蔑まれた令嬢の幸せ -少女は幸せを探して旅をする-

桜月 翠恋

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旅立ち

瞳の真実

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暫くの間、重く閉ざしてた口をシアンは開けた


「お前のその瞳。それは魔力が強い証だ」

「魔力が?そんなの、どの本にものっていなかったように感じるのですが…」

「冒険者の中では知られてることだよ。その瞳は一部では嫌煙されてるけど、俺らの中じゃみんな欲しがる目なんだ」


その言葉に先程の値踏みするような目を思い出す


「んで、その目を無理矢理奪う輩もいるんだよ」

「目を…奪う?」

「そう。目を」


そう言って自分の目をシアンは指さす


「相手を殺して瞳を自分のものにする奴らがいるんだよ」

「そんな…」


自分が殺された時を思い出し、何も言えなくなる
そうだ、最後に見た光景は刃物が目の方へと向かってくる……

そこまで思い出したところで吐き気がし、口を抑える


「胸糞悪い話だろ?高い魔力を生まれ持っただけで瞳を奪われる。その目に魔力が篭ってるかもわからないのにな」

「だが、その瞳を奪った奴らは殆ど全員強い力を手に入れている」


ダイさんの言葉にゾッとする
人を傷つけてまで私利私欲のために動く人たちがいるのか、と


「母さんがそうだったんだ」


シアンの言葉に耳を疑う


「…母さんは俺やアリアと同じ目をしていた。多分俺よりアリアに近かったと思う」

「私に?」

「赤みがかってるだろ?その赤が濃いほど魔力が強いんだ」


そっと私の目尻に触れるシアンの指…
怖くはなかったけれど
どこか悲しそうな瞳をしていた


「お前のほうが俺より濃い。母さんはほぼ赤かったんだよ」

「…ルーリナ…俺の奥さんはそういう奴らに殺されたんだ」


その言葉に全ての合点がいった

私を値踏みするような目をしてみていたのは
私が目を奪った奴らではないことを確認するため

そしてこの家が奥様の好みのままなのは……

そう考えたところで頬に涙がつたった


「あぁ、わりぃ、泣かせるつもりはなかったんだ。怖かったな」


シアンにポンポンと撫でられる
ダイさんのそれと違い少し不器用だけど温かさを感じた


「だからお前を見つけれてよかったよ」

「シアンと旅をしてくれるかい?嬢ちゃん」


二人の言葉に私は少し悩んでしまった
けれど


「魔法も…剣術もまだまだですが……そんな私でも力になれるなら連れて行ってくれますか?」


二人は二カッと笑い、当たり前だ、と言ってくれた


そしてその後、ご飯をいただきながら口調を少し治すように言われた


「お前いいとこの出だろ?」

「な、なんでわかったんでしょうか」

「喋り方だ。冒険行くんならなおしとけ。変なやつにタカられるぞ」


シアンは少し口が悪いけど優しい人だった

そしてお部屋をかり、ベットに横になると棚に三人で写っている写真が飾ってあった
それは魔法で念写したものだろうか?

ダイさんの肩を引き寄せ、小さなシアンを抱きしめて嬉しそうに笑っている女性…

彼女が奥様なのだろうか?

そんなことを考えながら、私はそっと目を閉じた

明日からの準備に心を踊らせながら…
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