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*愛おしくて
愛おしくて#23
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しばらく水面を泳ぐ鯉の様子を見ていると、琉が口を開いた
琉「そろそろ出るか」
蓮「そうだね、ずっとここに居たい気もするけど」
そう思えるくらい凄く落ち着く場所
だけど時間は無限じゃないからずっとここには居られないよね
お土産も買いたいし、新幹線の時間もあるから
私達はそのまま庭園カフェを後にした
蓮「手まり寿司のお店近いんだっけ?」
琉「あぁ、10分くらい歩いたところ
とは言っても今、食べたばかりだし少し散策しながら時間潰すか」
蓮「賛成っ、散策したい♪
あ、でも琉はお腹空いてないの?」
琉「珈琲飲んだし、空いてはいない」
蓮「そっか、じゃぁ、お散歩しよっか♪」
さすがにすぐ食べられる気がしないや
残すような事になったら勿体ないし、ちょっとでもお腹空かせなきゃ♪
うーん、でも流石にこの2日間で結構色々と食べちゃった気がする
旅館の夕食も朝食のご飯も沢山しっかり食べたし、甘い物も…
うん…明日からは本当に自重しないとね
琉の前では特に気を付けなきゃ
そのまま周辺をただぶらぶらと歩きながら、景色やお店を覗く
私の指差す物、興味ある物に琉も目を向けてくれる
私が話しかけたら1つ1つちゃんと反応してくれる
桜が居なくなってから琉との会話は凄く増えた
煩くないかなって思ったりもしたけど、琉は思った事はちゃんと伝えてくれるし、そんな表情には見えない
一緒に居るのは楽しいし、気持ちも落ち着くようなそんな存在だよなぁ…
散策をしながら、会話はいつの間にか学校の話になって、不意に琉はこんなことを聞いてきた
琉「そういえば蓮は将来どうするか決まってんの?」
蓮「え?」
将来…
琉「卒業したら」
う…いきなりこんな話になるなんて…
蓮「…えっと…就職するつもりではあるけど、それ以上は考えてないかな」
琉「それだけ?漠然としすぎじゃない?」
蓮「あー…うん、そう思う」
ちょっと答えづらい質問に返事が曖昧になって、思わず琉から目を軽く反らした
琉「…蓮、何か隠してる?」
蓮「え?や…えっと…隠してるって訳じゃないけど…」
私の表情を伺うようにじっと視線を向けてくる琉
琉「…別に無理に聞こうとは思わないけど、でももしなんか悩んでるなら話して
今じゃなくてもいいから」
そう淡々とした表情で話してくれた琉
あぁ…なんか余計な心配をかけさせてしまってるかも…
でもなんだか安心して笑みが溢れた
蓮「…ふふっ、琉には隠し事出来ないね」
琉「お前が分かりやすいだけ」
蓮「…別に悩みとかじゃないの
ただずっと…なんてゆうか将来とか未来の事を考えたくなくてずっと目を背けてきたから、琉に聞かれて戸惑ったというか…答えが出なくて」
琉「それで?」
蓮「聞いてくれるの?」
琉「話してくれるなら」
蓮「ふふっ、ありがとう」
琉ならどんな事でもちゃんと聞いてくれそう…
蓮「私ね、琉と関わるまで桜の事がずっと不安で怖かった
また忽然といつか、私の前から消えてしまうんじゃないかって毎日不安だった
琉と関わる様になってからもその不安はあったけど、その前はもっともっと不安で気が気じゃなかった
なんて言ったら良いのかな…
上手く言葉が見つけられないんだけど…」
言葉に詰まってると、不意に俯き気味の私の頭を優しく撫でてくれた琉
琉「思ったことそのまま言えばいい」
蓮「うん…、私、桜とずっと…この先も一緒に居られたとしても、居なくなったとしても、未来の事を考えるのが怖かった
今はちゃんとお別れが出来たし、琉が居てくれたから立ち直る事が出来たけど…あの頃は桜がまた私の前から消えたら、きっと私は立ち直れなかった
失った悲しみにまた…何もかも投げ出していたと思う
桜が居なくなるかもしれない未来なんてもちろん考えたくなかった
でも逆にずっと桜と一緒に居られる未来も描けなかった
私だけが時間が止まった桜を置いて進んでしまうようで…
仕事とか色んな事に追われて、桜の事を蔑ろにって言うのかな…
そうゆう風になるのが嫌で…桜を置いていってしまうような気がして…
だから未来とか将来の事を考えるのが嫌でずっと避けてきたというか…ごめん、伝わった?」
琉は少し間を開けてから口を開いた
琉「まぁ…なんとなく伝わった」
蓮「そっか、私はただの臆病者なの
未来を考えるのから逃げてただけ
今も癖みたいに考えるの避けてる所があるかも」
琉「…誰だって背けたい事はある
逃げるのが悪い訳じゃない」
琉に話したことで心が少し軽くなったというか、スッキリした気がする
蓮「ふふっ、けどもう大丈夫
桜の事は受け入れてちゃんと立ち直れたし…
これからはちゃんと考えるよ、自分の将来の事」
ずっと蔑ろにしていたら桜もあの世で心配するだろうし
琉「まだ時間はあるし、ゆっくり考えれば」
蓮「うん、そうする
聞いてくれてありがと、琉」
琉「ん、思ったより深刻な悩みとかじゃなくて安心した」
蓮「琉は?」
琉「俺は卒業したらすぐに家業を継ぐ
元々大学だって進学するつもり無かったし」
蓮「え、そうなの?」
琉「金だってかかるし
でも、選択肢は多い方が良いってわざわざ行かせてくれてさ
申し訳ない気持ちもあったけど、まぁ、今は進学して良かったかな」
そう呟きながら琉は私の方に視線を移した
蓮「琉はずっと陸人さんの跡を継ぐことを決めてたんだね」
琉「まぁ、俺が唯一の跡取りだし、俺も父さん達の役に立って恩返ししたいし」
蓮「そうだね、琉は陸人さんと華さんの自慢の跡取り息子だし…
あれ…?そういえば華さん達って…」
ふと、思ったけど私はそこで口をつむんだ
安易に聞いちゃいけない事だし…
琉「母さん達の子どもの話が気になる?」
蓮「えっ…いや、えっと…」
琉「そうゆう顔してる
蓮も分かってる通り、母さん達に実の子どもはいない
跡取りも俺だけ」
蓮「…それ私が聞いても良い話なの?」
琉「蓮だから話すんだけど」
蓮「分かった…」
琉「父さんの方が不妊っぽくて子どもが出来にくかったらしいんだ
それで悩んでいる時にちょうど俺が現れたって訳
父さん達がどんな話をしたか知らないけど、その結果が今って訳」
蓮「そうだったんだ…
まぁ、色んな事情や想いがあったんだろうけど、けど陸人さん達は琉を選んでくれた訳だね
実際に琉の事は実の息子の様に接してるしね」
琉「本当に色々とあの人達からは貰ってるよ
けど俺を引き取ったのは3歳の頃だし、母さんは良く赤ん坊の頃も見たかったって言ってて、今なんて……」
琉はハッとしたように言葉を止めて黙り込んだ
蓮「琉?何言いかけたの?」
琉「…なんでもない、気にするな」
蓮「え…何?」
琉がこんな風に言葉を濁すなんて珍しい…
琉「蓮は知らなくていい
そろそろ腹も空いてきただろ?
店に向かお」
蓮「あ、うん」
何を言いかけたのか分からないけど、私はそのまま手を引かれて、お店へと向かった
琉「そろそろ出るか」
蓮「そうだね、ずっとここに居たい気もするけど」
そう思えるくらい凄く落ち着く場所
だけど時間は無限じゃないからずっとここには居られないよね
お土産も買いたいし、新幹線の時間もあるから
私達はそのまま庭園カフェを後にした
蓮「手まり寿司のお店近いんだっけ?」
琉「あぁ、10分くらい歩いたところ
とは言っても今、食べたばかりだし少し散策しながら時間潰すか」
蓮「賛成っ、散策したい♪
あ、でも琉はお腹空いてないの?」
琉「珈琲飲んだし、空いてはいない」
蓮「そっか、じゃぁ、お散歩しよっか♪」
さすがにすぐ食べられる気がしないや
残すような事になったら勿体ないし、ちょっとでもお腹空かせなきゃ♪
うーん、でも流石にこの2日間で結構色々と食べちゃった気がする
旅館の夕食も朝食のご飯も沢山しっかり食べたし、甘い物も…
うん…明日からは本当に自重しないとね
琉の前では特に気を付けなきゃ
そのまま周辺をただぶらぶらと歩きながら、景色やお店を覗く
私の指差す物、興味ある物に琉も目を向けてくれる
私が話しかけたら1つ1つちゃんと反応してくれる
桜が居なくなってから琉との会話は凄く増えた
煩くないかなって思ったりもしたけど、琉は思った事はちゃんと伝えてくれるし、そんな表情には見えない
一緒に居るのは楽しいし、気持ちも落ち着くようなそんな存在だよなぁ…
散策をしながら、会話はいつの間にか学校の話になって、不意に琉はこんなことを聞いてきた
琉「そういえば蓮は将来どうするか決まってんの?」
蓮「え?」
将来…
琉「卒業したら」
う…いきなりこんな話になるなんて…
蓮「…えっと…就職するつもりではあるけど、それ以上は考えてないかな」
琉「それだけ?漠然としすぎじゃない?」
蓮「あー…うん、そう思う」
ちょっと答えづらい質問に返事が曖昧になって、思わず琉から目を軽く反らした
琉「…蓮、何か隠してる?」
蓮「え?や…えっと…隠してるって訳じゃないけど…」
私の表情を伺うようにじっと視線を向けてくる琉
琉「…別に無理に聞こうとは思わないけど、でももしなんか悩んでるなら話して
今じゃなくてもいいから」
そう淡々とした表情で話してくれた琉
あぁ…なんか余計な心配をかけさせてしまってるかも…
でもなんだか安心して笑みが溢れた
蓮「…ふふっ、琉には隠し事出来ないね」
琉「お前が分かりやすいだけ」
蓮「…別に悩みとかじゃないの
ただずっと…なんてゆうか将来とか未来の事を考えたくなくてずっと目を背けてきたから、琉に聞かれて戸惑ったというか…答えが出なくて」
琉「それで?」
蓮「聞いてくれるの?」
琉「話してくれるなら」
蓮「ふふっ、ありがとう」
琉ならどんな事でもちゃんと聞いてくれそう…
蓮「私ね、琉と関わるまで桜の事がずっと不安で怖かった
また忽然といつか、私の前から消えてしまうんじゃないかって毎日不安だった
琉と関わる様になってからもその不安はあったけど、その前はもっともっと不安で気が気じゃなかった
なんて言ったら良いのかな…
上手く言葉が見つけられないんだけど…」
言葉に詰まってると、不意に俯き気味の私の頭を優しく撫でてくれた琉
琉「思ったことそのまま言えばいい」
蓮「うん…、私、桜とずっと…この先も一緒に居られたとしても、居なくなったとしても、未来の事を考えるのが怖かった
今はちゃんとお別れが出来たし、琉が居てくれたから立ち直る事が出来たけど…あの頃は桜がまた私の前から消えたら、きっと私は立ち直れなかった
失った悲しみにまた…何もかも投げ出していたと思う
桜が居なくなるかもしれない未来なんてもちろん考えたくなかった
でも逆にずっと桜と一緒に居られる未来も描けなかった
私だけが時間が止まった桜を置いて進んでしまうようで…
仕事とか色んな事に追われて、桜の事を蔑ろにって言うのかな…
そうゆう風になるのが嫌で…桜を置いていってしまうような気がして…
だから未来とか将来の事を考えるのが嫌でずっと避けてきたというか…ごめん、伝わった?」
琉は少し間を開けてから口を開いた
琉「まぁ…なんとなく伝わった」
蓮「そっか、私はただの臆病者なの
未来を考えるのから逃げてただけ
今も癖みたいに考えるの避けてる所があるかも」
琉「…誰だって背けたい事はある
逃げるのが悪い訳じゃない」
琉に話したことで心が少し軽くなったというか、スッキリした気がする
蓮「ふふっ、けどもう大丈夫
桜の事は受け入れてちゃんと立ち直れたし…
これからはちゃんと考えるよ、自分の将来の事」
ずっと蔑ろにしていたら桜もあの世で心配するだろうし
琉「まだ時間はあるし、ゆっくり考えれば」
蓮「うん、そうする
聞いてくれてありがと、琉」
琉「ん、思ったより深刻な悩みとかじゃなくて安心した」
蓮「琉は?」
琉「俺は卒業したらすぐに家業を継ぐ
元々大学だって進学するつもり無かったし」
蓮「え、そうなの?」
琉「金だってかかるし
でも、選択肢は多い方が良いってわざわざ行かせてくれてさ
申し訳ない気持ちもあったけど、まぁ、今は進学して良かったかな」
そう呟きながら琉は私の方に視線を移した
蓮「琉はずっと陸人さんの跡を継ぐことを決めてたんだね」
琉「まぁ、俺が唯一の跡取りだし、俺も父さん達の役に立って恩返ししたいし」
蓮「そうだね、琉は陸人さんと華さんの自慢の跡取り息子だし…
あれ…?そういえば華さん達って…」
ふと、思ったけど私はそこで口をつむんだ
安易に聞いちゃいけない事だし…
琉「母さん達の子どもの話が気になる?」
蓮「えっ…いや、えっと…」
琉「そうゆう顔してる
蓮も分かってる通り、母さん達に実の子どもはいない
跡取りも俺だけ」
蓮「…それ私が聞いても良い話なの?」
琉「蓮だから話すんだけど」
蓮「分かった…」
琉「父さんの方が不妊っぽくて子どもが出来にくかったらしいんだ
それで悩んでいる時にちょうど俺が現れたって訳
父さん達がどんな話をしたか知らないけど、その結果が今って訳」
蓮「そうだったんだ…
まぁ、色んな事情や想いがあったんだろうけど、けど陸人さん達は琉を選んでくれた訳だね
実際に琉の事は実の息子の様に接してるしね」
琉「本当に色々とあの人達からは貰ってるよ
けど俺を引き取ったのは3歳の頃だし、母さんは良く赤ん坊の頃も見たかったって言ってて、今なんて……」
琉はハッとしたように言葉を止めて黙り込んだ
蓮「琉?何言いかけたの?」
琉「…なんでもない、気にするな」
蓮「え…何?」
琉がこんな風に言葉を濁すなんて珍しい…
琉「蓮は知らなくていい
そろそろ腹も空いてきただろ?
店に向かお」
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何を言いかけたのか分からないけど、私はそのまま手を引かれて、お店へと向かった
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