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出会い(大和)
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今日の会談は本来組長が行くべきものだろ。
そう思いながらも鈴仙会 綺堂組 若頭の柊 大和は幼馴染である綺堂組 組長のいきなりの仕事丸投げにも慣れたものでとりあえずため息を吐く。
「兄貴、着きました。」
若頭補佐である椎名の声で気持ちを切り替え、会談の方に集中しようと車から降りる。
会談場所は綺堂組が古くからお世話になっている
老舗料亭 もみじ
鈴仙会の会長であり、綺堂組の先代組長からの付き合いで度々、会合や密会などで利用させてもらっている。
「お待ちしておりました、柊様。お連れ様はすでに お着きですよ。」
そう、女将に話しかけられた。
「いつも、場所の提供をありがとうございます。」
仕事用の丁寧な言葉遣いで返事する。
「いえいえ、こちらこそいつもご利用いただきありがとうございます。綺堂さんはお元気ですか。
本日はおいでになると思っておりましたが。」
あらかじめ、組長である綺堂が来ると事前に連絡を入れていたのでそう言われ、俺は申し訳ないと女将に言った。
「すみません、綺堂は所用があり、急遽、代わりに私が来ることになったもので連絡ができませんでした。」
「そうでしたか、綺堂さんもお忙しいですものね。」
と女将が言ったが組長であり、幼馴染であるあいつの性格を知っている俺としては単に今日の会談は俺に丸投げしてもいけるのではと思い立ち、実際に俺に丸投げしただけだと考えている。
あいつの気分屋的行動はいつものことであるため、もう諦めている。
それでも、組長としてしなければいけない仕事や組のことは家族のように思っているのでまぁ、いいかと考えている。
それにあいつは頭はいいから本当に自分でなければならない仕事は丸投げしたことはない。
また、あれでカリスマ的指導力があるので組のものに慕われている。
「それでは、お部屋にご案内しますね。」
と女将に案内され、部屋へと向かう。
部屋へと案内される途中の廊下で黒いヘッドホン、黒いパーカー、そして首元には白いチョーカーを嵌めた青年とすれ違う。
老舗料亭にその姿はひどくあってないと思った。
青年は一瞬こちらを見てからそのまま玄関へと歩いて言った。
あまりに印象的だったので女将に
「あのような客もいるんですね」
と話しかけた。
「えぇ、そうなんですよ。最近はSNSなどインターネットが盛んでしょ。どなたかがネットでうちの店を紹介してくださり、若い方がちらほらご利用させるんですよ。」
と言われた。
老舗のため若い奴が気軽に入れるわけではないため、おおかた裕福な家庭の奴が親の金で利用でもしているのだろうと女将の言葉から判断する。
「それでは、お部屋はこちらになります。」
部屋に着いたのでこれからの会談に意識を集中することにした俺は部屋へと足を踏み入れた。
そう思いながらも鈴仙会 綺堂組 若頭の柊 大和は幼馴染である綺堂組 組長のいきなりの仕事丸投げにも慣れたものでとりあえずため息を吐く。
「兄貴、着きました。」
若頭補佐である椎名の声で気持ちを切り替え、会談の方に集中しようと車から降りる。
会談場所は綺堂組が古くからお世話になっている
老舗料亭 もみじ
鈴仙会の会長であり、綺堂組の先代組長からの付き合いで度々、会合や密会などで利用させてもらっている。
「お待ちしておりました、柊様。お連れ様はすでに お着きですよ。」
そう、女将に話しかけられた。
「いつも、場所の提供をありがとうございます。」
仕事用の丁寧な言葉遣いで返事する。
「いえいえ、こちらこそいつもご利用いただきありがとうございます。綺堂さんはお元気ですか。
本日はおいでになると思っておりましたが。」
あらかじめ、組長である綺堂が来ると事前に連絡を入れていたのでそう言われ、俺は申し訳ないと女将に言った。
「すみません、綺堂は所用があり、急遽、代わりに私が来ることになったもので連絡ができませんでした。」
「そうでしたか、綺堂さんもお忙しいですものね。」
と女将が言ったが組長であり、幼馴染であるあいつの性格を知っている俺としては単に今日の会談は俺に丸投げしてもいけるのではと思い立ち、実際に俺に丸投げしただけだと考えている。
あいつの気分屋的行動はいつものことであるため、もう諦めている。
それでも、組長としてしなければいけない仕事や組のことは家族のように思っているのでまぁ、いいかと考えている。
それにあいつは頭はいいから本当に自分でなければならない仕事は丸投げしたことはない。
また、あれでカリスマ的指導力があるので組のものに慕われている。
「それでは、お部屋にご案内しますね。」
と女将に案内され、部屋へと向かう。
部屋へと案内される途中の廊下で黒いヘッドホン、黒いパーカー、そして首元には白いチョーカーを嵌めた青年とすれ違う。
老舗料亭にその姿はひどくあってないと思った。
青年は一瞬こちらを見てからそのまま玄関へと歩いて言った。
あまりに印象的だったので女将に
「あのような客もいるんですね」
と話しかけた。
「えぇ、そうなんですよ。最近はSNSなどインターネットが盛んでしょ。どなたかがネットでうちの店を紹介してくださり、若い方がちらほらご利用させるんですよ。」
と言われた。
老舗のため若い奴が気軽に入れるわけではないため、おおかた裕福な家庭の奴が親の金で利用でもしているのだろうと女将の言葉から判断する。
「それでは、お部屋はこちらになります。」
部屋に着いたのでこれからの会談に意識を集中することにした俺は部屋へと足を踏み入れた。
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