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第一章
体育祭②
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体育祭の一日目が終わり、二日目のクラス団体戦が始まろうとしていたのだが………。
「お願い、冬霧君!大将やってくれないかな?」
いきなりのお願いに戸惑いや疑問が起きた。
「なんで俺なんだ?うちのクラスにAランクがいるだろ?そいつに頼めばいいじゃねぇか」
頼んできた、クラス委員長の栗原咲夜は答えづらそうに目を背けた。
すると代わりに圭人が答えてくれた。
「初めは頼んだけど、皆瞬輔の事を薦めたから。ほら、瞬輔昨日優勝しただろ?だから……」
つまり、自分よりも強い奴の方がいいだろう。そう言いたいんだろうな。
「分かった。やるよ大将」
「ありがとう!それじゃあ手続きしてくるね」
栗原咲夜が走って教室を出て行くと制服を軽く引っ張られる感覚があった。
引っ張られる方を見るとそこには絢香の姿が見えた。
「なんだよ?絢香」
「ねぇシュンちゃん、大将って何?」
おそらく、『シュンちゃん』に反応したのかクラスのほとんどが俺の周りに集まった。
「おい、冬霧。今の『シュンちゃん』ってなんだ?付き合ってるのか?」
すごい剣幕だ。ここは幼馴染みという事を言っておかないと後々面倒になりそうだ。
「お、落ち着けって海津!そんなんじゃないって!」
「じゃあなんなんだよ!」
「ただの幼馴染みだよ。なっ?」
春宮に振ると、彼女は頬を赤くして照れた素振りを見せた。
「違うじゃねぇか!」
「い、いや本当だって!圭人に聞いたら分かるから!」
次はもう一人の幼馴染みの大谷に振ったら………。
「えっ?そうなの?」
「冬霧、本当いい加減に白状しろ!」
「圭人!お前この状況楽しんでるだろ!」
もう、誤解を解くどころかややこしくなった。
これ以上やってもややこしくなるだけだと判断して、後でゆっくり誤解を解く事にした。
この話を聞いてきたのは、海津浩二。確かAランクの男だ。
「それより、なんでお前が大将やらなかったんだよ?」
「そりゃあ、あのタッグ戦に優勝した奴の方がいいだろう?春宮さんにやらせる訳にもいかないしな」
なるほど、筋は通ってる。
でも一つ問題がある。それは俺がSランクだという事だ。この事を知ったら皆は怒るやつもいれば悲しむ奴もいるだろう。
そこは回避しないといけない。
「皆、そろそろ団体戦始まるわよ!」
その報告を聞いた周りにいた奴らはゾロゾロと教室を後にした。
「さてと、早く終わらせるか……」
俺は小さな溜息を吐いて、席を立った。
「体育祭二日目、クラス団体戦が始まろうとしています!今年はどの学年が優勝するのか!」
学年ね……。このクラス団体戦は三つの学年とクラスで別々に優勝を決めていたが、今年からはその三つの学年を戦わせそのうちの優勝したクラスを決めるようになった。
「頑張ってくれよ、大将!」
いきなり背中を叩かれたので、驚いたが苦笑しながら振り向いた。
「なぁ、一回戦でやってみたい事があるんだがいいか?」
「好きにしなよ。ただし、やられないでよね!」
クラス委員長の栗原が許可をくれたので、速攻で終わらせる事にする。
「では、第一回戦二年六組対二年五組のクラス団体戦始め!」
「さて能力《瞬速》を発動し行動に移る」
(なんで、俺が大将なんだよ!)と内心思っていたが楽しんでいる面もあった。
深く深呼吸をして落ち着き敵を打ち破る事に専念した。
「冬霧流双剣術三式〝乱れ桜〟」
冬霧の姿が見えなくなったと思ったら、敵の大将の後ろに立っていた。
そして、両手に持っていた剣を鞘に戻すと敵全員の武器が砕け散った。
「試合終了!またもややってくれました、冬霧選手!昨日のトーナメント戦決勝で見せてくれた技を使い二年五組全員の武器を壊しました!」
言い方が大袈裟なんだよ。
確かに昨日の会長との戦いで使ったが、持ち出すなよ面倒だから。
そしてクラスの元へ戻ると、皆驚いているのか口を開けたまま固まっていた。
「なんで固まってんだ?お前ら」
「冬霧って、凄いんだな。正直何をしたのか分からなかった」
別に昨日の決勝見たんなら分かるだろう……。
ここは、教えないといけないのか?でも目が凄くキラキラしてるからな。教えるか。
「さっき使った〝乱れ桜〟は俺の持ってる《瞬速》を加える事によって広範囲に攻撃出来るんだよ」
すると、皆ポンッと手を叩いてなるほどと分かった素振りを見せた。
でも、この技がどこまで通用するか分からない。
なら次の試合からは、皆に紛れ込んで戦うしかないか。
「次は第二回戦二年六組対二年三組の団体戦始め!」
少しは休ませろよ!
「皆、行くぞ!」
「もちろんだ!」
こうして第二回戦が始まった。
そして、二・三・四組を倒していたが最後の一組に手間取ってしまった。
「皆、大丈夫か?」
「ああ、だが半分はやられた」
弓矢を使えるのは六人と魔法書を使えるのは四人に、ハンマーを使えるのは五人そして俺を入れて剣を使えるのが五人か。
やはりSランクは強い。
向こうの敵は大将を除いて全滅だが、その大将がSランクってのは予想外だ。
こりゃ、一騎打ちに賭けるしかないな。
「皆はここにいてくれ、俺が決着をつけてくる」
「そんな事させるわけ無いだろ!」
俺はその言葉に胸を打たれたのか、苦笑を返しながら振り返り頭を下げた。
「すまない皆。能力《神速》を発動し行動に移る」
「何を誤ってんだよ、行ってこい!」
圭人か、余計な気を使わせちまったな。
でも、ありがとう!
「やっと出てきたか、冬霧瞬輔!」
「待たせたな、海馬瀬人。決着をつけよう」
今は勝てるかどうかじゃない、勝つんだ。
その為にも、海馬を打つしかない!
「冬霧流双剣術一式〝胡蝶蘭〟」
「この技に砕けぬものなし〝星砕き〟」
両者が交差して技を使った後の結果は、冬霧が勝った。
冬霧の使った〝胡蝶蘭〟が海馬の使うハンマーの持ち手と腹の部分を斬ったが海馬の使った〝星砕き〟は冬霧の横腹に入りかけたが、当らずに終わった。
「……っ!負けたよ、冬霧瞬輔」
「お前も結構強かったぞ、海馬」
二人共仰向けになって寝転んだまま、呟いた。
「し、試合終了!クラス団体戦二年の部優勝は二年六組!またまたやってくれました冬霧選手!」
さすがに、連続で試合すんのは疲れるな。それに次の相手は生徒会長がいるクラスだ、勝てる気がしない。
「えー、最後の試合は午後四時からとしますので選手の皆さんはそれまでに会場に来てください」
休めるのは、精々一時間ってところか。
「シュンちゃん!お疲れ様」
「絢香か、お疲れって言ってもまたあるけどな」
「そうだけど、頑張ったじゃん」
俺は試合が終わった途端に気絶したらしく、保健室に運ばれた。そして目開けるとそこには絢香がいた。
「それよりお前は大丈夫なのか?」
「重傷な人に言われたくない!」
「そう……だな」
次の試合まで後三十分、それまでになんとか回復させとかないと。
大将を受けた以上、試合開始からぶっ倒れるわけにもいかない。
「次の試合、シュンちゃんでなくてもいいんだよ?」
突然の発言に驚きが隠せなかった。
「どういう事だ?出るに決まってんだろ」
「皆で考えたんだ。シュンちゃんに任せっきりだったから次の試合は棄権しようって」
ふざけるなよ。ここまで来といてそれはないだろ。だったら俺はなんの為にここまで頑張ってきたんだ?
「俺はたとえ一人でも出るぞ。俺だってクラスの一員だ!ここまで来て逃げるような真似できるわけ無いだろ」
「その傷でも?」
確かに体はボロボロだし骨も一、二本は折れてる感覚がある。
それでも、逃げたくはない。
その意志が強かった。
「はぁ、みんなー作戦失敗!入ってきてもいいよ」
彼女が大声を出して何事かと思い、保健室のドアを開けると雪崩の様に流れ込んできたクラスの皆がいた。
「何してんだ?お前ら」
「いや、春宮さんに説得を頼んだんだけど……失敗したみたいね」
苦笑しながら栗原は答えた。
詳しく聞いてみると俺が重傷の為このまま出したら悪化すると考えた結果、こうなったらしい。
「まぁ俺の傷の事を思ってくれたのは感謝するがそれとこれとは話が別だ」
そう言いながら、クラスの皆を正座させながら自分の意見を聞かせていた。
「やっぱりここまで来たんだから最後まで行かないと。それに傷を負ってるのは俺だけじゃない」
「でも、やめたほうがいいよ」
そうかもしれない。だけどここで諦めるのは嫌なんだ。
「何を言われても俺は行くぞ?」
「分かった、ならもう止めない。けど一つだけ聞かせて?」
大体の見当はつく。この質問は俺がSランクかどうかだ。
「冬霧君はSランクなの?」
俺は一つ深呼吸をして、罪悪感を持ちながらも答えた。
「………そうだ。黙ってて悪かった」
「ううん、ここで誤魔化さずに言ってくれたからいいよ。でもなんで黙ってたの?」
「理由は簡単だよ。皆といる時間が楽しかったから、もし俺がSランクって言ったら俺は一人だったからな」
皆は黙りこくって下を向いていた。
「ほら、そろそろ時間だ行くぞ」
「そうだね、うん!頑張ろ!」
少しだけだが、空気が変わったように思えた。
これで決まるんだ。
どの学年が勝つのかが。
「さぁ!後五分で試合が開始されます!今年の体育祭は色々なことがありました。その中でも興奮したのはこの三人!」
でかいモニターのような物に三人の写真が映し出された。
「まず一年の中で唯一のSランク!秦実高見選手です!秦実選手はトーナメントでは会長に敗れましたが団体戦では見事な戦法で勝ち上がってきました!」
なるほど、一年にしては珍しいな。
秦実高見か……厄介な相手になりそうだな。
だが本当に厄介な相手は会長だ。トーナメントでは会長の武器を壊したから勝てたものの、同じ手が使えるとも思えない。
「さてお次は二年冬霧瞬輔選手!冬霧選手は見事な剣さばきとスピードで勝ち抜き会長をも打ち破りました!」
おい、ちょっと違うぞ!会長に勝てたのは武器を壊したからであって実力では勝てていないぞ!
「もちろん最後は三年で生徒会長!銘堂赤津選手です!彼の実力は学園一!さぁ銘堂選手に冬霧選手は勝てるのか!」
無茶言うなよ、勝てるわけ無いだろ。
会長をどうやって倒すかを考えないとだな。
「試合開始まで後三秒です!三秒二秒一秒、始めー!」
始めっから使うとするか!
「能力《神速》を発動し行動に移る」
三年と一年がぶつかろうとしてるな、それなら!
「冬霧流双剣術三式〝乱れ桜〟ー鏡絵ー」
「な、なんと!一年生と三年生の大将以外が全滅しました、という事は冬霧選手がまた派手にやってくれました!」
またとはなんだ、またとは。
ひどい言われようだな俺も。
「皆は一年の大将を頼む!遠距離系の人は接近戦の人の援護を!」
「了解!」
これで銘堂会長と一対一の勝負が出来る。
「いいのかい?皆のところへ行かなくて」
「行ったらあんたが残るでしょ?」
「確かにそうだね!」
会長と冬霧の剣の打ち合いで火花が散っていた。
皆の事は心配だが気を抜くとやられる。
なら、今は会長との勝負に専念しよう。
「冬霧流双剣術四式〝澪彁斬〟」
〝澪彁斬〟は剣を交差させて相手を斬る技だ。
本当なら、態勢が崩れ隙が出来るのだがやはり学園一そう簡単にはいかない。
「なら、冬霧流双剣術五式〝霜花銘水〟」
〝霜花銘水〟は川に流れる花の如く体を揺らして相手にタイミングをずらし斬りかかる技だが、これも着た効かない。
「もう終わりかい?なら、こちらから行かせてもらうよ!」
そう言って銘堂は冬霧に斬りかかった。
乱撃を繰り返し、全く攻撃をさせないようにしているようだ。
「おーっと冬霧選手!防戦一方だ!立て直すことは出来るのか!」
確かに防戦一方だ、でも会長が使ってる技はまるで……
「まるで〝乱れ桜〟のようだと思っているところかな?その疑問は答えよう、正解だ」
会長の乱撃が止まり、一度態勢を立て直そうとバックステップで距離を取った。
「正解とはどういう意味ですか?」
「僕は相手の技を受けて奪う事ができる。それが僕の能力《暴食》だ」
きっと女子が聞いたら泣くだろうな。
「つまり、俺が使った技を覚えたと。そういう意味ですね」
「そういう事になるね」
満面ない笑顔で答えてくれたがその笑顔は偽物のようにも見えた。
なら、どうする?このまま新しく使ったらまた覚えられて今度こそ勝てなくなる。
手は無い事は無いが、これはリスクが高い。
失敗すれば技を取られるが失敗しなければ取られない。
言ったら生を選ぶか死を選ぶかの二つの選択だ。
でも、勝てるのなら死を選ぶ!
「絢香!ちょっと来てくれ!」
絢香にも聞こえるように大声で呼んだ。
「どうしたの?シュンちゃん」
「絢香、前に相手の足を凍らせてたよな?あの技この剣にも出来るか?」
彼女は不思議そうに首を傾げながら答えた。
「出来るけど、いいの? 」
「ああ、やってくれ!」
絢香は黙ってコクリと頷き、魔法書を開いた。
「私の氷の魔法〝氷華凍結〟」
絢香がそう唱えると二本の剣が凍りついた。
「ありがとう。恩に着る!」
「勝つ為だもん、頑張ってねシュンちゃん!」
「ああ!」
これで準備が整った。
でも勝てるという確証もないが、やらずに後悔するよりやって後悔した方がいいだろ!
「冬霧流双剣術七式〝氷魔凍憐香〟」
そして会長との距離を縮め、また剣の打ち合いとなった。
「何をするかと思えば、剣を凍らせ硬度を高くしただけかい?」
「それだけじゃないさ!」
また会長との距離を離し指をパチンっと鳴らすと会長の剣が凍りつき始めた。
「これは、どういう事かな?」
「〝氷魔凍憐華〟は触れたものを凍らす技なんですが自分の剣を凍らし会長の剣が凍りつくのを早めただけです」
さぁ、どう出る?
凍ったままでは戦いづらいはずだが、会長なら何かしてくるだろう。
「なるほど、なら〝氷魔凍憐華〟」
「何っ!」
剣が凍ったままでは重量が増えるはずなのに、なぜ使ったんだ?
でも、剣に触れなければいいんだ。
「〝乱れ桜〟と〝氷魔凍憐華〟」
合わせ技か!このままだと確実にやられる、いっその事一年の大将を巻き込んでみるか。
そうと決まればバックステップで一年のところへ誘導するか。
「おや?先程までの攻撃はどうされたんですか?」
「俺にも、考えがあるんですよ!」
そろそろか、よし方向を少し変えてっと。
「なんでいきなり武器が凍ったんだ?」
「皆、今のうちに武器を攻撃しろ!」
これで、一年は終わったか。でも、このままだと本当にまずい。
「なるほど、なぜ避けてばかりか分からなかったがあの一年生を巻き込むためだったんですね」
「知ってた癖によく言うよ」
そろそろ〝乱れ桜〟が使えなくなる頃だな。
「冬霧流双剣術六式〝天蠡覇煌〟」
「ありがとうございます。また技を貰いました」
〝天蠡覇煌〟は一点に力を集中させて攻撃力を上げる技だったが、これも駄目か。
「これで終わりです!」
さすがに、勝てなかったか………。皆ごめん。
「私の守の魔法〝六方壁〟」
「諦めるのは早いよ!」
「絢香、そうだな。悪かった!」
そうだ、俺は一人で戦ってる訳じゃないんだ。
俺には仲間がいる。
「決着をつけよう、会長」
「もちろんですとも」
一つ深呼吸をして、集中した。
「能力《瞬速》を発動し身体に移行する」
本来能力は使うと、その効果が合った効果が現れる。
だが俺の場合、《神速》を使っている時に《瞬速》を身体に移行する事が出来る様にした。
「決めるぜ〝乱れ桜〟ー氷牙ー」
「〝乱れ桜〟と〝氷魔凍憐華〟」
向こうが氷を使うならこっちも氷を使って対抗してやる!
「おぉぉぉぉぉぉぉ!」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!」
やっぱり強い、けど負けるわけにもいかねぇんだよ!
ドォーン!と何かが壊れるような音がした。
「一体何があったのでしょうか?あ、土煙の中に人影が見えます!あれは、会長です!優勝は三年一組……いや、冬霧選手が立っています!会長は倒れてしまいました!よって優勝は二年六組です!」
観客席から大興奮の歓声と花火の音が聞こえた。
そして俺と会長はすぐに保健室に運ばれ治療を受けた。
「会長は凄いですね、次は勝てないと思います」
「何を言っているんだい?でも、次は勝ってみせますからそのつもりで」
会長と話していると、クラスの皆が走って病室に入ってきた。
「シュンちゃん、優勝したよ!」
「いや、知ってるよ。そこにいたんだから」
相変わらず、何かいいことがあると物忘れがひどくなるな。
「それで、怪我は大丈夫なの?」
絢香が心配そんな顔をして目をうるうるしながら顔を近くまで寄って来た。
「絢香の奴、お前が倒れたら号泣しながら『シュンちゃん死ぬのかな?』って言い続けてたからな」
笑いながら圭人は絢香をからかった。
「う、うるさい!圭人のばーか、ばーか!」
こうして、二日間行った体育祭も終わった。
第二章へ続く
「お願い、冬霧君!大将やってくれないかな?」
いきなりのお願いに戸惑いや疑問が起きた。
「なんで俺なんだ?うちのクラスにAランクがいるだろ?そいつに頼めばいいじゃねぇか」
頼んできた、クラス委員長の栗原咲夜は答えづらそうに目を背けた。
すると代わりに圭人が答えてくれた。
「初めは頼んだけど、皆瞬輔の事を薦めたから。ほら、瞬輔昨日優勝しただろ?だから……」
つまり、自分よりも強い奴の方がいいだろう。そう言いたいんだろうな。
「分かった。やるよ大将」
「ありがとう!それじゃあ手続きしてくるね」
栗原咲夜が走って教室を出て行くと制服を軽く引っ張られる感覚があった。
引っ張られる方を見るとそこには絢香の姿が見えた。
「なんだよ?絢香」
「ねぇシュンちゃん、大将って何?」
おそらく、『シュンちゃん』に反応したのかクラスのほとんどが俺の周りに集まった。
「おい、冬霧。今の『シュンちゃん』ってなんだ?付き合ってるのか?」
すごい剣幕だ。ここは幼馴染みという事を言っておかないと後々面倒になりそうだ。
「お、落ち着けって海津!そんなんじゃないって!」
「じゃあなんなんだよ!」
「ただの幼馴染みだよ。なっ?」
春宮に振ると、彼女は頬を赤くして照れた素振りを見せた。
「違うじゃねぇか!」
「い、いや本当だって!圭人に聞いたら分かるから!」
次はもう一人の幼馴染みの大谷に振ったら………。
「えっ?そうなの?」
「冬霧、本当いい加減に白状しろ!」
「圭人!お前この状況楽しんでるだろ!」
もう、誤解を解くどころかややこしくなった。
これ以上やってもややこしくなるだけだと判断して、後でゆっくり誤解を解く事にした。
この話を聞いてきたのは、海津浩二。確かAランクの男だ。
「それより、なんでお前が大将やらなかったんだよ?」
「そりゃあ、あのタッグ戦に優勝した奴の方がいいだろう?春宮さんにやらせる訳にもいかないしな」
なるほど、筋は通ってる。
でも一つ問題がある。それは俺がSランクだという事だ。この事を知ったら皆は怒るやつもいれば悲しむ奴もいるだろう。
そこは回避しないといけない。
「皆、そろそろ団体戦始まるわよ!」
その報告を聞いた周りにいた奴らはゾロゾロと教室を後にした。
「さてと、早く終わらせるか……」
俺は小さな溜息を吐いて、席を立った。
「体育祭二日目、クラス団体戦が始まろうとしています!今年はどの学年が優勝するのか!」
学年ね……。このクラス団体戦は三つの学年とクラスで別々に優勝を決めていたが、今年からはその三つの学年を戦わせそのうちの優勝したクラスを決めるようになった。
「頑張ってくれよ、大将!」
いきなり背中を叩かれたので、驚いたが苦笑しながら振り向いた。
「なぁ、一回戦でやってみたい事があるんだがいいか?」
「好きにしなよ。ただし、やられないでよね!」
クラス委員長の栗原が許可をくれたので、速攻で終わらせる事にする。
「では、第一回戦二年六組対二年五組のクラス団体戦始め!」
「さて能力《瞬速》を発動し行動に移る」
(なんで、俺が大将なんだよ!)と内心思っていたが楽しんでいる面もあった。
深く深呼吸をして落ち着き敵を打ち破る事に専念した。
「冬霧流双剣術三式〝乱れ桜〟」
冬霧の姿が見えなくなったと思ったら、敵の大将の後ろに立っていた。
そして、両手に持っていた剣を鞘に戻すと敵全員の武器が砕け散った。
「試合終了!またもややってくれました、冬霧選手!昨日のトーナメント戦決勝で見せてくれた技を使い二年五組全員の武器を壊しました!」
言い方が大袈裟なんだよ。
確かに昨日の会長との戦いで使ったが、持ち出すなよ面倒だから。
そしてクラスの元へ戻ると、皆驚いているのか口を開けたまま固まっていた。
「なんで固まってんだ?お前ら」
「冬霧って、凄いんだな。正直何をしたのか分からなかった」
別に昨日の決勝見たんなら分かるだろう……。
ここは、教えないといけないのか?でも目が凄くキラキラしてるからな。教えるか。
「さっき使った〝乱れ桜〟は俺の持ってる《瞬速》を加える事によって広範囲に攻撃出来るんだよ」
すると、皆ポンッと手を叩いてなるほどと分かった素振りを見せた。
でも、この技がどこまで通用するか分からない。
なら次の試合からは、皆に紛れ込んで戦うしかないか。
「次は第二回戦二年六組対二年三組の団体戦始め!」
少しは休ませろよ!
「皆、行くぞ!」
「もちろんだ!」
こうして第二回戦が始まった。
そして、二・三・四組を倒していたが最後の一組に手間取ってしまった。
「皆、大丈夫か?」
「ああ、だが半分はやられた」
弓矢を使えるのは六人と魔法書を使えるのは四人に、ハンマーを使えるのは五人そして俺を入れて剣を使えるのが五人か。
やはりSランクは強い。
向こうの敵は大将を除いて全滅だが、その大将がSランクってのは予想外だ。
こりゃ、一騎打ちに賭けるしかないな。
「皆はここにいてくれ、俺が決着をつけてくる」
「そんな事させるわけ無いだろ!」
俺はその言葉に胸を打たれたのか、苦笑を返しながら振り返り頭を下げた。
「すまない皆。能力《神速》を発動し行動に移る」
「何を誤ってんだよ、行ってこい!」
圭人か、余計な気を使わせちまったな。
でも、ありがとう!
「やっと出てきたか、冬霧瞬輔!」
「待たせたな、海馬瀬人。決着をつけよう」
今は勝てるかどうかじゃない、勝つんだ。
その為にも、海馬を打つしかない!
「冬霧流双剣術一式〝胡蝶蘭〟」
「この技に砕けぬものなし〝星砕き〟」
両者が交差して技を使った後の結果は、冬霧が勝った。
冬霧の使った〝胡蝶蘭〟が海馬の使うハンマーの持ち手と腹の部分を斬ったが海馬の使った〝星砕き〟は冬霧の横腹に入りかけたが、当らずに終わった。
「……っ!負けたよ、冬霧瞬輔」
「お前も結構強かったぞ、海馬」
二人共仰向けになって寝転んだまま、呟いた。
「し、試合終了!クラス団体戦二年の部優勝は二年六組!またまたやってくれました冬霧選手!」
さすがに、連続で試合すんのは疲れるな。それに次の相手は生徒会長がいるクラスだ、勝てる気がしない。
「えー、最後の試合は午後四時からとしますので選手の皆さんはそれまでに会場に来てください」
休めるのは、精々一時間ってところか。
「シュンちゃん!お疲れ様」
「絢香か、お疲れって言ってもまたあるけどな」
「そうだけど、頑張ったじゃん」
俺は試合が終わった途端に気絶したらしく、保健室に運ばれた。そして目開けるとそこには絢香がいた。
「それよりお前は大丈夫なのか?」
「重傷な人に言われたくない!」
「そう……だな」
次の試合まで後三十分、それまでになんとか回復させとかないと。
大将を受けた以上、試合開始からぶっ倒れるわけにもいかない。
「次の試合、シュンちゃんでなくてもいいんだよ?」
突然の発言に驚きが隠せなかった。
「どういう事だ?出るに決まってんだろ」
「皆で考えたんだ。シュンちゃんに任せっきりだったから次の試合は棄権しようって」
ふざけるなよ。ここまで来といてそれはないだろ。だったら俺はなんの為にここまで頑張ってきたんだ?
「俺はたとえ一人でも出るぞ。俺だってクラスの一員だ!ここまで来て逃げるような真似できるわけ無いだろ」
「その傷でも?」
確かに体はボロボロだし骨も一、二本は折れてる感覚がある。
それでも、逃げたくはない。
その意志が強かった。
「はぁ、みんなー作戦失敗!入ってきてもいいよ」
彼女が大声を出して何事かと思い、保健室のドアを開けると雪崩の様に流れ込んできたクラスの皆がいた。
「何してんだ?お前ら」
「いや、春宮さんに説得を頼んだんだけど……失敗したみたいね」
苦笑しながら栗原は答えた。
詳しく聞いてみると俺が重傷の為このまま出したら悪化すると考えた結果、こうなったらしい。
「まぁ俺の傷の事を思ってくれたのは感謝するがそれとこれとは話が別だ」
そう言いながら、クラスの皆を正座させながら自分の意見を聞かせていた。
「やっぱりここまで来たんだから最後まで行かないと。それに傷を負ってるのは俺だけじゃない」
「でも、やめたほうがいいよ」
そうかもしれない。だけどここで諦めるのは嫌なんだ。
「何を言われても俺は行くぞ?」
「分かった、ならもう止めない。けど一つだけ聞かせて?」
大体の見当はつく。この質問は俺がSランクかどうかだ。
「冬霧君はSランクなの?」
俺は一つ深呼吸をして、罪悪感を持ちながらも答えた。
「………そうだ。黙ってて悪かった」
「ううん、ここで誤魔化さずに言ってくれたからいいよ。でもなんで黙ってたの?」
「理由は簡単だよ。皆といる時間が楽しかったから、もし俺がSランクって言ったら俺は一人だったからな」
皆は黙りこくって下を向いていた。
「ほら、そろそろ時間だ行くぞ」
「そうだね、うん!頑張ろ!」
少しだけだが、空気が変わったように思えた。
これで決まるんだ。
どの学年が勝つのかが。
「さぁ!後五分で試合が開始されます!今年の体育祭は色々なことがありました。その中でも興奮したのはこの三人!」
でかいモニターのような物に三人の写真が映し出された。
「まず一年の中で唯一のSランク!秦実高見選手です!秦実選手はトーナメントでは会長に敗れましたが団体戦では見事な戦法で勝ち上がってきました!」
なるほど、一年にしては珍しいな。
秦実高見か……厄介な相手になりそうだな。
だが本当に厄介な相手は会長だ。トーナメントでは会長の武器を壊したから勝てたものの、同じ手が使えるとも思えない。
「さてお次は二年冬霧瞬輔選手!冬霧選手は見事な剣さばきとスピードで勝ち抜き会長をも打ち破りました!」
おい、ちょっと違うぞ!会長に勝てたのは武器を壊したからであって実力では勝てていないぞ!
「もちろん最後は三年で生徒会長!銘堂赤津選手です!彼の実力は学園一!さぁ銘堂選手に冬霧選手は勝てるのか!」
無茶言うなよ、勝てるわけ無いだろ。
会長をどうやって倒すかを考えないとだな。
「試合開始まで後三秒です!三秒二秒一秒、始めー!」
始めっから使うとするか!
「能力《神速》を発動し行動に移る」
三年と一年がぶつかろうとしてるな、それなら!
「冬霧流双剣術三式〝乱れ桜〟ー鏡絵ー」
「な、なんと!一年生と三年生の大将以外が全滅しました、という事は冬霧選手がまた派手にやってくれました!」
またとはなんだ、またとは。
ひどい言われようだな俺も。
「皆は一年の大将を頼む!遠距離系の人は接近戦の人の援護を!」
「了解!」
これで銘堂会長と一対一の勝負が出来る。
「いいのかい?皆のところへ行かなくて」
「行ったらあんたが残るでしょ?」
「確かにそうだね!」
会長と冬霧の剣の打ち合いで火花が散っていた。
皆の事は心配だが気を抜くとやられる。
なら、今は会長との勝負に専念しよう。
「冬霧流双剣術四式〝澪彁斬〟」
〝澪彁斬〟は剣を交差させて相手を斬る技だ。
本当なら、態勢が崩れ隙が出来るのだがやはり学園一そう簡単にはいかない。
「なら、冬霧流双剣術五式〝霜花銘水〟」
〝霜花銘水〟は川に流れる花の如く体を揺らして相手にタイミングをずらし斬りかかる技だが、これも着た効かない。
「もう終わりかい?なら、こちらから行かせてもらうよ!」
そう言って銘堂は冬霧に斬りかかった。
乱撃を繰り返し、全く攻撃をさせないようにしているようだ。
「おーっと冬霧選手!防戦一方だ!立て直すことは出来るのか!」
確かに防戦一方だ、でも会長が使ってる技はまるで……
「まるで〝乱れ桜〟のようだと思っているところかな?その疑問は答えよう、正解だ」
会長の乱撃が止まり、一度態勢を立て直そうとバックステップで距離を取った。
「正解とはどういう意味ですか?」
「僕は相手の技を受けて奪う事ができる。それが僕の能力《暴食》だ」
きっと女子が聞いたら泣くだろうな。
「つまり、俺が使った技を覚えたと。そういう意味ですね」
「そういう事になるね」
満面ない笑顔で答えてくれたがその笑顔は偽物のようにも見えた。
なら、どうする?このまま新しく使ったらまた覚えられて今度こそ勝てなくなる。
手は無い事は無いが、これはリスクが高い。
失敗すれば技を取られるが失敗しなければ取られない。
言ったら生を選ぶか死を選ぶかの二つの選択だ。
でも、勝てるのなら死を選ぶ!
「絢香!ちょっと来てくれ!」
絢香にも聞こえるように大声で呼んだ。
「どうしたの?シュンちゃん」
「絢香、前に相手の足を凍らせてたよな?あの技この剣にも出来るか?」
彼女は不思議そうに首を傾げながら答えた。
「出来るけど、いいの? 」
「ああ、やってくれ!」
絢香は黙ってコクリと頷き、魔法書を開いた。
「私の氷の魔法〝氷華凍結〟」
絢香がそう唱えると二本の剣が凍りついた。
「ありがとう。恩に着る!」
「勝つ為だもん、頑張ってねシュンちゃん!」
「ああ!」
これで準備が整った。
でも勝てるという確証もないが、やらずに後悔するよりやって後悔した方がいいだろ!
「冬霧流双剣術七式〝氷魔凍憐香〟」
そして会長との距離を縮め、また剣の打ち合いとなった。
「何をするかと思えば、剣を凍らせ硬度を高くしただけかい?」
「それだけじゃないさ!」
また会長との距離を離し指をパチンっと鳴らすと会長の剣が凍りつき始めた。
「これは、どういう事かな?」
「〝氷魔凍憐華〟は触れたものを凍らす技なんですが自分の剣を凍らし会長の剣が凍りつくのを早めただけです」
さぁ、どう出る?
凍ったままでは戦いづらいはずだが、会長なら何かしてくるだろう。
「なるほど、なら〝氷魔凍憐華〟」
「何っ!」
剣が凍ったままでは重量が増えるはずなのに、なぜ使ったんだ?
でも、剣に触れなければいいんだ。
「〝乱れ桜〟と〝氷魔凍憐華〟」
合わせ技か!このままだと確実にやられる、いっその事一年の大将を巻き込んでみるか。
そうと決まればバックステップで一年のところへ誘導するか。
「おや?先程までの攻撃はどうされたんですか?」
「俺にも、考えがあるんですよ!」
そろそろか、よし方向を少し変えてっと。
「なんでいきなり武器が凍ったんだ?」
「皆、今のうちに武器を攻撃しろ!」
これで、一年は終わったか。でも、このままだと本当にまずい。
「なるほど、なぜ避けてばかりか分からなかったがあの一年生を巻き込むためだったんですね」
「知ってた癖によく言うよ」
そろそろ〝乱れ桜〟が使えなくなる頃だな。
「冬霧流双剣術六式〝天蠡覇煌〟」
「ありがとうございます。また技を貰いました」
〝天蠡覇煌〟は一点に力を集中させて攻撃力を上げる技だったが、これも駄目か。
「これで終わりです!」
さすがに、勝てなかったか………。皆ごめん。
「私の守の魔法〝六方壁〟」
「諦めるのは早いよ!」
「絢香、そうだな。悪かった!」
そうだ、俺は一人で戦ってる訳じゃないんだ。
俺には仲間がいる。
「決着をつけよう、会長」
「もちろんですとも」
一つ深呼吸をして、集中した。
「能力《瞬速》を発動し身体に移行する」
本来能力は使うと、その効果が合った効果が現れる。
だが俺の場合、《神速》を使っている時に《瞬速》を身体に移行する事が出来る様にした。
「決めるぜ〝乱れ桜〟ー氷牙ー」
「〝乱れ桜〟と〝氷魔凍憐華〟」
向こうが氷を使うならこっちも氷を使って対抗してやる!
「おぉぉぉぉぉぉぉ!」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!」
やっぱり強い、けど負けるわけにもいかねぇんだよ!
ドォーン!と何かが壊れるような音がした。
「一体何があったのでしょうか?あ、土煙の中に人影が見えます!あれは、会長です!優勝は三年一組……いや、冬霧選手が立っています!会長は倒れてしまいました!よって優勝は二年六組です!」
観客席から大興奮の歓声と花火の音が聞こえた。
そして俺と会長はすぐに保健室に運ばれ治療を受けた。
「会長は凄いですね、次は勝てないと思います」
「何を言っているんだい?でも、次は勝ってみせますからそのつもりで」
会長と話していると、クラスの皆が走って病室に入ってきた。
「シュンちゃん、優勝したよ!」
「いや、知ってるよ。そこにいたんだから」
相変わらず、何かいいことがあると物忘れがひどくなるな。
「それで、怪我は大丈夫なの?」
絢香が心配そんな顔をして目をうるうるしながら顔を近くまで寄って来た。
「絢香の奴、お前が倒れたら号泣しながら『シュンちゃん死ぬのかな?』って言い続けてたからな」
笑いながら圭人は絢香をからかった。
「う、うるさい!圭人のばーか、ばーか!」
こうして、二日間行った体育祭も終わった。
第二章へ続く
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