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『待ちなさいよ!』
人を掻き分けて、いえ、押し退けてグラッセ王女が私達の前に現れて怒りに身を震わせておられます。
先程の装いのまま。
宵闇のバルコニーで見た時は気づきませんでしたが、明かりの沢山灯されたここではお姿がはっきり見えます。
うっすら透ける布地からお体が透けて見えて、しかも胸元とお腹の大きな隙間から黄金色にキラキラ輝く肌が。
思わず下を向いて顔を隠しました。
耳まで熱いです。
なぜお胸とお腹が黄金色に輝いているのでしょうか。
それに露出の激しさだけでなく、物々しいこの場所での場違いさが際立って見るのが恥ずかしくなります。
『どこに行ってたのよ?!』
ロルフ様に大変お怒りでポンポンと口から文句が出てきます。
フィンレー王子は格好を激しく咎めて、メランプスお義兄様はガウンを持ってこいと怒鳴り、三人のご兄弟がそれぞれ自由です。
『邪魔よ!あんた達!弟のくせ生意気よ!』
チラチラと盗み見していますと、三人で争っていたのにグラッセ王女がメランプスお義兄様とフィンレー王子を突き飛ばして仁王立ちでロルフ様の前に豪華なお胸を突き出して結婚を迫っていらっしゃいます。
ちょうど私の目の前にグラッセ王女のお胸がバーンと。
あまりの豪華さにはわはわと慌ててしまいました。
「最初からお断りしています。婚約者がいるからではなくて婚約者を愛しているからです。リリィ以外とはあり得ません」
「ひゃわわ」
ぎゅっと頭に腕を巻いて胸板に抱き締められて。
今までこんな近くで寄り添ったことありません。
心臓が止まりそう。
死んじゃう。本当に死んじゃう。
「ろ、ロルフ様ぁ、はわわ」
恥ずかしさでプルプル震えてます。
シーツを固く握って名前を呼んでるのに、気づいてもらえず。
グラッセ王女との口論がお忙しくてますます抱き締めるお力が強くなってます。
女の魅力のないこんな貧相なチビと貶されるのにロルフ様が私のことを誉めて誉めて誉め続けるからもう私の頭がパンクしそう。
「あなたが何と言おうと俺のリリィには良さしかありません。私の婚約者は心優しく努力家で勤勉で、愛情にあふれていて性格も妖精と呼ばれるに相応しい立派な淑女です。外見だって名前の通りにこんな可愛いくて白百合のような清楚で高貴な美しさを持っています。髪はアッシュで落ち着きを見せるのに妖精の気まぐれのように、光の加減でプラチナの輝きを、」
「りょ、りょるふ様ぁ、も、もう、もう許してくださいぃ」
ロルフ様の胸板に潰されて震えながら顔を横に振ります。
「わ、私、もう、どうしていいか」
誉められて息苦しくなるなんて初めてです。
「だめ、リリィ。俺はまだ言い足りない」
言われっぱなしで黙っていられないとまだ続きます。
いえ、もう黙ってください。
ロルフ様に殺されそう。
「一目惚れしてやっと婚約出来たのに他の女性の相手する暇なんてありません。次は結婚です。愛想をつかされないように毎日忙しいのだから」
「一目惚れ?気の迷いでしょう。私は我が国の女王となるのよ。先を考えればそんな身分の低い娘より王配となる私の方が賢明というものよ」
「リリィにはそれ以上の価値があります」
「私がその子より劣ると言うの?!節穴だわ」
「俺が好むのがリリィだったというだけです。あなたとリリィは比べようがありません。リリィの良さは愛にあふれた人柄と小柄で華奢なことですから。貧相とは違います。ちゃんと女性らしい体つきをしています。控えめなんです」
「何が控えめよ?!寸胴よ!胸なんか平らじゃない!お尻もペラペラの紙!発育不良じゃなかったら何よ?!分かったわ!ロルフは幼女趣味なわけね!」
「凹凸が欲しくて愛してるんじゃありませんからね?リリィなら凹凸があってもなくても構いません。だから今のままで充分満足してます」
もう本当に二人とも黙ってください。
グラッセ王女が何か言うからロルフ様が反論でまた誉めちぎります。
横からメランプスお義兄様もフィンレー王子もそれぞれ外交をどうする気だ、他の貴族達とのことをどう考えているのか。
反省がないと怒鳴ります。
陛下の第一子で、王家の象徴を二つも所有している自分が尊い存在だと言い返して、ロルフ様を王配にして女王となると言い張るグラッセ王女へ、メランプスお義兄様達は何を考えているんだと叫ぶように問い詰めるのに、グラッセ王女は二人に負けない怒声でこの国は私のものだと二人を退けています。
人を掻き分けて、いえ、押し退けてグラッセ王女が私達の前に現れて怒りに身を震わせておられます。
先程の装いのまま。
宵闇のバルコニーで見た時は気づきませんでしたが、明かりの沢山灯されたここではお姿がはっきり見えます。
うっすら透ける布地からお体が透けて見えて、しかも胸元とお腹の大きな隙間から黄金色にキラキラ輝く肌が。
思わず下を向いて顔を隠しました。
耳まで熱いです。
なぜお胸とお腹が黄金色に輝いているのでしょうか。
それに露出の激しさだけでなく、物々しいこの場所での場違いさが際立って見るのが恥ずかしくなります。
『どこに行ってたのよ?!』
ロルフ様に大変お怒りでポンポンと口から文句が出てきます。
フィンレー王子は格好を激しく咎めて、メランプスお義兄様はガウンを持ってこいと怒鳴り、三人のご兄弟がそれぞれ自由です。
『邪魔よ!あんた達!弟のくせ生意気よ!』
チラチラと盗み見していますと、三人で争っていたのにグラッセ王女がメランプスお義兄様とフィンレー王子を突き飛ばして仁王立ちでロルフ様の前に豪華なお胸を突き出して結婚を迫っていらっしゃいます。
ちょうど私の目の前にグラッセ王女のお胸がバーンと。
あまりの豪華さにはわはわと慌ててしまいました。
「最初からお断りしています。婚約者がいるからではなくて婚約者を愛しているからです。リリィ以外とはあり得ません」
「ひゃわわ」
ぎゅっと頭に腕を巻いて胸板に抱き締められて。
今までこんな近くで寄り添ったことありません。
心臓が止まりそう。
死んじゃう。本当に死んじゃう。
「ろ、ロルフ様ぁ、はわわ」
恥ずかしさでプルプル震えてます。
シーツを固く握って名前を呼んでるのに、気づいてもらえず。
グラッセ王女との口論がお忙しくてますます抱き締めるお力が強くなってます。
女の魅力のないこんな貧相なチビと貶されるのにロルフ様が私のことを誉めて誉めて誉め続けるからもう私の頭がパンクしそう。
「あなたが何と言おうと俺のリリィには良さしかありません。私の婚約者は心優しく努力家で勤勉で、愛情にあふれていて性格も妖精と呼ばれるに相応しい立派な淑女です。外見だって名前の通りにこんな可愛いくて白百合のような清楚で高貴な美しさを持っています。髪はアッシュで落ち着きを見せるのに妖精の気まぐれのように、光の加減でプラチナの輝きを、」
「りょ、りょるふ様ぁ、も、もう、もう許してくださいぃ」
ロルフ様の胸板に潰されて震えながら顔を横に振ります。
「わ、私、もう、どうしていいか」
誉められて息苦しくなるなんて初めてです。
「だめ、リリィ。俺はまだ言い足りない」
言われっぱなしで黙っていられないとまだ続きます。
いえ、もう黙ってください。
ロルフ様に殺されそう。
「一目惚れしてやっと婚約出来たのに他の女性の相手する暇なんてありません。次は結婚です。愛想をつかされないように毎日忙しいのだから」
「一目惚れ?気の迷いでしょう。私は我が国の女王となるのよ。先を考えればそんな身分の低い娘より王配となる私の方が賢明というものよ」
「リリィにはそれ以上の価値があります」
「私がその子より劣ると言うの?!節穴だわ」
「俺が好むのがリリィだったというだけです。あなたとリリィは比べようがありません。リリィの良さは愛にあふれた人柄と小柄で華奢なことですから。貧相とは違います。ちゃんと女性らしい体つきをしています。控えめなんです」
「何が控えめよ?!寸胴よ!胸なんか平らじゃない!お尻もペラペラの紙!発育不良じゃなかったら何よ?!分かったわ!ロルフは幼女趣味なわけね!」
「凹凸が欲しくて愛してるんじゃありませんからね?リリィなら凹凸があってもなくても構いません。だから今のままで充分満足してます」
もう本当に二人とも黙ってください。
グラッセ王女が何か言うからロルフ様が反論でまた誉めちぎります。
横からメランプスお義兄様もフィンレー王子もそれぞれ外交をどうする気だ、他の貴族達とのことをどう考えているのか。
反省がないと怒鳴ります。
陛下の第一子で、王家の象徴を二つも所有している自分が尊い存在だと言い返して、ロルフ様を王配にして女王となると言い張るグラッセ王女へ、メランプスお義兄様達は何を考えているんだと叫ぶように問い詰めるのに、グラッセ王女は二人に負けない怒声でこの国は私のものだと二人を退けています。
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