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第1章 追放
自分考察
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なんか、温かい。
いつもは肌寒いくらいなのに、今朝はなんか、温かくて心地いい。
あれ?
既視感が・・・
目の端に白くてふわふわしたものが見える。
温かいのはありがたいけど、昨日笑いすぎたせいか、腹筋が痛くて、なんか・・・腹立つ。
あの後、ケットシーさんと眠くなるまでたくさんお話をして、大笑いをしたのだ。
・・・んんっ?
私って、腹立つとか、ざまあみろとか考える性格だっけ?
違う。
私には性格なんてなかった。
個性を持つことなんて許されなかった。
前世の私は、異世界転生の物語に出会うまで、喜怒哀楽も、心が動くことも、なかった。
毎日お腹が空いていただけ。
意味もなく、生にしがみついていただけだった。
そっか。
今、私の心は自由なんだ。
感じて、思って、笑って、怒って、泣いて、嬉しくなって・・・いいんだ。
驚くほど涙があふれた。
でも私はまだ生後数日の赤ん坊。
どうすることもできない。
ふわりと温かい風が吹いた。
あふれ続ける涙が、光の粒になって、消えていく。
『我は風魔法が得意なのだよ。』
大福の魔法だった。
良いところあるじゃない。
(あのね、私、コレクターなんだ。コレクターって分かる?収集家って意味なんだよ。それでね、創造神様に、特別な収納をいただいたの。目が見えるようになったら、いろいろなものを収納する練習がしたいなぁ。それから収納の中に条件付きの亜空間部屋をたくさん作りたいの。早く目が見えるようにならないかなぁ。)
『収納か。転生者に与えられる【神の恵み】だな。収納するだけなら、我が運べるものであれば、持ってきてやるぞ。手で触れられるところに置けば収納できよう。』
(あ、触れる必要はないの。創造神様にお願いして、任意の場所に任意の形の魔方陣を、任意の時間展開して収納できるようにしていただいたの。それにね、生きている動物も収納できるんだよ、条件付きだけど。良いでしょ。)
『っ!(伝説は事実であったのか?まさか、まさかこの小娘が・・・いや、断定するにはまだ早い。)』
(大福、どうしたの?)
『?・・・なんだ、その大福というのは。』
(あなた、しゃべる大福にしか見えないんだもの。)
『其方、失礼なことを考えているな。』
(失礼なことじゃないよ。大福って、甘くてね、すごく美味しいんだって。私は食べたことないんけど、見たことはあるの。まるくて、白くて、ふわふわで柔らかそうで、あなたにそっくりだった。)
『ふむ。まあいいだろう。我は名前を持ったことがない。好きに呼ぶがよい。』
(本当?本当にいいの?もう、ずっと大福って呼んじゃうよ?)
『よいよい。精霊に二言はない。』
(ありがとう!ねぇ、大福。収納の練習に付き合ってくれる?魔方陣を球状に展開して大きさを変えていって、どこまで収納できるか試してみたいの。)
『手伝うのはやぶさかではないがな。其方、特定のものを、思う通りに収納できるのか?昨日展開した魔方陣は、魔方陣に触れたものすべてを収納してしまいそうだったぞ。昨日の魔法陣は外からの攻撃のみを収納しようとしたものであったようだが、物を収納するために広範囲で魔法陣を展開して、この部屋の床や壁、家具は大丈夫か?』
・・・・・・大丈夫じゃありません。
いつもは肌寒いくらいなのに、今朝はなんか、温かくて心地いい。
あれ?
既視感が・・・
目の端に白くてふわふわしたものが見える。
温かいのはありがたいけど、昨日笑いすぎたせいか、腹筋が痛くて、なんか・・・腹立つ。
あの後、ケットシーさんと眠くなるまでたくさんお話をして、大笑いをしたのだ。
・・・んんっ?
私って、腹立つとか、ざまあみろとか考える性格だっけ?
違う。
私には性格なんてなかった。
個性を持つことなんて許されなかった。
前世の私は、異世界転生の物語に出会うまで、喜怒哀楽も、心が動くことも、なかった。
毎日お腹が空いていただけ。
意味もなく、生にしがみついていただけだった。
そっか。
今、私の心は自由なんだ。
感じて、思って、笑って、怒って、泣いて、嬉しくなって・・・いいんだ。
驚くほど涙があふれた。
でも私はまだ生後数日の赤ん坊。
どうすることもできない。
ふわりと温かい風が吹いた。
あふれ続ける涙が、光の粒になって、消えていく。
『我は風魔法が得意なのだよ。』
大福の魔法だった。
良いところあるじゃない。
(あのね、私、コレクターなんだ。コレクターって分かる?収集家って意味なんだよ。それでね、創造神様に、特別な収納をいただいたの。目が見えるようになったら、いろいろなものを収納する練習がしたいなぁ。それから収納の中に条件付きの亜空間部屋をたくさん作りたいの。早く目が見えるようにならないかなぁ。)
『収納か。転生者に与えられる【神の恵み】だな。収納するだけなら、我が運べるものであれば、持ってきてやるぞ。手で触れられるところに置けば収納できよう。』
(あ、触れる必要はないの。創造神様にお願いして、任意の場所に任意の形の魔方陣を、任意の時間展開して収納できるようにしていただいたの。それにね、生きている動物も収納できるんだよ、条件付きだけど。良いでしょ。)
『っ!(伝説は事実であったのか?まさか、まさかこの小娘が・・・いや、断定するにはまだ早い。)』
(大福、どうしたの?)
『?・・・なんだ、その大福というのは。』
(あなた、しゃべる大福にしか見えないんだもの。)
『其方、失礼なことを考えているな。』
(失礼なことじゃないよ。大福って、甘くてね、すごく美味しいんだって。私は食べたことないんけど、見たことはあるの。まるくて、白くて、ふわふわで柔らかそうで、あなたにそっくりだった。)
『ふむ。まあいいだろう。我は名前を持ったことがない。好きに呼ぶがよい。』
(本当?本当にいいの?もう、ずっと大福って呼んじゃうよ?)
『よいよい。精霊に二言はない。』
(ありがとう!ねぇ、大福。収納の練習に付き合ってくれる?魔方陣を球状に展開して大きさを変えていって、どこまで収納できるか試してみたいの。)
『手伝うのはやぶさかではないがな。其方、特定のものを、思う通りに収納できるのか?昨日展開した魔方陣は、魔方陣に触れたものすべてを収納してしまいそうだったぞ。昨日の魔法陣は外からの攻撃のみを収納しようとしたものであったようだが、物を収納するために広範囲で魔法陣を展開して、この部屋の床や壁、家具は大丈夫か?』
・・・・・・大丈夫じゃありません。
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