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10※ウルリカ
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挨拶を済ませて立ち去る妹と婚約者の後ろ姿を扇越しに見つめて歯噛みしていた。
嫌だわ。
この子は相変わらず。
ちやほやされて面白くない。
婚約者の第四王子も。
サフィア様も。
夫も。
次期王太子と呼ばれるサフィア様の夫までもこの子に甘い。
只でさえいら立つのに。
侍従のヨルンガまでも。
優秀さに目をかけてあげいたのに私より妹になついてる。
肌の色も何もかも、この私が許してあげてたのに。
側仕えにしようとしたのに、結局、私ではなくて妹の側を選んだ。
それを許した父と母も。
本当に私のことを理解してくれない。
おどおど謝ってばかりの不甲斐ない妹の方が大事なのね。
一番許せないのはヨルンガ自身が妹を選んだということ。
努力家で優秀な私ではなく小さくて愚かな妹を。
だから少しだけ含みを持たせて憂い顔で周囲にため息見せるの。
それだけ。
すると勝手に皆が邪推する。
特にこの単細胞な第一王女とその取り巻き。
バカで呆れることもあるけど基本的には便利な人たち。
自分の望む言葉しか聞かない愚か者。
リリィの悪口を聞きたがり、バカらしい勝手な邪推ばかり。
曖昧に微笑んで、目を伏せて肯定とも否定とも取れない返事をすれば簡単。
ここにいる間くらい痛い目に遇えばいいわ。
母国から離れた遠い国。
自国の誇りが強く外国人への差別の強いこの国。
可哀想なのは私なんですもの。
サフィア様はまだいいわ。
金髪碧眼のお姿を国民は喜んでる。
対する私はまわりと同じ栗毛に濃い碧眼。
この国の一般的な色。
有能さより見た目を重視してるの。
慣れない生活に体調を崩したときに夫は心配そうな顔をしながら言うのよ。
“君になら大丈夫だと思ったのに”
あの人は分かっていたのよ。
外国人への当たりの厳しさを。
わざわざ私を選んだのは、愛とかそういったものではなくこの仕打ちに耐えられるかどうかを見ていた。
夫のメランプスに選ばれたとはいえ、私と夫の間に愛などない。
私を選んだのは、有能さ以外にリリィの姉だからと夫の打算があるの。
リリィはサフィア様のスキャンダルから守った恩人であり、第二王子の初恋のお相手。
わからないと思ってた?
そんなことばかりで妹を許せないと思うのは当然の成り行きで、少々痛い目に遇えばいいと願うのは当たり前のことでしょう。
ロルフ様に宝物のように扱われる可愛くない妹へと視線を向けた。
そして扇で顔を隠し、その下では面白くないと鼻白む。
百合の妖精。
この国の社交界でもそう呼ばれ始めたことが面白くなかった。
嫌だわ。
この子は相変わらず。
ちやほやされて面白くない。
婚約者の第四王子も。
サフィア様も。
夫も。
次期王太子と呼ばれるサフィア様の夫までもこの子に甘い。
只でさえいら立つのに。
侍従のヨルンガまでも。
優秀さに目をかけてあげいたのに私より妹になついてる。
肌の色も何もかも、この私が許してあげてたのに。
側仕えにしようとしたのに、結局、私ではなくて妹の側を選んだ。
それを許した父と母も。
本当に私のことを理解してくれない。
おどおど謝ってばかりの不甲斐ない妹の方が大事なのね。
一番許せないのはヨルンガ自身が妹を選んだということ。
努力家で優秀な私ではなく小さくて愚かな妹を。
だから少しだけ含みを持たせて憂い顔で周囲にため息見せるの。
それだけ。
すると勝手に皆が邪推する。
特にこの単細胞な第一王女とその取り巻き。
バカで呆れることもあるけど基本的には便利な人たち。
自分の望む言葉しか聞かない愚か者。
リリィの悪口を聞きたがり、バカらしい勝手な邪推ばかり。
曖昧に微笑んで、目を伏せて肯定とも否定とも取れない返事をすれば簡単。
ここにいる間くらい痛い目に遇えばいいわ。
母国から離れた遠い国。
自国の誇りが強く外国人への差別の強いこの国。
可哀想なのは私なんですもの。
サフィア様はまだいいわ。
金髪碧眼のお姿を国民は喜んでる。
対する私はまわりと同じ栗毛に濃い碧眼。
この国の一般的な色。
有能さより見た目を重視してるの。
慣れない生活に体調を崩したときに夫は心配そうな顔をしながら言うのよ。
“君になら大丈夫だと思ったのに”
あの人は分かっていたのよ。
外国人への当たりの厳しさを。
わざわざ私を選んだのは、愛とかそういったものではなくこの仕打ちに耐えられるかどうかを見ていた。
夫のメランプスに選ばれたとはいえ、私と夫の間に愛などない。
私を選んだのは、有能さ以外にリリィの姉だからと夫の打算があるの。
リリィはサフィア様のスキャンダルから守った恩人であり、第二王子の初恋のお相手。
わからないと思ってた?
そんなことばかりで妹を許せないと思うのは当然の成り行きで、少々痛い目に遇えばいいと願うのは当たり前のことでしょう。
ロルフ様に宝物のように扱われる可愛くない妹へと視線を向けた。
そして扇で顔を隠し、その下では面白くないと鼻白む。
百合の妖精。
この国の社交界でもそう呼ばれ始めたことが面白くなかった。
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