モデルファミリー <完結済み>

MARU助

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ユグドリアの王子

31話:ワイドショー

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<真夏のミステリー!世良田一家は8人家族だった>

 つかさの書いたWEB記事は好評で、発表から3週間経った今でも人気記事のTOP5に君臨していた。
記事の内容もつかさが書いたにしては比較的良好なものだったため、元樹の狙い通り世良田一家の評判はうなぎのぼりとなった。
 そのおかげで<モデルファミリーとして前向きな別離>という記事が躍ることもなく、世良田一家はつかの間の平和を満喫していた。

 つかさ曰く、しばらくこの記事で釣って話題が落ちてきたところで、新しい記事を投下するということだった。
それまでに新しいネタがあれば交渉に応じます、と憎たらしい一言を付け加えて。




☆☆




――普通ならできないですよ、他人のお子さんを預かるなんて
――そうですね、この女の子は運よく世良田一家と出会えたから救われたんでしょう
――そもそもそんな小さな子供の不在に気付かないなんて、どんな生活環境だったんでしょう
――子どもの存在をないがしろにする親には、きっちり罰を与えなければなりません

 誠はアイスクリームをほおばりながら、お昼のワイドショーを眺めていた。
 横からあんこが飛びついてくるので、一口舐めさせてあげるつもりが、棒ごと奪い取られてしまう。

「あ、だめ」

 誠が制止する間もなく、あんこはリビングから飛び出して行ってしまった。

「棒は食べちゃダメだよー!」

恐らく理解できないであろう犬に向けて、言葉をかける。
誠がドタバタしている間にも、コメンテーターたちはあれやこれやと世良田一家の考察を進める。

――最近は子どもに関心のない親が増えています
――そうですね、そのせいで子どもは非行に走ってしまう。何よりも大切なのは親が子供に関心をもつことなんです
――ええ、そう思います。そういう意味において世良田一家は家族としてあるべき理想の姿だと思います
――自分の子供だけでなく、他人の子供にも愛情を注ぐ。昔の日本では当たり前の光景でしたけどね
――今は家族としての絆が薄れていってるんでしょう

 誠の瞳にテレビの映像が反射し、チカチカと輝く。
 誠は無言でテレビ画面に見入っていた。
 画面がCMに切り替わっても同じ姿勢のまま、テレビに目を向けたまま座っていた。
 その瞳には何も映っていない、何も見ていない。無気力、無関心そのものだった。
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