約束の果てに

秋月

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*呪いの連鎖

呪いの連鎖#10

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家に戻ると父さんは留守だった
兎に角体を少しでも休ませて体力と霊力を回復させないとな…
あとは新しい護符を用意しないとな…
平澤と対面したら今度は逃がさない
御神木の護符は残り3枚
普通の結界じゃ平澤の力に負けるかもしれない
御神木の護符のうち1枚を平澤を逃がさない為の結界を貼る
もう一度悪霊達を利用してくるなら時間をかけずに、他の護符と併用しつつ御神木の護符で一気に片付けて、平澤に逃げる隙を与えない
平澤が怯んだ隙に最後の御神木の護符で平澤を除霊する…
出し惜しみしてる暇はない
平澤を相手に余計な時間は与えない方が賢明だな…

華「琉!蓮ちゃんと直人くんの容態が…!」

慌てた様子で俺を呼びに来た母さん
その言葉を聞いて心臓が締め付けられるようだった
嫌な予感を感じながら蓮の部屋に向かった

琉「…蓮」

朝と変わらず眠る蓮に近づいて声を掛ける
反応はないし、静かすぎるくらいだ
蓮の頬に触れると体温が低下し始めて、冷たかった
にわかにまだ温もりは感じるが、明らかに冷たい
しかも呼吸もとてつもなく浅く小さい
耳を近づけて、漸く聞こえるくらいの小さな呼吸
すぐにでも止まってしまうのではないかと思うくらい浅い呼吸…

桜「蓮…やだ…」

そんな蓮を見て青ざめて絶望する桜

琉「……」

直人も再び39度の熱が出て意識が朦朧とし始めていた
明らかに呪いで症状が悪化し始めた

琉「蓮」

声をかけても、触れても反応は返ってこない

琉「…返事くらいしろよ馬鹿」

あぁ、最悪だ…
返事のない冷えてる蓮の顔に触れながら、どうしようもない思いだけが巡る

琉「…行くぞ桜」

涙目な桜に声をかけて俺は蓮から離れて、部屋から出た

華「琉、蓮ちゃんの側に付いててあげないの…?」

琉「俺が側に居たって何も解決出来ない
母さん、蓮の事頼むよ」

華「分かった」

そうして俺は家を出て再び平澤の所へ向かった

華「陸人…急いで…」

大して回復してない体力
それでも失ってたまるかよ

琉「平澤出てこい」

俺が再び平澤に向けて声を掛けると、平澤はさっきと同じ様に不気味な笑みを溢しながら俺達の前に姿を現した

藍子「ふふ~♪琉が私に会いに来てくれるなんて夢みたい♪
あいつ等ぜーんぶ除霊しちゃったの?
琉って凄いんだねぇ、惚れ直しちゃった♪
でも顔色悪いよぉ?
体調もあんまり良くなさそうだね?
さすがに疲れちゃった?」

琉「煩い」

藍子「まだ私を除霊するつもり?
悲しいなぁ~…
琉が泣いて懇願する姿が見たかったのに…
まぁ、どんな琉の姿も可愛くて好きだけど♪
でも…琉も諦めが悪いね?
あんな死にかけの女助ける為に必死になっちゃってさ
本当意味分からない」

平澤の不気味な所は、罪悪感も感じず、にこにこと平然と人を傷付け陥れる所
そして意気揚々と笑っていたかと思ったら、急に冷酷な顔で呟く所だ

藍子「あんな女の何処が良いわけ?
琉にはこの私が居るのに」

琉「…お前には分かるわけないだろ
それと前から言うように、俺はお前の様な女は絶対にお断りだね」

そう伝えた瞬間、平澤はより怒りに震えた
平澤の放つ邪気が重くなり、より広がっていく

藍子「…少し琉も痛い目を見た方が良いみたいだね」

そう平澤が呟いた瞬間に、また何処からともなく悪霊達が姿を現した

桜「また同じ手を使ってくるなんて…」

藍子「さっきの半分くらいの人数だけど、今の琉にはそれでも大変な事でしょ?
こいつ等の相手している間にあいつ等も死ぬから
琉が絶望に打ちのめされた時、また会いに来て慰めてあげる」

琉「…2度も逃げすわけないだろ」

悪霊に足止めしてまた自分は逃げるつもりか
予想していた通りだよ
平澤は一見余裕そうだが、俺を恐れている
この御神木の護符を嫌い、除霊されることを恐れている
再び俺達の前から姿を消そうとした平澤がバチッと結界に弾かれた

藍子「痛っ!
何これ…ここから先に進めない…」

もう一度手を伸ばす平澤の手が再び弾かれ、平澤は俺を睨み付けてきた

琉「御神木の護符の結界だ
お前程の力を持ってる奴だろうが、簡単に壊せるものじゃない」

藍子「…だから何?
その言い方だと壊せない訳じゃなさそうだね
琉がそいつ等に手間取っている間に壊して抜け出せば大した問題じゃないんだよ?」

と、余裕で話していた平澤だったが、目の前の光景を見て呆気に取られるような表情を見せた

琉「誰が手間どうって?
いい加減ふざけるのも大概にしろよ」

瞬く間に消えていく平澤が用意した悪霊達
平澤は消えていく奴等の様子を茫然と眺めていた

藍子「嘘でしょ…さっきの半分とはいえたった一瞬で浄化したの…?」

う…気をしっかり持たないと意識が持ってかれそうなほど負担が大きい
残った御神木の護符は1枚
戸惑っている今の内にこれで終わりにする
俺は最後の護符に力を込めて平澤に向かって投げ付けた
当たった瞬間に除霊される
逃げ場もない、確実に当たる
これで直人も蓮も助かる…
あと数センチの距離だった
力を振り絞った平澤の抵抗で護符が届く前にビリビリに破かれて散っていった

琉「は…?」

桜「琉の御札が…!」

あまりの予想外の展開に言葉が出なかった
最後の…御神木の護符が…嘘だろ…?
平澤はもがくように声を漏らした

藍子「うぅっ…痛い…
流石にこの距離じゃ破いても影響受けるみたいだね…
見てよ琉…私の綺麗な腕がその札の力のせいで焼けただれるような傷が出来てるんだけど…
本当に厄介な札…ズキズキ痛くて最悪
ふ…あは…あはははっ、でも残念だったね琉
私は消えてない!呪いも消えない!
あいつ等は死ぬんだよ!ざまぁみろ!」

平澤の笑い声が頭に響く
思考が止まったように何も考えられない

桜「琉!しっかりしなさいよ!
あんたらしくもない!
何諦めてんの!?まだ諦めるのは早いでしょ!?」

琉「桜…」

桜の声で現実に戻るような気分だった
蓮も直人も桜も諦めず、懸命に繋ぎ止めているのに、俺が1番最初に諦めてどうするんだよ…
御神木の護符はもう無い
だから何だって言うんだ
他の護符はまだある
ビリビリに破かれ除霊までいかなくとも、さっきので平澤に影響を与えている
全力を尽くせば今手元にある護符だけでも祓う事はきっと出来る筈だ

藍子「…信じられない
どうしてまだ諦めないわけ?
本当に…本当に!本当に!腹立たしい!
あんな女の為に!
私にこんな思いさせて!
私にこんな事をして!許さない!」

平澤は怒りに震え、ポルターガイスト現象を使い始めた
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