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囲い人(大和)
#27
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「お疲れ様です。若。
ご連絡ありがとうございました。
こちら回収させていただきますね。」
上総の奴に向けていた笑みのままこちらに声をかけてくる。
その顔のままこっちをみるな……
過去、上総とバカやって幹の説教を受けたときのことを思い出すから……
「あぁ、頼む……」
俺はそれだけ言うが
「おい!ちょっとまて!俺は荷物かなんかか!!」
上総が抗議の声を上げる。だが、それは悪手だ。
俺たちが……
というか幹に口で勝てるわけがない。
昔から負かされ続けいるんだからこれ以上、怒らすな。説教が増えるぞ……
「ほぉ。ものじゃないなら考える頭はもっていますよね?
あなたには学習能力というものはないんですかね?
何度も言ってますよね?
毎回、あなたを探しまわるこちらの苦労も理解してほしいのですが。どうです?」
ほら、増えたじゃねぇか……
まだ言い足りなさそうだがとりあえずはひきあげるようだ。たぶん、この後まだ続くんだろうな…
心の中で上総に合掌しておく……
「それでは、組長。行きますよ。」
上総の奴の襟首をつかみ、引きずるように連れて行こうとする。
「おい、待て待て、ひっぱるな!!」
「なら、ちゃんと歩いてください。いっておきますが逃げようなどとしないでくださいよ。」
「わぁってるよ!ほら行くぞ!」
どうやらおとなしくひきあげるようだ。
「まったく、最初からそうしてください。
それでは若、我々は失礼します。ゆっくり、世間話などもしたいですが組長を連れ帰らなければならないので。」
「あぁ、悪かったな呼びつけて。上総のこと頼むな、幹。」
「えぇ、わかっていますよ。あなたもいろいろあるでしょうからおきおつけて大和さん。」
俺が若頭になる前はよく呼んでいた方の呼び方で呼ばれ、少し驚くも分かったという意味を込め、手を振っておく。
「おい、いくぞ!幹久!」
上総に呼ばれ、一礼し、後を追う。
組長が帰るということで椎名兄弟は頭を下げ、見送る。
俺はようやく嵐が去っていくと思い、一服しようとタバコを取り出そうと懐を探る。
そんな、俺に上総の奴が顔だけ振り返り
「大和!おまえの囲っている情報屋のことは俺の意見も含め、ちゃんと検討しとけよ!!」
そう言って幹の奴を引き連れ、部屋から出て行った。
ご連絡ありがとうございました。
こちら回収させていただきますね。」
上総の奴に向けていた笑みのままこちらに声をかけてくる。
その顔のままこっちをみるな……
過去、上総とバカやって幹の説教を受けたときのことを思い出すから……
「あぁ、頼む……」
俺はそれだけ言うが
「おい!ちょっとまて!俺は荷物かなんかか!!」
上総が抗議の声を上げる。だが、それは悪手だ。
俺たちが……
というか幹に口で勝てるわけがない。
昔から負かされ続けいるんだからこれ以上、怒らすな。説教が増えるぞ……
「ほぉ。ものじゃないなら考える頭はもっていますよね?
あなたには学習能力というものはないんですかね?
何度も言ってますよね?
毎回、あなたを探しまわるこちらの苦労も理解してほしいのですが。どうです?」
ほら、増えたじゃねぇか……
まだ言い足りなさそうだがとりあえずはひきあげるようだ。たぶん、この後まだ続くんだろうな…
心の中で上総に合掌しておく……
「それでは、組長。行きますよ。」
上総の奴の襟首をつかみ、引きずるように連れて行こうとする。
「おい、待て待て、ひっぱるな!!」
「なら、ちゃんと歩いてください。いっておきますが逃げようなどとしないでくださいよ。」
「わぁってるよ!ほら行くぞ!」
どうやらおとなしくひきあげるようだ。
「まったく、最初からそうしてください。
それでは若、我々は失礼します。ゆっくり、世間話などもしたいですが組長を連れ帰らなければならないので。」
「あぁ、悪かったな呼びつけて。上総のこと頼むな、幹。」
「えぇ、わかっていますよ。あなたもいろいろあるでしょうからおきおつけて大和さん。」
俺が若頭になる前はよく呼んでいた方の呼び方で呼ばれ、少し驚くも分かったという意味を込め、手を振っておく。
「おい、いくぞ!幹久!」
上総に呼ばれ、一礼し、後を追う。
組長が帰るということで椎名兄弟は頭を下げ、見送る。
俺はようやく嵐が去っていくと思い、一服しようとタバコを取り出そうと懐を探る。
そんな、俺に上総の奴が顔だけ振り返り
「大和!おまえの囲っている情報屋のことは俺の意見も含め、ちゃんと検討しとけよ!!」
そう言って幹の奴を引き連れ、部屋から出て行った。
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