約束の果てに

秋月

文字の大きさ
171 / 180
*秋の彼岸祭り

秋の彼岸祭り#15

しおりを挟む
蓮「あ、天沢さんお疲れ様です!
今、ご飯用意しますね」

先に飲み物を出すと微笑みながら座った天沢さん

結弦「ありがとう白雪さん」

天沢さんは先に食べていた森さん達と会話を交わしていた

蓮「どうぞ、お待たせしました」

天沢「ありがとう、いただきます」

天沢さんが食べ始めた頃、森さんと杉山さんが丁度食べ終わった

蓮「あ、お皿洗うのでそのままで大丈夫ですよ」

朱莉「ありがとー」

結弦「2人はこれからお風呂?」

美緒「そうだよ~、ご飯も食べてお風呂にも入ったら眠くなりそう~」

朱莉「ほんとに」

結弦「ははっ、寝惚けて舞台を台無しにしないようにね
今年も巫女の舞い楽しみにしてるよ」

美緒「はーい、頑張るよ~」

朱莉「行くよ美緒」

2人はそのまま出ていって、私は残った天沢さんに尋ねた

蓮「森さん達お風呂に入るんですか?」

結弦「あぁ、そっか、白雪さんは初参加ですからね
巫女の舞いって清らかな体で行うのが決まりというか、だから舞いの前に禊という意味でお風呂に入って体を清めるんですよ」

蓮「へぇっ、そうだったんですね
伝統を重んじるって素敵だと思います」

結弦「白雪さんは大丈夫?
初参加だし、慣れないことで疲れてないですか?」

蓮「大変ですけど、意外と楽しいですよ」

結弦「白雪さんは何事も楽しむタイプって感じですね」

蓮「天沢さんの方はどうですか?
お客さん多いですか?」

結弦「うん、それなりにですね
毎年の事なんで慣れてますよ」

蓮「何処と無く疲れてますか?」

結弦「やっぱり祈祷やお祓いって意識を集中させる事なので、結構疲れちゃいますね」

蓮「そうなんですか…
疲れた時には甘いものですね!
天沢さんには特別にデザートにプリンつけてあげますよ♪」

結弦「ははっ、ありがとうございます
僕だけ得しちゃったな~」

天沢さんが言うくらいだし琉もきっと疲れてるんだろうな…

結弦「最近は女性客が増えていて…結構話しかけられることもあるので、応対が少し大変ですね
僕の彼女の話だと僕や琉くん、陸人さんは特に格好いい宮司がいると女性の間じゃ人気なんだとか
そんな風に言われると少し恥ずかしいですが…」

蓮「確かに皆さん格好いいから人気なのは納得です!」

結弦「ははっ、僕としては戸惑ってしまいますが…
おっと、白雪さん話しやすくてあっという間に時間が過ぎてしまいましたね
そろそろ戻らないと陸人さんと琉くんが休憩出来ないですね」

蓮「あ、食器は私が片付けるので大丈夫です
天沢さん、残りの時間もお互い頑張りましょうね!」

結弦「そうですね、頑張りましょう
あ、白雪さん、プリンごちそうさまでした」

蓮「どういたしまして」

ふう、次の人が来る前に華さんの所にカップとか珈琲類の補充だけ急いで行ってこよう
そう駆け足で客室に必要な物を運んで、ついでに帰りは洗い物を運んでキッチンに戻ってると丁度、琉と鉢合わせた

蓮「琉っ、今から休憩?」

琉「あぁ」

蓮「そっか!お疲れ様っ、今ご飯用意するね!」

皆と同様に先に飲み物を出して、すぐに温め直して琉に出した

蓮「お待たせっ」

琉「ありがと」

琉はそのままご飯に手をつけた
天沢さんもだったけど、やっぱり琉も何処と無く疲れてる様に見える
さてと、洗い物もしなきゃだけど先に茶菓子の補充してこなきゃ
さっき行ったらもうすぐ失くなりそうだったし

蓮「琉、ゆっくり食べてて
私、華さんの所に茶菓子だけ置いてくるから」

琉「ん」

私はまたパタパタと駆け足で客室に向かって、お茶菓子を置いて、少し華さんのお手伝いをしてからまたキッチンに戻った

琉「お帰り」

キッチンに戻って、琉と目が合うとそう言って出迎えてくれた

蓮「あはっ、ただいま」

琉のお皿を見るもうすぐ終わりそう

蓮「琉、お代わりいる?」

琉「いや、いい」

蓮「そっか、終わったら私が洗うからそのままゆっくり休んで」

琉「…そっちはどんな感じ?」

蓮「ん?大変だけど問題なくやってるよ」

琉「そっか、お前休憩は?」

蓮「え?あ…忙しくて忘れてた」

そういえば華さんも隙見て休憩してねって言ってたけど、すっかり自分の事忘れてた…
思い出したらお腹空いてきたかも…

蓮「んー、取り合えず片付け先に終わらせてからかな」

皿洗いの為に腕まくりしてると、琉が立ち上がってそのまま私の腕を引いた

蓮「え?琉?」

琉「座って」

蓮「え、あの…」

そのまま有無を言わさず座らされて、私の分のご飯を用意してくれた琉

琉「いつも言ってるけど、自分の事あんまり蔑ろにするなって
休憩くらいちゃんと取れ」

蓮「はい…」

琉にそう言われて私はそう素直に返事するしかなかった

琉「溜まってる洗い物は俺がするから気にせず食ってろ」

そう言って腕まくりする琉
小さな優しさで心が暖かくなるみたい…

蓮「琉、ありがとう」

琉「ん」

ここは素直に琉に甘えちゃお
そして少し遅れて私もお昼ご飯を食べ始めた
少しして皿を洗い終えた琉

蓮「琉、ありがとう」

琉「これくらいいいって」

そう言ったかと思うと、今度はじっと私の方を見つめる琉

蓮「どうかしたの?」

琉「髪、少し乱れてるな」

蓮「え、本当?うーん、バタバタしてたからなぁ」

ご飯を食べ終わったら縛り直さなきゃ
そう思ってたら、琉が私の後ろに立って髪に触れた

蓮「え、琉?」

琉「同じ結び方でいいんだろ?」

蓮「え、あ、うん…そうだけど…
まさか琉がやってくれるの?」

琉「お前は気にせず食べてろよ」

そう言って私の髪ゴムを解く琉
桜に良くやって貰ってた事だけど、琉が触ってると思うとなんだか少しくすぐったく感じた
私の髪をときながらまとめ始める

蓮「琉って誰かの髪結べたり出来るんだ…」

琉「や、やったのは始めてだけど、結ぶだけなら見様見真似で
桜みたいにアレンジは出来ないけど文句言うなよ」

蓮「ふふっ、文句なんて言わないよ
でも桜とやっぱり触り方が違うかも」

琉「そんなん分かるもん?」

蓮「分かるよ~
なんだか少しくすぐったい」

そんな会話を交えながら、初めてって言うわりにすんなりと結び直してくれた琉

琉「ん、出来たけどなんか違和感ある?」

蓮「んーん、全然、ありがとう」

結び終わったのに、琉はそのまま私の髪に触れ続ける

蓮「えっと琉?ずっと触ってるけどどうかしたの?」

なんだか少し気恥ずかしい気がするんだけど…

琉「いや、なんか触り心地が良くて…嫌か?」

蓮「え、ううん…そんなんじゃないけど…
少し恥ずかしいかな…」

琉「そっか」

そう返事しながら離す様子が無いんだけど…
な、何…?琉には珍しい…くもないのかな…?
なんだかご飯が上手く食べれないよ…
そしてしばらくして琉は手を離してくれた

琉「そろそろ戻らないと
父さんも休憩入りたいだろうし」

蓮「あ、うん…いってらっしゃい」

さっきまで気恥ずかしかったのに離れると少し物寂しく感じるのはなんでだろ…

琉「ん、蓮もほどほどに頑張れよ
またあとでな」

蓮「はーい」

琉は特に顔色を変えることもなく、いつものように平然とした様子でキッチンから出ていった
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

結婚したくない腐女子が結婚しました

折原さゆみ
恋愛
倉敷紗々(30歳)、独身。両親に結婚をせがまれて、嫌気がさしていた。 仕方なく、結婚相談所で登録を行うことにした。 本当は、結婚なんてしたくない、子供なんてもってのほか、どうしたものかと考えた彼女が出した結論とは? ※BL(ボーイズラブ)という表現が出てきますが、BL好きには物足りないかもしれません。  主人公の独断と偏見がかなり多いです。そこのところを考慮に入れてお読みください。 ※番外編に入り、百合についても語り始めました。  こちらも独断と偏見が多々あるかもしれないのでご注意ください。 ※この作品はフィクションです。実際の人物、団体などとは関係ありません。 ※番外編を随時更新中。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

~春の国~片足の不自由な王妃様

クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。 春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。 街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。 それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。 しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。 花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

お久しぶりです旦那様。そろそろ離婚ですか?

奏千歌
恋愛
[イヌネコ] 「奥様、旦那様がお見えです」 「はい?」 ベッドの上でゴロゴロしながら猫と戯れていると、侍女が部屋を訪れて告げたことだった。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...