収納持ちのコレクターは、仲間と幸せに暮らしたい。~スキルがなくて追放された自称「か弱い女の子」の元辺境伯令嬢。実は無自覚チートで世界最強⁉~

SHEILA

文字の大きさ
20 / 20
第1章 追放

初めてのレベルアップ

しおりを挟む
1歳の誕生日が過ぎた頃、大福の風魔法を収納し続けた私の収納は、レベル2になった。

初めてのレベルアップ。
一年が長いのか短いのか、比較対象が無いので分からない。

収納を使い始めてから、毎日ステータスを確認するのが日課になっていた。
(レベルアップ後8日以内に1回だけカスタマイズor機能追加可能)とステータスに記載があったけれど、アラート機能のようなものはなさそうだったので、チャンスを逃さないよう、朝目が覚めると確認するようにしていたのだ。

収納された風魔法は、暑い夏の日々に魔法陣から排出させて、扇風機のように使わせてもらった。
収納した魔法が再利用できることに気付けたのは、本当に僥倖だった。
この世界の夏は、暑かった。
それなのにエアコンも扇風機もない。
温度調節はできないままの扇風機もどきだったけれど、大福の風魔法が無かったら、夏中私の体は汗疹だらけだったと思う。

目が見えるようになってからも、ほぼ風魔法だけを収納していた。
なぜ風魔法ばかり収納していたのかというと・・・

魔方陣を展開して収納をする私の収納は、任意の物を収納することが難しかった。

任意の大きさ、任意の形の魔法陣が展開できても、空中でもない限り、不要なものに触れてしまい、一緒に収納してしまうのだ。
収納してから不要なものを取り出すことはできるが、家の中で行うとなにかが壊れる。

壁が剥がれる。
床が抉れる。

最初にレベルアップしたら、絶対に任意の物を収納できるようにしたいと思っていたのだけれど、優先順位が変わった。

可視化されてしまう私の魔方陣を、見られてしまったのだ。

私が魔方陣を展開している時に、私担当の新しい使用人が、ノックをしないでいきなりドアを開けた。

実は先日、エマが解雇された。
以外に高かったエマの報酬に気付いた父からカトレアに、クレームが入ったのだ。金遣いが荒すぎると。
まだこの家の実権を握りたいと思っているカトレアは、素直に従い、エマとエルを解雇した。
そして次に雇ったのが、この使用人。
特出した能力のない、ただのスパイだ。

私が赤ん坊だと思って、この使用人はやりたい放題、サボりたい放題だった。
その使用人に魔方陣を見られた。
すぐに消したので、使用人はガラスに当たった太陽の光のせいだと思ったようで、すぐにカーテンを閉めた。
そして、掃除をしないで部屋から出て行った。
冷や汗が流れた。
以来、大福がいない時には、魔方陣は展開していない。
大福は強い魔力を持ち、精霊に好かれた人にしか見えないので、この家の人間で気付ける者はいなかった。

「さいちょのレヴェウアウであ、いうのうのまおうじんおふかいにいたいとおもいまひゅ。(最初のレベルアップは、収納の魔法陣を不可視にしたいと思います。)」

大福はベッドの上で丸まっている。

「では、今しばらくは怪奇現象が続くのだな。」

そうなのだ。
人の気配がない時に、大福に付き添ってもらって家の中をハイハイしながら探索しつつ、収納の練習をしていたのだけれど、私が失敗しすぎて、あちこちで壁や床や天井や家具等を破壊したため、ついにこの家も呪われたか、と言われて始めているのだ。
父が家を継いでから、徐々に衰退している家なので、この類の噂は立ちやすい。

「いまたらでちゅ。そえにはかいしてうのは、わたちだけにゃありましぇん。(今更です。それに破壊してるのは、私だけじゃありません。)」

兄姉達もたまに、寝ぼけて魔法を発動してしまうことがあるのだ。

「えあ!(では!)」

(魔法陣を私以外には不可視にしてください!)

『はいは~い。了解です~。』

間延びした返事が返ってきた。

「!?!?!?!?!?」

目の前にリストを表示するときのスクリーンが現れ、その中を羽の生えた小さな妖精のような女の子が飛び回っている。

『やっと会えました~。マスタ~、私はAIちゃんです~。以後よろしくお願いしますです~。』

(・・・あ、初めましてです。よろしくお願いします。)

今まで存在しなかったから、このお願いは聞いてもらえなかったと思っていた。

一瞬呆けてしまい、最初の挨拶が固くなってしまった。

(嬉しい!可愛い!)

『わたしはこのスクリーンと収納の中でしか存在できませんが~、呼んでいただければいつでもスクリーンごとですが、馳せ参じます~。』
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

神獣転生のはずが半神半人になれたので世界を歩き回って第二人生を楽しみます~

御峰。
ファンタジー
不遇な職場で働いていた神楽湊はリフレッシュのため山に登ったのだが、石に躓いてしまい転げ落ちて異世界転生を果たす事となった。 異世界転生を果たした神楽湊だったが…………朱雀の卵!? どうやら神獣に生まれ変わったようだ……。 前世で人だった記憶があり、新しい人生も人として行きたいと願った湊は、進化の選択肢から『半神半人(デミゴット)』を選択する。 神獣朱雀エインフェリアの息子として生まれた湊は、名前アルマを与えられ、妹クレアと弟ルークとともに育つ事となる。 朱雀との生活を楽しんでいたアルマだったが、母エインフェリアの死と「世界を見て回ってほしい」という頼みにより、妹弟と共に旅に出る事を決意する。 そうしてアルマは新しい第二の人生を歩き始めたのである。 究極スキル『道しるべ』を使い、地図を埋めつつ、色んな種族の街に行っては美味しいモノを食べたり、時には自然から採れたての素材で料理をしたりと自由を満喫しながらも、色んな事件に巻き込まれていくのであった。

義妹がピンク色の髪をしています

ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。

親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました

空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。 平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。 どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。

出来損ないと追放された俺、神様から貰った『絶対農域』スキルで農業始めたら、奇跡の作物が育ちすぎて聖女様や女騎士、王族まで押しかけてきた

黒崎隼人
ファンタジー
★☆★完結保証★☆☆ 毎日朝7時更新! 「お前のような魔力無しの出来損ないは、もはや我が家の者ではない!」 過労死した俺が転生したのは、魔力が全ての貴族社会で『出来損ない』と蔑まれる三男、カイ。実家から追放され、与えられたのは魔物も寄り付かない不毛の荒れ地だった。 絶望の淵で手にしたのは、神様からの贈り物『絶対農域(ゴッド・フィールド)』というチートスキル! どんな作物も一瞬で育ち、その実は奇跡の効果を発揮する!? 伝説のもふもふ聖獣を相棒に、気ままな農業スローライフを始めようとしただけなのに…「このトマト、聖水以上の治癒効果が!?」「彼の作る小麦を食べたらレベルが上がった!」なんて噂が広まって、聖女様や女騎士、果ては王族までが俺の畑に押しかけてきて――!? 追放した実家が手のひらを返してきても、もう遅い! 最強農業スキルで辺境から世界を救う!? 爽快成り上がりファンタジー、ここに開幕!

処理中です...