人狼の団長、見つけた番はすでに溺愛されている《団長はお預け中、たまに待てが出来ないで押し倒す》

うめまつ

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ふわふわ

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痛く触ることはないので困ることはない。
多少下半身がどうにも収まらない時があるくらいだ。
エヴ嬢はそんなことも知らずに私が気持ちよさで堪えきれずに呻くと喜ぶ。
休憩させてくれと頼めばすぐ許すので襲わないで済んでいた。
外では毛並みを楽しむように表面を撫でるだけが多い。
最近は増えた魔力の調整に慣れていつでも元の人型に戻れる。だが、エヴ嬢に気に入られたくてわざと昼間は常時獣化して夜の就寝のみ変身を解いて過ごした。
疲れやすくてあまり良くないかと心配したのに、あっという間に慣れて全身の魔力操作が格段に上がった。
就寝時も続けて獣化を常態化できるほどに。
それとエヴ嬢のヒムドも復活した。
新しい個体ではなく以前の意識を保ったままの復活だ。
どうやら再生に記憶を残して作り直したから時間がかかったらしい。
初めて聞く使い魔の創成に驚いた。
術師としての腕の良さに感心したが、不能の術式を打たれないように注意しようと気を引き締めた。
あんな物騒なもの。
解除出来る者がいないかもしれない。
スミスに小まめに探知させているが、打たれたら終わりだと思う。
まあ、その高い能力のおかげでヒムドは復活した。前回の記憶があるから私が溺れたエヴ嬢を助けたことを覚えていて、その恩から引き続き慕ってくれる。
多少いざこざはあった。復活してすぐ、いつものように膝に抱きついて耳を触らせようとしたら、ヒムドがうなじから飛び出して猫パンチを繰り出した。
私が驚いて顔を飛び退くと膝に陣取って怒った。
どうやら私はヒムドの定位置に割り込みだようだと察して、仕方なしに膝頭に額を乗せたり、椅子の手すりに寄りかかったりと邪魔をしないように気を付けた。
ヒムドは私より先輩だから尊重せねばならない。
たまに交代だと、膝から退かして私の腕の中に閉じ込める。嫌がらずにゴロゴロと喉を鳴らして許してくれるという関係を築いてる。

「ご結婚が間近なようで楽しみです。さすが団長だ。エヴ嬢のみならず、あっという間に彼らを手なずけてしまわれた」
「手なずけた訳ではない」

夜間、天幕で報告を終えて軽口になったエドが笑ってこぼすので、なついてるのは私だと応える。

「いやいや、あの様子を見ればわかりますよ」

したり顔で喜ぶエドにまだ無理だと伝えると、そんなことはないと呑気に笑う。

「あの四人の輪に混じっただけだ。まだまだだ」

毛皮以外、触れてこないし私からも膝以外触らない。
エヴ嬢の天幕に頻繁に出入りするし、鍛練時や討伐時にも危険がなければ好きな時に好きなようにさせて人目を憚らず触らせている。だが、それ以上の進展はない。
しかも私とエヴ嬢の近さにダリウスとラウルが積極的になっている。
目に付くところでエヴ嬢の手を握ったり、以前よりかなり近く過ごしている。そしてふとした拍子に腰に引き寄せて引っ付いているダリウスを見かけることが増えた。
かなり匂いの濃さが上がってるから見えないところでは抱き締めていると思う。
逆にラウルは私の見える所でしょっちゅう抱きついている。
髪結いのあとに甘えて背後から抱きしめているのを何度か見かけた。
それとエヴ嬢の天幕で毛並みを堪能したあと、私が退出した時に中から団長ばかり嫌だとごねてるのが聞こえた。
耳を澄まして伺うと抱きついたり私と同じように膝に甘えてるようだった。
全身から漂う二人の匂いに面白くないとは思うが、ここで彼らに牽制したり、独占欲から悋気を起こしても、あの二人に比べて付き合いの浅い私が締め出されるだろう。
負担になるまいと、しばらく自分から動くのは控えていたらエヴ嬢からも来なくなり、こちらから触るかと尋ねて頷いた時だけ触れあった。その時必ず二人の濃い匂いが鼻についた。
悋気を起こしそうになるが、私の番だから大丈夫だと絶対私のものになると妙な確信と自信があった。

「団長、あとで触りに行って良いですか?」

久々にエヴ嬢から声をかけてきたので、どうしたのか尋ねた。

「ヤンがたまには団長の所へ行って来なさいって」

こちらへ訪問すると言う。
私の天幕で触るのは初めてだ。信頼を得られたのかと思い、了承した。
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