを消した笑っていない目を伴っての笑みで、そんな宣告の言葉が寄越された。

「人を挟んで、おかしなやり取りをしてくれるな」

 そんな珍妙なやり取りを見せた二人に、間に置かれた髄菩は呆れたツッコミの言葉を上げる。

「所で、薩来とかは今も〝お戯れ〟に夢中か?」

 それはさて置きどうでもいいと。髄菩は芹滝に尋ねる言葉を向ける。

「あぁ。皆スイッチ入って、本格的になって来た所さ」

 それに、引き続き自分の乳を髄菩の乳に押し付けつつ。芹滝が少し悪戯っぽい怪しい笑みで、また答える。

 そして耳をすませば。プール施設と隣接する背後の屋敷の建物より。
 何か艶の含まれた、いくつもの妖しい吐息や声が流れて来るそれを、聴き留めることができた――
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