俺の居場所

さくや

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出会い(大和)

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そいつの話しによると襲ってきた奴らは同じ鈴仙会の近衛組のものだという。

まぁ、近衛組の組長である近衛とうちの組長であるあいつはとても仲が悪く、ありえない話ではないと思った。

また、本当は組長である綺堂があの場に来る情報を得ていたため最初は綺堂を狙っていたという。
しかし、寸前になって組長である綺堂ではなく、俺が来ているという情報を得て、近衛の指示のもとターゲットを変更したらしい。

しかし、ここで疑問がでてくる。
気分屋のあいつが当日に変更したことをなぜ知ることができたのか。
とりあえず、もう少し聞いてみることにする。

「とりあえず、内容の成否はともかく。
なぜ、あんな突然の変更を知り得た。
その情報はどこからのものだ。
よく、すぐに正しいと判断できたな。」 

と聞くと

「確かにそんじゃそこらの情報ならオレだって信じない。でも、上の人たちがこの情報はあのナツメの情報だって言ってたんだ。」

「ナツメ、確かこっち側で最近話題になってる情報屋だな」

「あぁ、そいつの情報は高額だが金額に見合った確実性のあるものだという事は下っ端であるオレみたいな奴でも知ってるからな。」

確かに俺も情報屋のナツメの情報ならありえないこ
とではないと納得した。

「で、その情報屋のナツメはどんな奴だ。」

と一応聞いてみたが、案の定知らないという。
まぁ、下っ端だと言っているこいつが知っているわけないか。

会っているとしても組の組長もしくは幹部連中くらいだろう。
とりあえず、こいつのことは若い連中に任せることにする。

どうせ、トカゲの尻尾切りだろうしな。

「おい、こいつの処遇は任せるぞ」

そう言い、俺は手を振り、そいつにもう用はないと意思表示をする。
俺の行動でそいつを若い連中が連れて行こうとすると。
「おい、話が違うぞ!!
話したら見逃してくれるんじゃないのか!」

そう喚く奴に向けて俺は返事を返してやる。

「俺の言葉をちゃんと聞いていたか。
俺はあくまで検討すると言ったんだ。
そして、検討した結果がこれだ。わかったか。」


連れていかれながら何かいろいろ喚いているが俺は無視することにした。




さて、いろいろ情報を得ることができた。
情報をまとめようと思考を巡らせようとしたところ女将から話しを聞くよう頼んでいた椎名が部屋に入ってくる。

「兄貴、女将から話しを聞いたところあの中居については知らないそうです。
というか料亭の物置きから縛られた中居が見つかったので寸前で入れ替わったみたいです。」

なるほど、確かに寸前で入れ替われば女将や他の中居に気づかれる可能性は低くなるだろう。

「そうか、わかった。
こっちは差し向けた奴と情報源が分かった。
どうやら近衛組の差し金らしい。
情報源はあのナツメらしい。」

「そうですか。近衛組も随分思い切ったことをしましたね。しかも、あの情報屋のナツメから情報を買ってまで。かなり高かったでしょうね。」

「だな、失敗してるから損しかしてないしな。
だが、同じ鈴仙会の組どうしが内輪で揉めるのは問題だが決定的な物証がないからこれ以上はどうにもできないのが腹立たしい限りだ。」

とりあえず、組長であるあいつに今回のことを報告することにする。
報告したあとのあいつの反応が想像でき、憂鬱な気分になった。
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