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パーティーでの日常

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パーティーに入ってから、ボルトたちより6歳も年下で闘えない僕の得られるお金はわずかだった。
ほとんど僕一人が薬草を採取していた時もだ。

「俺たちが守ってやっているから、お前は薬草が採取できるんだぞ。」

そう言われた。
それでも村にいた時よりは食べることができ、誰も頼る人がいない僕は、耐えるしかなかった。

パーティーは結成当初から、パーティーハウスを持っていた。

初めての依頼料で、食べ物を買って帰った。
すべて取り上げられて食べられてしまった。
3度同じことをされてから、食べることは外で済ませることに決めた。

食事は各自取る。
みんなで食事を取るのは、依頼で野営をする時だけだ。

休みが多いパーティーなので、僕は休日には採取をして稼ぐ。

お金を貯めるために部屋に置いておくと、すぐなくなる。
ボルトたちが盗んでいるのは明白だったが、話しても無駄だと分かっていたので、対策を考えることにした。

僕は食べられる分だけしか、稼がなくなった。

後から知ったことだけれど、ギルドがボルトたちと結託して、僕に預かり金の制度があることを知らせなかった。

カリアと結婚の約束をして、カリアにお金を貯めなきゃ、貧乏は嫌よと言われて、初めて預かり金のことを彼女から教えてもらった。

魔物の素材や鉱石、薬草は商業ギルドでも買ってもらえるのだけれど、相場が変動しやすいため、安定した金額が得られる冒険者ギルドを好む冒険者がほとんどだった。
まあ、冒険者ギルドと仲の悪い商業ギルドに素材を持って行くなど、冒険者ギルドの心象を悪くしていろいろ不利になるだけだから、持って行く人がいないんだけどね。

商業ギルドにも預かり金制度があることを知った僕は、それからは薬草の9割を商業ギルドに持って行き、すべてのお金を預かってもらうようになった。

残り1割を冒険者ギルドに持って行き、食べる分を除いたわずかなお金を預ける。

それまでも食べるぎりぎりのお金が得られる分しか納品してこなかったので、結婚に浮かれて無理をしている馬鹿なやつ、くらいに思われていたと思う。

冒険者ギルドの預かり金も、いつのまにか無くなっていた。

冒険者のタグは本人の血液を使って登録をするため、本人確認は厳しくて確実で、本来であれば他人がお金を引き出すことは不可能だ。

そう、オルグストンの冒険者ギルドが不正をしているということだ。

商業ギルドへ納品していることやお金を預けていることは、カリアにも秘密だった。
教えようとすると、嫌なモノトーンの未来が視えたのだ。
この時の僕はまだカリアを信じていて、なぜこんな予知を視るのかが不思議だった。

商業ギルドと冒険者ギルドは本当に仲が悪く、町の両端に位置していた。

そんな僕と違って、ボルトたち3人はとても羽振りが良かった。
パーティーの休日が多いのは、昔から懇意にしている貴族の依頼を3人で受けているからと、得意そうに話していた。
休日になると、マルクは他のパーティーと臨時でパーティーを組みダンジョンへ潜り、カリアは教会と孤児院の手伝いをして、お金を稼いでいることが多かった。
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