君が嫌いで…好きでした。

秋月

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君が嫌いで…好きでした。

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奏叶「遅いなー湊のやつ…」

教室で湊が戻ってくるのを待っていた
………千菜もまだ戻ってきてない
もしかしてまだ寝てる…?
早く千菜の所に行きたいのに、湊が待ってろとか言うからな…
その時廊下で大きな声が聞こえた
内容までよく聞こえなかった
けど俺にはすぐ分かった
千菜の声だって
千菜がこんな大声を出すわけない
何かあったんだ
俺は教室を飛び出すと、廊下は野次馬が集まっていた
その間を通り抜けると何故か湊がいて、そして何故か泣いている千菜が居た
千菜が泣いている所なんて初めて見た
そして何となく状況が理解できた

奏叶「湊!お前千菜に何言ったんだよ!」

好きな子が泣かされたんだ
俺はカッとなって湊と口論になった
その時、千菜が俺にコートを投げつけてきた
赤く…涙を流した瞳で俺との事も無かったように強い口調で関わらないでと言った

奏叶「千菜!!」

千菜を呼び止めたがそのまま千菜は走り去っていった
俺はすぐに追いかけようとした
だけど湊がそれを止めた

湊「待てよかな!なんであいつに執着するんだよ
関わるなって言われたんだからむしろラッキーだろ!?
あいつはかなを殺そうとしてる奴だろ!?
…まさかあいつの事好きなのか?」

湊には何も伝えてない
湊だって俺を心配して言っているのかもしれない
だけど、黙っていられるか

奏叶「千菜は…千菜はそんな奴じゃない!
何も知らないくせに千菜を悪く言うと許さない」

湊「…っなんでそこまであいつにこだわるんだよ!」

奏叶「千菜の事が好きだからだよ!」

俺はすぐに千菜の後を追いかけた

湊「待てよかな!」

俺は湊の言葉も無視して千菜を追いかけた
学校の中を息を切らしながら千菜を探した

"あいつはかなを殺そうとしてる奴だろ!?"

………湊が何を千菜に言ったのか想像はつく
今もどこかで泣いてるかもしれない
千菜どこ行ったんだよ…
……図書室……?
気になった俺は図書館の中に入った
放課後の誰も居ない図書館で小さくすすり泣く声が聞こえた
やっぱり泣いていた

奏叶「千菜…っ…見つけた」

千菜…俺はあの時からずっと千菜が好きなんだよ
あの時から…今度は俺が千菜を助けるって決めたんだよ
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