約束の果てに

秋月

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*姉妹の絆

姉妹の絆#10

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-琉side-

一事はどうなるかと焦ったが、あいつ等の仲が戻って何よりだ
2人して泣きじゃくって、奇跡まで起こして…
俺はあんなに強い絆を見たのは初めてだ
まぁ、あいつ等だからこそ起こった奇跡なんだろう
充分見届けさせて貰った
今は俺が側に居なくても大丈夫だろう
俺は後始末をしないとな
俺は1人さっきの岩壁の上まで戻ってきた
そこにはブツブツと呟きながらたたずむ悪霊が居た
漸く姿を現したな
怨念が強く周囲に邪気が漂うほどの悪霊
こんな奴に取り憑かれていて桜はよく正気を失わなかったな
まぁ、桜はこいつとは真逆の守護霊であって、あいつ自身精神力も強いからな
ちょっとやそっとじゃその心は染まりきらないだろう

『どうして…どうして笑ってるの?
怨んでるはずでしょう?
殺したいほど憎んでいるはずでしょう…?
どうして失敗したの…?』

琉「怨んでるのはお前の方だろ
あの2人の間にはお前のような怨みや憎しみはない
あいつらには誰にも切れない強い絆がある
お前程度があいつ等の絆を断ち切れると思うなよ
その目で見たんだから分かるだろう」

『嘘よ…そんな事ない…
皆裏切るのよ…両親も友人も信じていた人皆…憎い…全部…
皆、皆殺してやるんだから…』

琉「憎しみは憎しみしか生まない
お前は憎しみに捕らわれすぎた
そして関係のないあいつ等まで巻き込んで危険に晒しやがって、俺も頭にきてるんだ」

こいつが1人で誰を恨もうが憎もうが勝手に思っていれば良い
けど関係ないあいつ等を巻き込んで、泣かせるどころか、1歩間違えれば死なせる所だった
思い返すだけで怒りが込み上げる

琉「お前も苦しかったのかもしれない
けどな、お前が奪ったもの、奪おうとしたことは罪が重い
あの世で深く反省するんだな」

俺が強力な護符を悪霊に向けて投げつけると、悪霊は苦しみながら

『なんで…なんで…ぇっ』

そう繰り返しながら消えていった
俺の護符は基本的に対象を安らかに成仏させるもの
悪霊や怨霊であっても、自らの行いを悔いて反省していれば苦しまずに成仏出来る
あの様子じゃ反省しているどころか、自分の過ちにも気付けてないんだろう
憐れだな…

琉「いつまで…」

蓮「あっ!琉いた!」

俺が1人たたずんでいると、後ろから蓮と桜が俺を呼び駆け寄ってきた

桜「こんな所で何してたの?
急に居なくなるから探したんだよ?」

2人共目頭が赤く腫れていた

琉「大したことじゃない
後処理してただけだ」

桜「後処理…?」

琉「お前に取り憑いていた奴は除霊したからもう心配することない」

桜「そ、そっか…
あの…私琉にも謝りたくて…酷いこと言ってごめん…」

琉「…悪霊に取り憑かれていたんだ
仕方ないことだし気にするな」

桜「例えそうだとしても私がちゃんと謝りたいの
それに蓮の事も…
もし琉が蓮の事を助けてくれなかったら…蓮が死んでいたかもしれないって思うと今でも怖くて震えが止まらないの
琉、蓮の事を守ってくれてありがとう」

蓮「私も、助けてくれてありがとう琉」

2人から向けられた笑みと感謝の言葉がどこかむず痒かった

琉「…別に、俺もあの時は無我夢中だったからな」

桜「それでも追いかけてあんな高さから飛び込むなんて中々出来ないわよ」

蓮「琉だって危険だったのに…」

琉「結果全員無事だったんだからそれで問題ないだろ」

桜と蓮が互いに顔を合わせて喋りながら笑みを溢す
やっとわだかまりが無くなって心から笑えるようになったな
2人のその様子を見ていて俺もどこか安心した

琉「…良かったな」

そう俺が呟くと急に2人は驚いたような表情で俺を見ていた

琉「なんだよ」

蓮「琉…今、笑ったの?」

琉「は?」

桜「確かに笑ったよ」

蓮「うん、私、琉が笑ったの初めて見た…」

そうだったか…?
けど何をそんなに驚くことがあるんだか…

琉「俺だって笑うことくらいある
それより桜、少しお前に邪気が残ってるから除霊してやる
こっちに来い」

俺はそのまま桜の中に残留する邪気を除霊した

琉「これで全部終わったな」

桜「ありがと、琉
体が軽くなった」

蓮「くしゅん…っ」

桜「蓮!?大丈夫!?」

蓮「えへへ…大丈夫だよ」

琉「そういえばずぶ濡れだったな
ずっとこの状態じゃ暖かくなってきたとはいえ、さすがに体が冷えるだろ
とはいえ、俺もずぶ濡れで貸せる服も無いしな
風邪こじらせる前に早く帰るぞ」

蓮「あ、うん!
ほら、桜も家に帰ろ!」

桜「勿論!」

寒さなんて忘れるくらい嬉しそうだな
何がそんなに楽しいのか分からないが…まぁ、今は良いか…
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