約束の果てに

秋月

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*琉の過去

琉の過去#1

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華さんは私が想像通りの優しい人で美味しいカステラとお茶を出してくれたんだけど、ちゃんと桜の分も出してくれた
きょとんとする私達に華さんは微笑んでこう言ってくれた

華「どんな姿でもお客様だからね
蓮ちゃんを守ってくれる存在なら尚更ね」

桜を私や琉以外でこんなに温かく迎えてくれた人は初めて…

桜「…ありがとうって伝えて蓮」

蓮「ありがとうって…言ってます
私からもありがとうございます」

桜は微かに涙ぐんで、少し嬉しそうにも見えた
今までいない者だった桜に私達と同じように、生きてる人と同じ扱いをされたのは久しぶりだから…
桜は食べれないのが残念って少し悔しそうに笑った

華「やっぱり蓮ちゃんの様子からして蓮ちゃんにも見えてるんだね
しかも旦那や琉と同じくらい霊感が強いのね
霊と対話ができるなんて中々難しい事なのに」

そっか、今初めて私が見えること分かったんだ
そういえばさっきは私が見えることは話さなかったもんね…
けど…なおに聞かれてしまうことになったのは想定外…
琉以外の人に話したことないし…なおはどう捉えてるんだろう…
なお、何も言わないし…

華「じゃあ本題に入りましょうか」

取り合えずなおには後でちゃんと説明しなきゃいけない
それが桜だって事は…なおには話せないから上手く誤魔化せるように考えておかなきゃ…
今は気持ちを切り替えて琉の事を話だそうとした

直人「俺から話すよ」

蓮「なお…」

直人「その方がいいだろ?」

私に気を使ってなおはそう言った
なおは今までの事を全部話してくれた
華さんはただ静かに聞いていたけど…何処か悲しそうにも見えた

華「なる程ね…だから荒れてたのか」

蓮「え?どうゆう事ですか?」

華「ふふっ、琉はいい友達を持ったのね
貴方達ならきっと大丈夫だって私は信じることにする
全部話すよ、今まで琉に何があったのか」

華さんはゆっくり話し始めた

華「琉が捨てられてたのは3歳の時
弱りきっていて餓死寸前でキャリーバッグの中に入れられてた
暴れないように縛りつけられていて…見た時はゾッとした
こんな小さい子にこんなにむごいことをするなんてって
旦那と一緒に急いで病院に連れて行って何とか一命は取り留めたの
そして琉は私達が引き取る事にしたんだけど琉の様子は酷いものだった
まだ3歳の小さな子どもなのに笑わないし泣いたりもしない
まるで人形みたいに無感情って感じだったな…」

実際に見て体験してきた華さんの言葉だからか、よりハッキリとその様子が頭に浮かんだ
やっぱり琉がそんな生死をさ迷う様な辛くて苦しい経験をしてきたと思うと胸が締め付けられて苦しい

華「真衣…琉の母親は私の同級生で私も知ってる人だったの
真衣自身複雑な家庭環境で育ったらしくて、その反動なのか男遊びが酷くて学校でもよく噂になってた様な子なの
そして高校3年生の時、突然学校を辞めたのよ
後々知ったんだけど理由は妊娠
それが琉ってこと」

高校生の時に出来た子どもが琉…!?

華「その当時、真衣と付き合っていた人が佐久間圭人さくまけいと
だから佐久間君が琉の父親なのよ
けど佐久間君は琉の存在をを知らない
真衣は妊娠した事すら伝えずに、学校を辞めていったから
佐久間君は真衣に騙されてた
真面目で気さくで優しくてみんなに好かれる様な人で、遊びで付き合うような他の男と違って真衣の事本当に好きで大切にしていた
だけど真衣は裏切ったの
佐久間君の他にも付き合ってる人が居て、それが原因で別れたんだけどその時にはもう妊娠してたらしいの」

蓮「その佐久間さんって今は…」

華「結婚して幸せに暮らしてるよ
恐らく未だに琉の事は知らないと思うの
佐久間君も琉も辛い事だし、もう知る必要も無いと思ってるけど…
真衣が色々と悪い所があるし、許せることじゃないけど、大人になった今思い返すと、あの子はただ愛情に飢えていただけなのかも知れないね
…真衣は高校を辞めてやむ無く琉を産んだらしいけど、育てられるわけもなく、周囲にも蔑まれていたみたいだし、だんだん琉が邪魔になっていったのね…」

直人「蓮…」

隣でポロポロと涙を流す私を心配そうに見つめるなお
涙が止まらない
私は琉の事何も知らない
琉にそんな過去があったなんて…

直人「その事実って全部琉は知ってるんですか?」

華「勿論全部話してある
悩んだりはしたけど、琉には知る権利もあるしね
それが琉が中学3年生の時の話
そしたら荒れて荒れて大変だった
それだけ琉は真衣を怨んでるのね
だから今回も酷かった」

桜「…蓮、私、琉の部屋探して見て来るね」

コソッと桜はそう言って琉の部屋を探しに行ってしまった

華「…だからかな
琉に1度もお母さんって呼んでもらえないのは…」

直人「え?1度も?」

華「うん…私達は本当の家族のように思ってるんだけど無理もないわね…
琉の傷はそれだけ深く大きいものなんだから」

華さん寂しそう…
養子縁組もして華さんは本当に琉の事を大切にしているのが表情から伝わってくる
私はただ黙ってる事しか出来なかった
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