約束の果てに

秋月

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*琉の過去

琉の過去#11

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歩いたことのない道をひたすらに進んでいくと、琉はあるアパートの前で足を止めた

琉「…ここだ」

ここが真衣さんの…琉のお母さんの家…
アパートって事は1人暮らし…?
でもこの前は男の人と一緒だったからその人と暮らしてる可能性もありそう…

琉「このアパートの6号室…」

6号室ってことはあの部屋かな?
あの部屋の中に真衣さんが…

直人「華さんが言ってた琉の実の母親…か
いよいよご対面って訳だけど、琉お前大丈…」

琉「う…ごほっ…」

琉は突然えづくように咳き込み、口元を手で覆った

桜「琉!?落ち着いて!」

直人「琉っ」

蓮「―…」

こんな琉初めて見る
琉にとって真衣さんに会うことはトラウマを掘り返すのと同じ
やっぱり簡単なことじゃない
でもこのままずっと琉がその記憶に苦しむ所も見たくない

蓮「琉…大丈夫?」

どんなに辛くても苦しくても私達が側に居る
それが少しでも琉の力になれたら…

琉「…情けないな」

蓮「全然情けなくないよ
大丈夫、一緒に居るよ」

桜「そうそう、私達が居れば百人力でしょ?」

直人「琉、今更怖じ気づいたわけじゃないだろ?」

琉「…当たり前だ
その為に決心してここに来たんだから」

琉も落ち着いた様で、もう一度前を向いた
そんな琉の手をギュッと握った

桜「蓮?」

蓮「おまじない込めてるの」

これ以上、どうか琉が傷付きませんように

琉「お前…」

蓮「これでよし!さっ、行こ?琉」

ずっと助けてくれて、私が立ち止まってしまった時も私を引っ張っていってくれた様に、琉が立ち止まって動けないならその役目は今度は私だよね

琉「…蓮、ありがとな」

そうポツリと呟いた琉

琉「桜も直人もありがとな」

直人「琉に礼を言われるなんて、なんかむず痒いな」

桜「お礼を言うのは全部終わってからにしてよね」

琉「それもそうだな
それじゃ、押すぞ
蓮と桜は俺と直人の後ろに居ろよ」

そう琉は言ったけど、私は琉の手を離さなかった

琉「蓮」

蓮「離すつもりないから」

私が面と向かってそう伝えると、琉は少し驚いた様な表情を見せて、小さく笑った

琉「何かあると悪いし、俺から離れるなよ」

蓮「うん」

直人「……」

離すつもりも離れるつもりもない
それに万が一にでも真衣さんが琉に手を挙げてくるなら、それを防ぐつもりで私もここに来た
琉に新たな傷はなるべく作らせないんだら!

そしていよいよ琉がインターフォンに手を伸ばしたその時だった

「琉…?もしかして琉なの…?」

その場に居た全員が息を飲んで、声のする方へ視線を向けた
そこには買い物袋を片手に佇む真衣さんの姿があったから

琉「母さん…」

桜「な…なんで、こんな事ってあるの?」

まさか出掛けてたなんなんて…
タイミングが悪い気がする
真衣さんは琉を見て少し驚いたような顔をしたけど、すぐに睨み付けるように口を開いた

真衣「琉、あんたがなんでこんな所にいるの?」

華さんが言ってた琉を捨てた実の母親…
華さんや琉から話を聞く限り最低な人…
どうしてそんな冷たい目で琉を見るの?

琉「……」

繋がれた琉の手に力がこもってるのを感じる

真衣「…まさか私に用があって来たんじゃないでしょうね?」

琉「…そのまさかだよ
あんたに話があって来たんだ」

緊迫した空気が流れた
琉も真衣さんもそれ以上、喋ろうとしない
2人共何を考えてるんだろう…?

真衣「…はぁ…とりあえず上がりなさい
ここじゃ迷惑になる」

閉ざした口から小さく息が漏れるように吐いて、真衣さんは意外な返事をしてきた
琉でさえその言葉に驚いていた
ってきり追い返されるかと思っていたから…
困惑する私達はそのまま真衣さんの家にお邪魔した

真衣「どうぞ?」

更に意外な事に真衣さんは私達の分の冷たい紅茶を出してもてなしてくれた

蓮「あ…ありがとうございます…」

話に聞いていた印象だとこんな事をしてくれる人には思えなかったんだけど…
なんだか想像と違って…
前みたいにもっと琉の事を拒絶すると思ってた

桜「なんだかよく分からない
でも華さんの話に嘘はないと思うし…」

皆が真衣さんの行動に動揺してる
どうしよう…
琉も黙ったままだし何から話せばいいのか…
そんな重苦しい雰囲気の中、先に口を開いたのは真衣さんだった

真衣「…それで何しにきたの?
話…があるって言ったわね
いい機会だし聞ここうじゃない」

嘘…真衣さんからそんな事を言ってくるなんて…
琉に興味を持たない人だと思っていたけど…
琉は少し沈黙をした後に口を開いた
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