伯爵令嬢、溺愛されるまで~婚約後~

うめまつ

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「リリィ様宛に王女より招待状が届いております」

「招待状?グラッセ王女から?」

ヨルンガが盆にのせた手紙を私へと渡しました。

内容は本日の午後、お茶会へのお誘いでした。

どういう風の吹きまわしでしょうか。

「お返事をいただきたいと使者も来られてます」

「あぁ、すぐにお答えせねばならないわね」

「はい」

珍しくヨルンガの眉間に皺が寄っています。

「ヨルンガ、心配?」

「はい」

「私も」

帰り支度で忙しくしていたサラも悩む私たちのもとへ。

「リリィ様、お断りいたしましょう。明日にはここを出立しますもの。お断りしても失礼にはあたりません。」

「そうね。使者の方をお待たせするのもいけないからこのまま口頭で伝えるわ」

ヨルンガの案内のもと、玄関でお待たせしていた使者にお断りを伝えて、謝罪のお手紙も持たせて帰らせました。

これで終わりと安心したのもつかの間、そのあと、また使者が再訪されてお誘いを受けました。

新たに届けられた手紙には、今までの謝罪とどうしても最後にお話がしたいと書かれていました。

「それは困ったわ」

これ以上お断りするのも失礼に当たります。

「仕方ないわ。サラ、支度をお願い」

サラとヨルンガは渋々といった様子です。

使者には帰国直前で長い訪問は出来ませんがお伺いいたします、と伝えると青かった顔に色味が戻りました。

行かなければこの方にも何やら罰があるのだと察しました。

衣類をお茶会に相応しいものへと変えて髪も変えます。

「リリィ様、私は不安でございます」

「私もよ」

鏡越しに写るサラと目が合いました。

先程の使者の顔色、昨日の取り巻きのご令嬢達の恐れた様子。

自分が見聞きした以上に王女は苛烈な方なのだと察していました。

行かない方がよいのかもしれません。

逆に私の身分で断ることもどんな噂が流れるか。

そちらも恐ろしいと思いました。
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