人狼の団長、見つけた番はすでに溺愛されている《団長はお預け中、たまに待てが出来ないで押し倒す》

うめまつ

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強引

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ふぎゃーっとヒムドが飛び出して手に噛みつくが、ごつごつの剣だこにまみれた固い手に大したことはない。
「団長!」
「さっきの話を片付ける」
ヤンが肩を引くがじろっと睨むと手が止まった。
「ん、ん、」
震える足から力が抜けるのでゆっくりしゃがませる。
力なく崩れていき寝転がしたまま精力を流し続ける。
「ヤン、肌に触れろ。精力が流れる。これからマメに注ぐのだから慣れて貰わなくて困る」
顔を赤らめたヤンが意を決したように近づいてエヴ嬢の手を握った。
「感覚が掴めたら指に精力を乗せて口から飲ませられる」
「は、はい」
「ん、んん、あ、や、あ」
ヤンの手に指を絡めて強く握りしめて喘ぎながらまた、舌が巻き付き喉の奥が強く締め付けてくる。
恍惚に顔を緩み上気した目元からぼろぼろと大粒の涙が流れる。
ヒムドがふーふーと手の甲に歯を立てる。
「ヒムド、これはお前の主に必要なことだ」
やはり使い魔として能力が高い。
こちらの言葉を理解して品定めするようにこちらを見据え、ヤンへと視線を移す。
ヤンが頷くと全身の毛を逆立てたまま黙って引いた。
「んーっ」
一気に注がずじっくり注いだ。
二本の指と親指を突っ込みねぶらせる。
じわじわ流すせいか長引いて悶えている。
一気に流すと意識が飛び魔人の欲だけで動く。
今は残った理性で目が泳ぎ、怯えていた。
思った通りと合点が行く。
一瞬、勝ち気な表情が戻り、抵抗に足の届くヤンを蹴ろうとしたので腹に股がって押さえた。
「油断するな。気を抜くと強化をかけて吹っ飛ばされる」
呆けていたのが私の荒さに顔をしかめてた。
しかしこちらが当然と視線を向けると気を引き絞めた。
「よく聞け。これからいつも満たされるように定期的に注ぐ。力を使っても注ぐ。嫌がれば押さえつけて無理矢理だ。覚えたか?分からないなら苦しくなるようにもっと時間をかけよう。返事は?」
「ん、んんっ」
覗き込んだこちらの目を見つめ返し、怯えた顔を必死でこくこくと振って承諾を表す。
「よし、いい子だ」
「んあっ、ふぁっ」
一気に流すとぎゅっと目をつぶって身体を強く硬直させて脱力した。
「ふぁ、…あ」
情事の後を匂わすその姿態に、顔を真っ赤にしたヤンが息も荒く凝視していた。
面白くないとも思うが、万が一に人を襲って討伐となれば後悔してもしきれない。
後天的に上位種の、しかも人害のある夢魔の体質を持つなどバレでもしたら。
クレイン領でも恐らく上官までしか知らされていない事実だ。
なら精力を与えて飢えを凌がせた方がいい。
私だけが望ましいが、ペリエ嬢の件がなくても四六時中、共にいることは難しい。
ギリギリ許せるのはあの三人までだ。
それにエヴ嬢自体の器がどれだけ吸うのか、逆に人族のヤン一人で持つのか分からないことが多い。
腰につけた水袋を外す。
「手拭いは…そうか。先程、私が借りたな。予備はないか?」
「はい、申し訳ありません」
動揺は消えたようだがまだ顔が赤い。
エヴ嬢を直視出来ないようで視線を逸らしている。
こういうところがまだ若いと思った。
「しょうがない」
果てたあとは顔に水をかけた。
清潔な手拭いはないので顔に直接水袋からだ。
「ぷはぁ!げほ!鼻に!」
ぐったりと倒れていたが、いきなりの水に驚いてがばっと起き上がり、濡れた顔を手の甲で拭っている。
はっと私とヤンの顔を見据えて半泣きになる。
「や、やだ、て言ったのに!」
「こればかりは嫌がろうが何だろうが拒否権はない。誰彼と無意識に襲うのと私達に無理矢理注がれるのはどちらがましだ?」
悔しそうに歯噛みしている。
「く、口からは、いやっ」
「なら自ら手で吸え。私は何度も言ったはずだ。腹が空いたら来いと。なのに来ない。また前回のようになったら無理やり突っ込む」
「うう~っ!嫌い!」
「くっ」
ぐっさり刺さるがここで引き下がるつもりはない。
「どちらか今すぐ選べ。見知らぬ他人か私達だ」
怯みと悔しさを混ぜた色を浮かべ、涙の溜まった目で睨み付けながらヤンと私を交互に見比べる。
私の位置からヤンの様子が分からないが助ける気のない気配に気づくと、エヴ嬢は自信なさげに萎れていく。
「その見知らぬ誰かはうちの団員か?それともクレイン領団の者か?最悪、領民だ。あなたがそこを理解しているなら答えは分かるはずだ」
がっくりと肩を落とした。
ポロポロと涙がこぼれて眉が下がる。
「う、ひっく、…ヤンと、団長ぉ。…自分で吸う。…ちゃんと、言うぅ、ふぇ、ふええっ」
突っ伏してひんひん泣いてヒムドが慰めに髪の毛繕いを始める。
「諭すのではなかったのですか?随分荒っぽく話を進めましたね」
「あれだけ言っても改善しない。今は会うタイミングもない。時間が惜しい。とにかく頑固だからだ」
先に戻って作業場の監督を続けた。
それぞれにエヴ嬢とヤンを尋ねられたら暑さにやられたと答えておく。
泣き止んだ頃、二人が戻ってきたがヤンの後ろに隠れて顔も見てくれない。
「暑さにやられたと言ってある」
「ありがとうございます」
ヤンが答えるだけでエヴ嬢はヤンの背中にしがみついて黙っていた。
「意に染まぬことをすまなかった。…毛皮でも許してもらえないか?」
「…だめ」
「そうか。残念だ。だが、必要なことだだった理解してほしい」
「…はい。…そこは、分かります。やだけど、私が気を付けなきゃいけない。怒ってないんです。でも、あれは、ぐあーってなって苦しくて、ツラいんです」
「次は辛くないようにする」
「…お願いします」
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