9 / 78
9
しおりを挟む
結婚式の当日はロルフ様のエスコートを受けて来賓として参加いたしました。
サフィア様と第二王子、そしてお姉さまとメランプス義兄さまの二組の為の催しです。
この国での挙式は去年、終えてましたが各国の首脳陣を招いての大々的なパーティー。
結婚式と言うより各国へ向けてのお披露目に近いものです。
各国の首脳陣に見守られる中、王宮の会場でこちらの王様が二組へ婚姻の宣誓を告げます。
お母様たちもお姉さまの立派なお姿に涙を流して喜んでおります。
来賓席と身内の席は離れているので遠目からお母様達のお喜びするお姿を拝見しておりました。
「サフィア様もお姉さまも素敵」
「そうだね。……いずれ、俺達も」
「は、い」
また顔が熱くなります。
ちらっとお顔を盗み見するとロルフ様もお耳が赤くなっていて気持ちが高揚しているのは私だけじゃないとわかりほっとしました。
「……ロルフ様も赤い」
「言わないで?恥ずかしいから」
「はい」
夜は王宮で大きなパーティーが開かれ、もちろん私もロルフ様のエスコートで参加しました。
お姉さまとサフィア様のもとへお祝いの言葉を述べに行きます。
「おめでとうございます」
「ありがとう。次はあなた達ね」
「は、はい」
「皆様のように睦まじいご夫婦を目指します」
ロルフ様のように堂々とすればよいのに。
私ったら恥ずかしくて扇で顔を隠して頷くだけでした。
それもやっとです。
嫌がってると誤解されたかもと心配になりロルフ様を見つめるといつも通りにこっと微笑みを返してくださいました。
「……リリィ、相変わらず甘えてばかりなのね。もう少ししっかりしてくれないと困るわ」
「はい、申し訳ありません。お姉さま」
叱られましたが人前ということでいつものような剣呑さはありません。
息苦しくなることもなくすんなりと言葉を返せました。
「スワロス公爵夫人、私が頼りない男で申し訳ない」
「あら、王子のことではありませんのよ?いまだ甘えん坊な妹に、です」
王子にまで謝らせて本当にだめね、ポツリと私に聞こえる囁きを呟かれます。
「ウルリカ、リリィは良くやってるわ。頼りなげに見えるだけで芯の強い子。あなたにそっくりよ?」
「サフィア様、私達はちっとも似ておりませんわ」
心外といった様子のお姉さまです。
「近すぎると分からないものね」
「ええ、サフィア様の仰る通り。妻のウルリカは頼もしいくらい芯が強い。もちろん義妹のリリィもね」
「そうだな。どちらも怒らせると怖い」
ポツリと第二王子が呟きはサフィア様が扇に隠れてくすくす笑っておられます。
「私も怒ったら怖いんですのよ?お忘れなく」
「ああ、わかってる」
「あまり妖精に夢中になるとまた私怒ってしまうかも?やっぱり我慢の限界がありますのよ」
「は?」
「そうですね。あまり見つめるとまた妖精が隠れてしまいますよ」
第二王子の視線が嫌で徐々に後ろへ下がっていたのがバレました。
背中に何かあたりは後ろへ視線を向けるとヨルンガでした。
どうやら私は下がりすぎたようです。
「私がおりますよ」
ぼそっと耳打ちをして励ましてくれました。
「おい、なんでここにいる?そいつを俺に近づけるな」
「本日は通訳ですので」
じろっと睨むと第二王子はモゴモゴと口ごもりそっぽを向いてしまいました。
ヨルンガのことがお嫌いなようです。
瞳や髪の色にこだわるお国柄なので、褐色も許せないのでしょう。
第二王子は初めてお会いした時、私のくすんだ灰色の髪を汚いと嫌がっておられたから。
それがどうして私を気に入ることになったのか全く理解できません。
恋心は複雑で難解です。
サフィア様と第二王子、そしてお姉さまとメランプス義兄さまの二組の為の催しです。
この国での挙式は去年、終えてましたが各国の首脳陣を招いての大々的なパーティー。
結婚式と言うより各国へ向けてのお披露目に近いものです。
各国の首脳陣に見守られる中、王宮の会場でこちらの王様が二組へ婚姻の宣誓を告げます。
お母様たちもお姉さまの立派なお姿に涙を流して喜んでおります。
来賓席と身内の席は離れているので遠目からお母様達のお喜びするお姿を拝見しておりました。
「サフィア様もお姉さまも素敵」
「そうだね。……いずれ、俺達も」
「は、い」
また顔が熱くなります。
ちらっとお顔を盗み見するとロルフ様もお耳が赤くなっていて気持ちが高揚しているのは私だけじゃないとわかりほっとしました。
「……ロルフ様も赤い」
「言わないで?恥ずかしいから」
「はい」
夜は王宮で大きなパーティーが開かれ、もちろん私もロルフ様のエスコートで参加しました。
お姉さまとサフィア様のもとへお祝いの言葉を述べに行きます。
「おめでとうございます」
「ありがとう。次はあなた達ね」
「は、はい」
「皆様のように睦まじいご夫婦を目指します」
ロルフ様のように堂々とすればよいのに。
私ったら恥ずかしくて扇で顔を隠して頷くだけでした。
それもやっとです。
嫌がってると誤解されたかもと心配になりロルフ様を見つめるといつも通りにこっと微笑みを返してくださいました。
「……リリィ、相変わらず甘えてばかりなのね。もう少ししっかりしてくれないと困るわ」
「はい、申し訳ありません。お姉さま」
叱られましたが人前ということでいつものような剣呑さはありません。
息苦しくなることもなくすんなりと言葉を返せました。
「スワロス公爵夫人、私が頼りない男で申し訳ない」
「あら、王子のことではありませんのよ?いまだ甘えん坊な妹に、です」
王子にまで謝らせて本当にだめね、ポツリと私に聞こえる囁きを呟かれます。
「ウルリカ、リリィは良くやってるわ。頼りなげに見えるだけで芯の強い子。あなたにそっくりよ?」
「サフィア様、私達はちっとも似ておりませんわ」
心外といった様子のお姉さまです。
「近すぎると分からないものね」
「ええ、サフィア様の仰る通り。妻のウルリカは頼もしいくらい芯が強い。もちろん義妹のリリィもね」
「そうだな。どちらも怒らせると怖い」
ポツリと第二王子が呟きはサフィア様が扇に隠れてくすくす笑っておられます。
「私も怒ったら怖いんですのよ?お忘れなく」
「ああ、わかってる」
「あまり妖精に夢中になるとまた私怒ってしまうかも?やっぱり我慢の限界がありますのよ」
「は?」
「そうですね。あまり見つめるとまた妖精が隠れてしまいますよ」
第二王子の視線が嫌で徐々に後ろへ下がっていたのがバレました。
背中に何かあたりは後ろへ視線を向けるとヨルンガでした。
どうやら私は下がりすぎたようです。
「私がおりますよ」
ぼそっと耳打ちをして励ましてくれました。
「おい、なんでここにいる?そいつを俺に近づけるな」
「本日は通訳ですので」
じろっと睨むと第二王子はモゴモゴと口ごもりそっぽを向いてしまいました。
ヨルンガのことがお嫌いなようです。
瞳や髪の色にこだわるお国柄なので、褐色も許せないのでしょう。
第二王子は初めてお会いした時、私のくすんだ灰色の髪を汚いと嫌がっておられたから。
それがどうして私を気に入ることになったのか全く理解できません。
恋心は複雑で難解です。
16
あなたにおすすめの小説
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
傷付いた騎士なんて要らないと妹は言った~残念ながら、変わってしまった関係は元には戻りません~
キョウキョウ
恋愛
ディアヌ・モリエールの妹であるエレーヌ・モリエールは、とてもワガママな性格だった。
両親もエレーヌの意見や行動を第一に優先して、姉であるディアヌのことは雑に扱った。
ある日、エレーヌの婚約者だったジョセフ・ラングロワという騎士が仕事中に大怪我を負った。
全身を包帯で巻き、1人では歩けないほどの重症だという。
エレーヌは婚約者であるジョセフのことを少しも心配せず、要らなくなったと姉のディアヌに看病を押し付けた。
ついでに、婚約関係まで押し付けようと両親に頼み込む。
こうして、出会うことになったディアヌとジョセフの物語。
この度娘が結婚する事になりました。女手一つ、なんとか親としての務めを果たし終えたと思っていたら騎士上がりの年下侯爵様に見初められました。
毒島かすみ
恋愛
真実の愛を見つけたと、夫に離婚を突きつけられた主人公エミリアは娘と共に貧しい生活を強いられながらも、自分達の幸せの為に道を切り開き、幸せを掴んでいく物語です。
婚約破棄されるはずでしたが、王太子の目の前で皇帝に攫われました』
鷹 綾
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間――
目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。
そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。
一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。
選ばれる側から、選ぶ側へ。
これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。
--
とある令嬢の優雅な別れ方 〜婚約破棄されたので、笑顔で地獄へお送りいたします〜
入多麗夜
恋愛
【完結まで執筆済!】
社交界を賑わせた婚約披露の茶会。
令嬢セリーヌ・リュミエールは、婚約者から突きつけられる。
「真実の愛を見つけたんだ」
それは、信じた誠実も、築いてきた未来も踏みにじる裏切りだった。だが、彼女は微笑んだ。
愛よりも冷たく、そして美しく。
笑顔で地獄へお送りいたします――
死に戻りの元王妃なので婚約破棄して穏やかな生活を――って、なぜか帝国の第二王子に求愛されています!?
神崎 ルナ
恋愛
アレクシアはこの一国の王妃である。だが伴侶であるはずの王には執務を全て押し付けられ、王妃としてのパーティ参加もほとんど側妃のオリビアに任されていた。
(私って一体何なの)
朝から食事を摂っていないアレクシアが厨房へ向かおうとした昼下がり、その日の内に起きた革命に巻き込まれ、『王政を傾けた怠け者の王妃』として処刑されてしまう。
そして――
「ここにいたのか」
目の前には記憶より若い伴侶の姿。
(……もしかして巻き戻った?)
今度こそ間違えません!! 私は王妃にはなりませんからっ!!
だが二度目の生では不可思議なことばかりが起きる。
学生時代に戻ったが、そこにはまだ会うはずのないオリビアが生徒として在籍していた。
そして居るはずのない人物がもう一人。
……帝国の第二王子殿下?
彼とは外交で数回顔を会わせたくらいなのになぜか親し気に話しかけて来る。
一体何が起こっているの!?
【完結】婚約破棄はいいのですが、平凡(?)な私を巻き込まないでください!
白キツネ
恋愛
実力主義であるクリスティア王国で、学園の卒業パーティーに中、突然第一王子である、アレン・クリスティアから婚約破棄を言い渡される。
婚約者ではないのに、です。
それに、いじめた記憶も一切ありません。
私にはちゃんと婚約者がいるんです。巻き込まないでください。
第一王子に何故か振られた女が、本来の婚約者と幸せになるお話。
カクヨムにも掲載しております。
すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
水川サキ
恋愛
家族にも婚約者にも捨てられた。
心のよりどころは絵だけ。
それなのに、利き手を壊され描けなくなった。
すべてを失った私は――
※他サイトに掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる