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支障
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胸に寄せて頭を撫でた。
リーグが黙ってエヴ嬢を眺め、私へと視線を移す。
首をかしげ考えた様子に頷いて答える。
エヴ嬢の身体を横に向けさせて耳を押さえた。
反対の耳は胸に押し当てる。
少し嫌そうに身動ぎした。
「しばらくじっとしてろ。大事な話がある」
むうっと拗ねた顔をするが大人しく自分から耳を押し付けて私の被せた手の上に手を添えてじっとした。
頭を下げて目もつぶった気配に聞き分けがいいと感心する。
「あれが来てたのか?」
「はい、探しに」
ぴっと私に指をさす。
言葉を濁らすのはエヴ嬢への配慮だろう。
「供全員、引き連れて。招待もなく。あちらの最上上官三人とこちらはご指名で」
ジェラルド伯とロバート殿とベアード殿が対応したということか。
「指名?」
「顔と身分で選んでました。うちのエルフがこれです」
頭に手で二本の角を表した。
「呼ばれたのか」
それでスミスが怒ったと。
「かなりのおこっす。激おこ。でもさすが高位貴族。卒なく対応されてました」
あいつは貴族相手の方が評判はいい。
「すごいのはあちらのお二人っすよ。あの親子、何を言われても、どぎつい誘惑されてものらりくらりとかわして煙に巻いて、貴族ってあんな感じなんですかね」
「側にいたのか?」
それに驚きだ。
「給仕に掴まったっす。八つ当たりっす」
「ああ、そうか」
スミスに巻き込まれたか。
ラウルの側に置いておくのが悔しかったのだろう。
「おかげでほら、」
ぺらっと袖を捲った。
「身分が気にくわないそうです」
利き腕がかなり腫れていた。
「支障が出る怪我だ」
「ういっす。使いづらいっす。俺、庶民だけど専門部隊のエースっすよ?部隊の中で討伐一位。しかも水辺の大型討伐直前にこれっす。皆の目の前で。どうします?俺的に使える案件と思うんすけど?まだ俺ひとりじゃ軽いっすかね」
「正直、案件としては今一つ軽い。あちらのお二人か、うちの高位貴族の上官ならもっと揉めやすかった。だが、明日片付けよう。朝いちだ。うちの団員への無礼は許さない」
「エルフ先輩もさすがに俺に謝ってました。まあ、俺的に予想してたことなんすけどね。逆にラッキーかと」
「お前はそういう奴だ」
先に殴らせてやり返す性格をしてる。
自分に非がある状況をとことん嫌っている。
「あと副団長からの伝言っす。あちらも激おこで言質は取ったそうです。あっちも別に俺が可愛いからじゃないっすよ?討伐の腕っすね」
「ふ、可愛がられてるからな」
「あと、幸か不幸かちょうどいなかったんすよ」
また隠れて指をさす。
「いたら暴れてたかもってあちらの方々が青ざめてました」
「可愛がられてるからだ」
胸の中に視線を向けた。
リーグが殴られたと知ったら何をするか分からん。
四人に可愛がられてるのは両団、周知の事実だ。
エヴ嬢のお気に入りで、私と三人を含めて近寄ることを許された特別な団員。
アイドル扱いの彼らに気に入られたせいで自陣の奴らから多少妬まれているようだが、クレイン領団の奴らに好まれている。
四人に好かれる前から人格と戦闘のセンス、社交性が評価されていた。
領団の大半は体格が恵まれまれていない。
彼らはうちの団で最も小柄で若いリーグに共感を持つらしい。
「あと訂正だ。水辺に限定した討伐は俺を超してる。全団員の中で一位だ」
「へ?」
「専門部隊の一位なら必然的にそうだろうが」
あー、そうっすねと軽い返事が返ってきた。
リーグが黙ってエヴ嬢を眺め、私へと視線を移す。
首をかしげ考えた様子に頷いて答える。
エヴ嬢の身体を横に向けさせて耳を押さえた。
反対の耳は胸に押し当てる。
少し嫌そうに身動ぎした。
「しばらくじっとしてろ。大事な話がある」
むうっと拗ねた顔をするが大人しく自分から耳を押し付けて私の被せた手の上に手を添えてじっとした。
頭を下げて目もつぶった気配に聞き分けがいいと感心する。
「あれが来てたのか?」
「はい、探しに」
ぴっと私に指をさす。
言葉を濁らすのはエヴ嬢への配慮だろう。
「供全員、引き連れて。招待もなく。あちらの最上上官三人とこちらはご指名で」
ジェラルド伯とロバート殿とベアード殿が対応したということか。
「指名?」
「顔と身分で選んでました。うちのエルフがこれです」
頭に手で二本の角を表した。
「呼ばれたのか」
それでスミスが怒ったと。
「かなりのおこっす。激おこ。でもさすが高位貴族。卒なく対応されてました」
あいつは貴族相手の方が評判はいい。
「すごいのはあちらのお二人っすよ。あの親子、何を言われても、どぎつい誘惑されてものらりくらりとかわして煙に巻いて、貴族ってあんな感じなんですかね」
「側にいたのか?」
それに驚きだ。
「給仕に掴まったっす。八つ当たりっす」
「ああ、そうか」
スミスに巻き込まれたか。
ラウルの側に置いておくのが悔しかったのだろう。
「おかげでほら、」
ぺらっと袖を捲った。
「身分が気にくわないそうです」
利き腕がかなり腫れていた。
「支障が出る怪我だ」
「ういっす。使いづらいっす。俺、庶民だけど専門部隊のエースっすよ?部隊の中で討伐一位。しかも水辺の大型討伐直前にこれっす。皆の目の前で。どうします?俺的に使える案件と思うんすけど?まだ俺ひとりじゃ軽いっすかね」
「正直、案件としては今一つ軽い。あちらのお二人か、うちの高位貴族の上官ならもっと揉めやすかった。だが、明日片付けよう。朝いちだ。うちの団員への無礼は許さない」
「エルフ先輩もさすがに俺に謝ってました。まあ、俺的に予想してたことなんすけどね。逆にラッキーかと」
「お前はそういう奴だ」
先に殴らせてやり返す性格をしてる。
自分に非がある状況をとことん嫌っている。
「あと副団長からの伝言っす。あちらも激おこで言質は取ったそうです。あっちも別に俺が可愛いからじゃないっすよ?討伐の腕っすね」
「ふ、可愛がられてるからな」
「あと、幸か不幸かちょうどいなかったんすよ」
また隠れて指をさす。
「いたら暴れてたかもってあちらの方々が青ざめてました」
「可愛がられてるからだ」
胸の中に視線を向けた。
リーグが殴られたと知ったら何をするか分からん。
四人に可愛がられてるのは両団、周知の事実だ。
エヴ嬢のお気に入りで、私と三人を含めて近寄ることを許された特別な団員。
アイドル扱いの彼らに気に入られたせいで自陣の奴らから多少妬まれているようだが、クレイン領団の奴らに好まれている。
四人に好かれる前から人格と戦闘のセンス、社交性が評価されていた。
領団の大半は体格が恵まれまれていない。
彼らはうちの団で最も小柄で若いリーグに共感を持つらしい。
「あと訂正だ。水辺に限定した討伐は俺を超してる。全団員の中で一位だ」
「へ?」
「専門部隊の一位なら必然的にそうだろうが」
あー、そうっすねと軽い返事が返ってきた。
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