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スワロフという男
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仁緒に初めて出会ったあの日、三人にあれやこれやと品定めされるが主印はその場では付けられなかった。スワロフはいずれ付けようとは思ってはいたが仁緒を観察してからにしようと思った。だが、思わぬ方向で付けざる得ない状況になる。
着ていた服は全て破れかれてしまい、悪魔たちに怯えるも主印は一時保留にするといったスワロフ。用意された黒いシャツに黒いパンツに着替えた。
豪華な扉の部屋と真逆に位置するのが仁緒の部屋でスワロフの寝室の隣。
何かあれば声をかけてくれと言われたが広く豪華な部屋は仁緒を不安にさせた。
ベッドに体を沈めどうしたらいいか考えたのだが思い付かず知らないうちに寝てしまった。
何かモサモサした毛が当たり何となく触わる。
パシパシ体に当たる。
なんだよ…
「うわ!」
ベッドの横に通せんぼするように大きな犬が横になって寝ていた。そっとベッドから離れようとしたらミシっと音が鳴る。犬に耳もピクリとなった。
ゆっくりドアを開け部屋から出ようとしたら後ろからのし掛かってきた!
「うわあ!!やめろ!!」
肩に爪が食い込み大きな口が首を半分噛んでいた。体重差があり押さえ込まれて逃げれない。
ぐっ…痛い。重い
うっっ…無理だ食い殺される
「ディーやめろ」
スワロフの声がするとパッと仁緒を離し後退りした。倒れる仁緒に近づき抱き抱える。
「ニオ、大丈夫か?」
全然大丈夫じゃない
体が動かない、返事もしたくない
うぅ……涙が勝手にでる
もう、いい
このまま死んだ方がましだ…
「ディーも悪気があったわけじゃない。俺の命令がうまく伝わってなかった」
ぐったりする仁緒は返事もしない。涙を流し目も開けないで肩と首から大量の血を流していた。
「ん、ニオ?」
心臓に耳を当てると動いてはいるがいつもより小さい気がする。どうして良いかわからず二人を呼んだ。
「ニオはどうなる?」
「死ぬと思います」
「だろうな」
「わかってる」
「なら、何ですか?」
「助けるべきか?」
「自分で考えろ」
スワロフは数百年振りの来客が住人になり嬉しかった。それが今、虫の息になっている。
いろいろ考えるがよくわからない感情がでてくる。
あんなに楽しい思いをした日が明日から無くなり仁緒も失うと思うと何とも言えない気持ちになった。
「また、会えるか?」
「それは、いずれ誰かは来ると思いますよ」
「だが、ニオは多分最後だな」
これは、ニオがいるから楽しいのか誰か来たから楽しいのかスワロフは考える。
「次のを待てばいいんじゃないですか?」
「まぁ、それが楽だな」
「あ、丁度誰か来たみたいですよ?」
「珍しいな」
「あっそ」
「いいんですか?」
「客人だぞ!」
全く心が動かない
誰か来たのに興味がない
仁緒が冷たくなる
何かに気がつくとニオを抱え金の扉へ一瞬にして移動した。仁緒をゆっくり床に下ろす。
「モノ!オクタ!」
「「はい」」
自分の右腕を引っ掻き血を流しながらニオを囲うように魔方陣を書く。
「ロウソク!!火!!」
「地下じゃないと」
「間に合わん!!」
両手に自分の血を付け腰にある短剣を自分の心臓に刺した。モノゴとオクタはロウソクと火を用意した。
「できたか!」
「「はい!」」
呪文を唱え仁緒の体の前に手をつく。
「主印がまだです!」
「同時にする!!」
魔方陣が光る。
血濡れた手で仁緒の頬を触り自分の唇と仁緒の唇を合わせた。
舌で口をこじ開け仁緒と自分の舌同士を合わせ主印を刻む。その後もひたすら舌を絡ませた。
周りは部屋の中なのに嵐のように渦をまく。
「ニオ、戻ってこい」
唇を離すと短剣から血が滴り仁緒に落ちる。
「髪!!」
オクタがスワロフの髪を切り落とした。
落ちると同時に青く光り燃え消えた。
一気に魔方陣が強く光る。
館が地響きを起こすと光が仁緒に吸い込まれていった。
「ニオ…ニオ…」
優しくスワロフが話しかける。
短剣を胸から抜きとる。
ぼとぼとと血が落ちる。
心臓に耳を当てるとわずかだが動きだした。
体温も上がってきたがまだ反応はない。
心の奥に話しかける
【ニオ…戻っておいで】
【……ニオ…】
【ニオ…俺の名前を】
ゆっくりと目が開く
「す…スワ…ロフ…」
「ニオ…すまなかった」
仁緒もスワロフもその場で力尽きた。
着ていた服は全て破れかれてしまい、悪魔たちに怯えるも主印は一時保留にするといったスワロフ。用意された黒いシャツに黒いパンツに着替えた。
豪華な扉の部屋と真逆に位置するのが仁緒の部屋でスワロフの寝室の隣。
何かあれば声をかけてくれと言われたが広く豪華な部屋は仁緒を不安にさせた。
ベッドに体を沈めどうしたらいいか考えたのだが思い付かず知らないうちに寝てしまった。
何かモサモサした毛が当たり何となく触わる。
パシパシ体に当たる。
なんだよ…
「うわ!」
ベッドの横に通せんぼするように大きな犬が横になって寝ていた。そっとベッドから離れようとしたらミシっと音が鳴る。犬に耳もピクリとなった。
ゆっくりドアを開け部屋から出ようとしたら後ろからのし掛かってきた!
「うわあ!!やめろ!!」
肩に爪が食い込み大きな口が首を半分噛んでいた。体重差があり押さえ込まれて逃げれない。
ぐっ…痛い。重い
うっっ…無理だ食い殺される
「ディーやめろ」
スワロフの声がするとパッと仁緒を離し後退りした。倒れる仁緒に近づき抱き抱える。
「ニオ、大丈夫か?」
全然大丈夫じゃない
体が動かない、返事もしたくない
うぅ……涙が勝手にでる
もう、いい
このまま死んだ方がましだ…
「ディーも悪気があったわけじゃない。俺の命令がうまく伝わってなかった」
ぐったりする仁緒は返事もしない。涙を流し目も開けないで肩と首から大量の血を流していた。
「ん、ニオ?」
心臓に耳を当てると動いてはいるがいつもより小さい気がする。どうして良いかわからず二人を呼んだ。
「ニオはどうなる?」
「死ぬと思います」
「だろうな」
「わかってる」
「なら、何ですか?」
「助けるべきか?」
「自分で考えろ」
スワロフは数百年振りの来客が住人になり嬉しかった。それが今、虫の息になっている。
いろいろ考えるがよくわからない感情がでてくる。
あんなに楽しい思いをした日が明日から無くなり仁緒も失うと思うと何とも言えない気持ちになった。
「また、会えるか?」
「それは、いずれ誰かは来ると思いますよ」
「だが、ニオは多分最後だな」
これは、ニオがいるから楽しいのか誰か来たから楽しいのかスワロフは考える。
「次のを待てばいいんじゃないですか?」
「まぁ、それが楽だな」
「あ、丁度誰か来たみたいですよ?」
「珍しいな」
「あっそ」
「いいんですか?」
「客人だぞ!」
全く心が動かない
誰か来たのに興味がない
仁緒が冷たくなる
何かに気がつくとニオを抱え金の扉へ一瞬にして移動した。仁緒をゆっくり床に下ろす。
「モノ!オクタ!」
「「はい」」
自分の右腕を引っ掻き血を流しながらニオを囲うように魔方陣を書く。
「ロウソク!!火!!」
「地下じゃないと」
「間に合わん!!」
両手に自分の血を付け腰にある短剣を自分の心臓に刺した。モノゴとオクタはロウソクと火を用意した。
「できたか!」
「「はい!」」
呪文を唱え仁緒の体の前に手をつく。
「主印がまだです!」
「同時にする!!」
魔方陣が光る。
血濡れた手で仁緒の頬を触り自分の唇と仁緒の唇を合わせた。
舌で口をこじ開け仁緒と自分の舌同士を合わせ主印を刻む。その後もひたすら舌を絡ませた。
周りは部屋の中なのに嵐のように渦をまく。
「ニオ、戻ってこい」
唇を離すと短剣から血が滴り仁緒に落ちる。
「髪!!」
オクタがスワロフの髪を切り落とした。
落ちると同時に青く光り燃え消えた。
一気に魔方陣が強く光る。
館が地響きを起こすと光が仁緒に吸い込まれていった。
「ニオ…ニオ…」
優しくスワロフが話しかける。
短剣を胸から抜きとる。
ぼとぼとと血が落ちる。
心臓に耳を当てるとわずかだが動きだした。
体温も上がってきたがまだ反応はない。
心の奥に話しかける
【ニオ…戻っておいで】
【……ニオ…】
【ニオ…俺の名前を】
ゆっくりと目が開く
「す…スワ…ロフ…」
「ニオ…すまなかった」
仁緒もスワロフもその場で力尽きた。
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