武装学園―乱舞―

グリプス

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第二章

二人目の転校生

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 体育祭も終わり、一ヶ月が経った頃クラスにざわめきがあった。
「なんか、また騒がしくなったな。どうかしたのか?圭人」
「今日、また転校生が来るらしいぞ!」
 またか、なんで転校生がうちのクラスに来るんだよ。
「なんでも女子らしいぞ!」
「らしいって、情報網のお前が珍しいな」
 圭人はいつもどんな情報でも正確だったのに、今回に限っては本当に珍しい。
「なんか、話し声がうまく聞き取れなかったからな。誤差があるかもしれない」
 誤差ねぇ。そんな事は無いだろうけど、無理もないか。
「シュンちゃん、なんか嬉しそうだね」
 絢香が頬をぷくーっと膨らませて、こちらを睨んでいる。
「嬉しくないと言ったら嘘になるが、別にどっちでもいい」
「本当に?シュンちゃんの事だから、なんか考えてるんでしょ!」
 なぜそうなるんだよ。
 こいつは昔っから疑り深いからな、嘘はつかない方が身の為だな。
「じゃあ、逆に聞くが俺が何を考えてるってんだよ」
「そ、それは………。は、破廉恥な事とか?」
「はぁ、なんで俺がそんな事考えないといけないんだよ」
 全く、本当にこいつは変わらないな。
 変わってなくて良かったが面もあるが、少しは変わってて欲しかったという面もある。
「ほら、チャイムなったぞ。席に座っとけ」
「むー、分かったよ」
 さて、今回は何事も無ければいいんだがなんだろう凄く嫌な予感がする。
「えーっと、またこのクラスに転校生が入る事になった篠文由佳さんだ。お前ら仲良くしろよ」
 先生が転校生の名前を言った瞬間、クラスが凍りついたように固まった。
「ア、アイドルのユカリンだ!」
「マジかよ!何でこの学校に?」
 何を言ってんだこいつらは? 
 てか、ユカリンで誰だよ。
「おい圭人、誰なんだ?ユカリンって」
 そして、俺の発言でまたクラスが固まった。
「お前知らないのか?全国的アイドル、篠文由佳を!」
 まぁ、誰かは知らないが人気なのは分かった。
 今回は何事もなさそうだな。
「……やっと見つけました」
 その篠文由佳が、俺の席の前に立ち呟いた。
「……えっと、なんでしょう?」
 苦笑しながら聞いてみたがこれが間違いだったという事は後で気付いた。
「瞬輔さーーん!」
 俺の名前を呼びながらいきなり抱きついてきた。
「はっ?ちょ、ちょっと待ってくれ!俺はあんたと面識が無いんだが?」
「面識はあるんですよ?瞬輔さんが私を助けてくれた時に!」
 助けた?俺が?そんな事、あったっけな?
 いや、ある。
 確か今日から一週間前に依頼が終わって帰ってる途中、路地裏でゴロツキに襲われてるとこを見かけたから助けた事があったがもしかして………。
「あの時の襲われてた人か?」
「やっと思い出してくれましたね!あの日から今日まで、あなたの事を忘れた事はありません!」
 ヤバイ、今凄い睨まれてる。
 男共が凄い剣幕で睨んでいて、女子からは冷たい目で見られ絢香には怒りが混じった凄い剣幕で睨まれてる。 
「分かったから、一回離れて!ホームルームが始まるから!先生、彼女の席は?」
「お前の後ろが空いてるだろ、そこでいい」
「分かりました、先生!」
 彼女は嬉しそうに、席に着いた。
 絶対に絢香の奴、怒ってるだろうな。
 そして授業が終わり、休憩時間の頃。
「それでシュンちゃん、これはどういう事かしら?」
 まただ、また顔は笑っているが目が笑っていない顔になってる。
「えっと、たまたまだって!偶然助けた子が一緒のクラスになっただけだって!」
「いいえ?私がこのクラスにして下さいと校長に頼んだんです」
 学園長の奴、余計な事をしやがって!
 今度会ったら覚えてろよ!
「シュンちゃん、覚悟は出来てるよね?」
「はぁ、分かったよ。……なんて言うわけ無いだろ!」
「あっ!逃げた、捕まえろーー!」
 なんでこういう時だけ一致団結してんだよ!
 仕方ない、屋上に行こう。
 そして、屋上に着き鍵を掛けて人が入って来れないようにした。
「全くなんなんだよ!って、えぇぇぇぇぇ!」
 魔法で鍵どころかドアごとぶち壊しやがった!
 普通そこまでしないだろ。
「もう逃げられないわよシュンちゃん!」
 後ろの皆は武器を構えてるし、でも校内じゃ戦えない。なら手は一つしかないな。
「能力《神速》を発動し行動に移る」
 能力を使い、一気に突破するしかない!
 そして、クラスの皆からは、何とか逃げ切った。
「お疲れ様、瞬輔さん」
「ああ、本当に疲れたよ。篠文帰るのか?」
「仕事があるので、おそらくこういう事が多いと思いますがよろしくお願いします。後、由佳でいいですから!」
 そう言って、手を振りながら走って校門へ向かった。
 彼女のさっきの顔は、なんだか悲しそうに見えた気がした。
「シュンちゃん、模擬戦の許可貰ってきたから模擬戦しましょう?」
「えっ?ちょっとそれは………」
 駄目だ、模擬戦やらないと開放してくれそうにないな。
「絢香、聞いていいか?」
「なにかしら?」
「模擬戦って、後ろの奴ら全員とか?」
 一番あり得る事を聞いてみたが、絢香はニコッと笑ってなにも言わなかった。
「分かったよ!かかってこい」
 そして、模擬戦は数十分で終わった。
 元々、この学校に補習はあるが授業はない。
 テストはランクアップの為の時にだけ行うぐらいだ。
 進級するときには、依頼をこなした量などで決まる。だから皆は依頼を受けまくっている。
 つまり時間の合間や腕試しなどでいつでも模擬戦は出来る。
 ただし、模擬戦で負けた者には補習を受けることになっている。
 補習を受けた者には、進級する為の数字が下がってしまうのでやる奴は少ない。
「けど、あいつ等大丈夫か?」
     
                                                                              続く
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