モデルファミリー <完結済み>

MARU助

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裏モデルファミリー

66話:背筋も凍る裏情報

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 公開されている日記はずいぶんたくさんあった。
 ちょうど過去1カ月分ほどを拾い読みしたが、どれもモデルファミリーとしてあるまじき姿だった。

 胸にパッドを詰めている美園、スッピンで眉毛のない栄子、ケンジとタキが悪魔のような笑みでへそくりの札束を数えている様子。
 元樹と勇治に関してはそういった日常の姿よりも、千秋とリンリンちゃんとのエピソードが激震だった。

「信じられん、どうしてあんな写真が。あれはプライベートでスマホにとった写真。誰にも見せたはずは……」

 そう言いかけた元樹は、ハッとしたようにつかさの後頭部を凝視し、

「貴様か!」

 と、後ろからその頭にかぶりついた。

「いで~! 何するんだ、離せ!」
「お前だな、うちの家の個人情報を垂れ流してる奴は! 人んちに勝手に上がりこんでこんな薄汚いマネしやがって!」
「何いってんだ。俺じゃない!」
「だったらお前の親父だろ! ハゲタカ記者め」

 さすがにこの言葉にカチンときたつかさ、

「誰がハゲタカ記者だ! 今の状況で俺の親父とあなたとどっちが低俗なのか考えてみろよ!」

 と言い放った。
 その全うな言葉に、元樹はハッとなってつかさの頭から離れる。
 と、同時に家族の冷め切った視線が一気に突き刺さった。

「な、なんだその目は」

 あせる元樹に対し、栄子は低い声で返した。

「お前こそ何なんだあの写真は」
「――――――」

 二の句が継げなくなった元樹をさらに睨み付けて、栄子はため息をつく。

「もう終わりよ、うちの家族は。こんな日記がネット上に公開されてたんならモデルファミリーなんて夢のまた夢。迷ってる暇ないわ、さっさと警察に連絡しましょ」

 そう言って、電話に手をかけた栄子を前に、勇治が冷静に状況を分析する。

「母さん、ちょっと待って。どう見てもこの日記は昨日今日公開されたもんじゃない。ずいぶん前から書かれてる。……ってことを考えると、もっと早くに大問題になっててもおかしくない」

 そう言って、つかさの横から腕を差し入れパソコンを操作し、キャラクターや人の顔が並んだ画面へと移動する。

「ここに並んでる<お友達>5人。この日記はこの5人しか閲覧できないようになってるんだ。この日記を書いてる奴がOKを出した奴しか見れないような仕組み。だから大事にならずにすんでるんだ。もしこれが誰にでも見れるように設定されてたら一巻の終わりだったよ」

 一番終わりなのはあんただよ、という棘を飲み込んで、美園は人の顔が並んだ画面を見る。
 どういう基準でこの5人が選ばれたのかよく分からないが、美園たちの裏情報をタイムリーに入手してバカにしているあくどい奴らなのだろう。
 数人はキャラクターだったり、動物の写真をプロフィール画像に設定しているが、一人だけ写真を公開している奴がいる。
 それをよくよく見てみると、どうもどこかで見たような顔で・・・・・・。

「……ってこれあんたじゃない!」

 つかさを指差す。
 紛れもなく、今パソコン画面に向かっている進藤つかさそのものの顔写真が、画面に並んでいた。
 つかさは悪びれた風もなく「そうだけど?」と頷く。

「なんであんたがここで出てくるわけ……っていうか、もしかしてあんたの情報源ってのはこの日記?」

 本当はばらしたくなかった、と大げさに肩を竦めたつかさだが、美園の言葉を暗に認めた。

「一体この日記を書いてる奴は誰なんだ! どこからうちの情報を仕入れてるんだ! そもそもなんでお前がこの日記を読めるんだ」

 元樹は自分の醜態を一旦端に置き、つかさと日記公開者を責め立てる。

「言っとくけど、向こうから接触してきたんだぜ。ある時俺のブログにメールが来て、どうぞこのページを見てください、と。で、興味半分で友達申請してみたらすんなり通って、出てきた画面がこれ、ってわけ」

 裏・モデルファミリー。

 本当にタイトルそのままがずばりだ。
 絶対に表に出してはいけないモデルファミリーの裏の部分。バッチリ化粧をしたお姉さんのすっぴん並にヤバイ内容だ。
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