俺の居場所

さくや

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囲い人(大和)

#25

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こいつはまるで俺をからかうのを生きがいにしていようで何かあるたびにこうして揶揄ってくる。

「確かに、襲撃されたのは俺だが。狙われたのはおまえなんだぞ。
しかも、まだあきらめたわけじゃねぇ。
奴らまた仕掛けてくるぞ。」

「だろうなぁ~。あいつしつこそうだもんなぁ~」
ほんと、人ごとのような物言いだな。こいつ。

「まぁな。ただ、頼りの情報屋からの情報が手に入らなくて足踏みしている状態なんだろうな。闇雲に仕掛けたところで成功しないことなんてわかりきってるだろうし、それくらい奴らだって理解してんだろ。」

ナツメを囲い込んだときちょうど奴らは依頼していたからな。あれから1ヶ月、肝心のナツメからの情報はない。そんな状態では、襲撃はありえないだろう。やけくそで鉄砲玉を送り込むくらいはするかもしれねぇが。

「あぁ~、情報屋で思い出したが大和、おまえ例の情報屋 イロとしてかこってんだってなぁ~。
しかも、男。さんざん、俺のこと理解できねぇー。とか言ってやがったのになぁ。
バカにしてた俺と同じになった気分はどうよ?」

ニヤニヤしながら俺の反応を確認するように話しかけてくる。

「別に俺はおまえと違って複数関係をもってるわけじゃねぇ。男が良くなった訳じゃなく、ナツメだから欲しいんだよ。断じて、おまえと一緒じゃねぇからな!」

宣言しておかないとこいつは調子にのるからな。
そこだけは、はっきりさせておく。

すると、上総の奴は
「そうかぁ?そいつだけしか抱いたことないんだろ?なら、他の奴だってイケるかもしれねぇじゃねぇか。試してみろよ!」

「断る!俺はおまえみたいに節操なしじゃない!」

俺はナツメの奴がいいんだよ!断じて、男全般に寛容になったわけではない。
そう、俺が断言すると
側に控えていた相模の奴が
「そうですか?若も十分節操なくヤッていたような気がしますが…」
といらんことを言う。

俺は相模を睨み、黙っていろと視線で訴える。
「だよなぁ~。俺とおまえ、大差ないよな。」
と相模のいらん言葉にその通りだと言わんばかりの発言をする。
「しかし、大和。
おまえが1人の奴に執着をみせるなんて初めてじゃねぇか?
おまえとの付き合いは長いが今まで誰か特定の奴をイロとして囲ったことなんてないだろ。」

自分でもそれはわかっている。
なぜこんなにナツメのことが気に入ったのかはわからない。
だが、あいつは俺のものだ。
絶対に離さないという想いは日々強くなっていく。


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