約束の果てに

秋月

文字の大きさ
161 / 180
*秋の彼岸祭り

秋の彼岸祭り#5

しおりを挟む
陸人「皆、食べながらでいいから聞いてくれる?
んーと、まずは今年もこの時期がやって来たということで、また皆で力を合わせて祭りを作り上げて、成功させようね
勿論怪我はしないように気を付けて
今年も皆よろしくね」

「はーい、こちらこそお世話になります」

「よろしくお願いします」

陸人「それから皆、ずっと気になってると思うけど今年はもう1人お手伝いしてくれる人が居るんだ
蓮ちゃん、自己紹介よろしくね」

蓮「あっ、はい」

父さんにふられて、少し緊張気味で返事した蓮だったけど、すぐにふっと笑顔を溢した

蓮「白雪蓮です、皆さんよろしくお願いします」

華「なんと琉の彼女です♪」

母さんがそう追加すると、蓮は少し照れくさそうに目を軽く伏せた
感情が表に出やすいのは知ってたけど…今はあんまりそうゆうの出さないでほしい
そして俺の彼女と紹介された途端に皆の驚愕したような視線が蓮にではなく俺に向いた

琉「……何?」

華「あははっ、皆、琉に彼女が出来た事がよっぽど衝撃だったみたいね~
あ、因みに蓮ちゃんは琉と同い年だから」

そんなに衝撃受けるもん?
誰にだって居ても可笑しくないだろ
森の事があるから少し悩んだけど、普通に彼女として紹介してもらった
森の視線も感じるけど、これであの鬱陶しい執着が無くなればいいけど
ただ、蓮に標的がいかないか気掛かりなんだよな…

陸人「というわけで今年は蓮ちゃんにも手伝ってもらう事になったから
初めての参加で分からないことも多いと思うから皆、色々と教えてあげて、仲良くしてあげてね」

「「はい」」

陸人「じゃぁ、皆も順番に自己紹介よろしくね
じゃぁ、伊織いおりくんから順番によろしく」

伊織「あ、はい
えっとさかき伊織いおり、18歳です
よろしくお願いします」

天沢あまさわ結弦ゆづる、22歳
よろしくお願いします」

杉山すぎやま朱莉あかり、21歳、よろしくお願いします」

もり美緒みお、20歳、よろしくね♪」

西園寺さいおんじ莉子りこ、19歳、よろしくお願いします」

蓮「皆さん改めてよろしくお願いします」

自己紹介の後は予想通りすぐに打ち解けるように話が盛り上がっていた
それでも恋愛の話は避けるように、普通に世間話だったけど
森も積極的に蓮に話しかけてるし、敵対視してるような様子は無さそう
取り越し苦労だったかな…
食事が終わる頃、父さんが口を開く

陸人「ご馳走さまでした
それじゃぁ、この後だけど、女の子は順番にお風呂に入って各自ゆっくり休んでね
男は俺と一緒にもう少し作業進めよう」

結弦「分かりました」

伊織「はいっ」

俺達は作業に向かう為に席を立つ

華「蓮ちゃんは先に片付け手伝ってもらって良い?」

蓮「はい、勿論です」

華「ということで女の子3人、先にお風呂どうぞ」

莉子「ありがとうございます」

美緒「あ、私後でいいから朱莉達先にいーよ!」

部屋を出て移動を始めた俺の後を追いかけてくるように森が部屋から出てきた

美緒「琉!」

そして俺の事を呼び止めてきた

琉「…名前、呼び捨てで呼ぶなって言ったよな」

美緒「えー?別に良いじゃん?
それとも彼女に気遣ってるの?」

琉「……」

にこにこと笑顔で話し掛けてくる森
さっき久し振りに会った時も執拗に話し掛けて来て腕を掴んできたけど、この様子だと…

琉「…もしかしてまだ俺に気があるのかよ」

美緒「もっちろーん♪
琉って滅茶苦茶私のドストライクな好みなんだよね~
それに私は手に入れないと気がすまない質だからさ♪
でも、彼女が出来たなんて聞いてなーい
私が琉の事好きなの知ってる癖に、彼女作るなんて酷い」

はぁ…頭が痛くなりそう
初日のまだ会って数時間だってのにこれかよ…
しかも近くにまだ蓮がいるって言うのに色々と暴露しやがって…
蓮に誤解されんのも面倒だし、下手に拗らせたくない
俺が頭を悩ませてると、慣れたように俺の腕に触れてくる森
その手を反射的に振り払った

琉「触んな
昔から言ってるけど、お前を好きになるとかあり得ないから
必要以上に俺に関わってくんな」

それだけハッキリ伝えて俺はその場から離れた
森はそれ以上追っては来なかったけど、これじゃ残りの期間、先が思いやられる…
その後男性陣は20時近くまで作業して、順番に風呂に入って今日は休む事になった
俺は最後に風呂に入って上がった頃には22時を過ぎていた
この時間だと下手したら寝てる可能性もありそうだな…
そう思いながらも様子を確認したくて、蓮の部屋に向かった
寝てるかもしれないから小さくノックをすると、中から物音が聞こえてドアが開いた

蓮「あれ、琉?お仕事終わったの?
てゆうより髪濡れてない?」

まだ起きてたみたいだな
なんかこいつがこの時間に家に居るなんて違和感

琉「ん、終わって風呂上がったところ」

蓮「そっか、お疲れ様」

柔らかく笑う蓮に憂鬱な気分も薄れる

琉「お前もな、疲れた?」

蓮「ううん、平気、まだ初日だし
疲れたって言うより楽しかったよ
皆とも仲良くなれそうで安心した
皆良い人達だね」

琉「そっか、なら良かった
明日から朝早いけど…起きれそうか?」

明日の朝も母さんの手伝いがあるはず
5時くらいから朝ご飯作るって言ってたしな…
朝が苦手な蓮にとってそんな早い時間に起きるのは大変だろうな

蓮「人生初の早起きかな♪
頑張って起きるよ♪大丈夫」

琉「ふーん…ま、頑張れ」

蓮「あ、起きれないと思ってる?
最近はそんなことないんだからねっ」

琉「ムキになるなよ」

蓮「あはっ、ムキなんてなってないよ~」

無防備に笑ってんなよな…
…このまま一緒に居るとまずいな
他の奴等に見られても厄介だし

琉「じゃぁ、俺も部屋に戻るから」

蓮「はーい、お休みなさい」

琉「ん、お休み」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

結婚したくない腐女子が結婚しました

折原さゆみ
恋愛
倉敷紗々(30歳)、独身。両親に結婚をせがまれて、嫌気がさしていた。 仕方なく、結婚相談所で登録を行うことにした。 本当は、結婚なんてしたくない、子供なんてもってのほか、どうしたものかと考えた彼女が出した結論とは? ※BL(ボーイズラブ)という表現が出てきますが、BL好きには物足りないかもしれません。  主人公の独断と偏見がかなり多いです。そこのところを考慮に入れてお読みください。 ※番外編に入り、百合についても語り始めました。  こちらも独断と偏見が多々あるかもしれないのでご注意ください。 ※この作品はフィクションです。実際の人物、団体などとは関係ありません。 ※番外編を随時更新中。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

~春の国~片足の不自由な王妃様

クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。 春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。 街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。 それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。 しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。 花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

お久しぶりです旦那様。そろそろ離婚ですか?

奏千歌
恋愛
[イヌネコ] 「奥様、旦那様がお見えです」 「はい?」 ベッドの上でゴロゴロしながら猫と戯れていると、侍女が部屋を訪れて告げたことだった。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...