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第六章
ジュリエット役争奪戦!
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二学期が始まった頃、冬霧の周りでは女子が多くいる事に不思議がっている者が多くいた。
クラスの男女に春宮、篠文そして冬霧もその一人だ。
「シュンちゃん、なんかしたんじゃないの?」
「俺は何もやってないんだが………」
「多分、これのせいじゃない?」
篠文が広げて見せたのは学園新聞だった。
「えっとなになに、『冬霧瞬輔、命懸けでクラスの仲間を助ける』って何だよこれ!しかもこの写真由佳が攫われて助けに行った時のじゃねぇか」
今更こんな写真を使うなんて、新聞部はそれだけネタがなくなってきてるのか?
冬霧が学園新聞を最後まで読んでみると、ある人物の名前が書いてあった。
「作成者大谷圭人ってお前の事だよな?」
「一体なんの事かな?」
「圭人の奴逃げやがった!逃げる時点で怪しい」
冬霧は大谷を追いかけようとして教室を出ると、一年と二年の女子が冬霧にまとわりつくようにして進路を阻まれた。
「ちょっとどいてくれ!」
「サイン下さい!」
「私が先よ!」
これは、教室に戻るしかないみたいだな。
この騒ぎがおさまるまで依頼を受け続けるしかないか。
「どうだった?」
「外に出れないから、ちょっと細工をする」
「細工って何をするの?」
「冬霧流幻術〝陽炎〟」
冬霧が使った技は〝陽炎〟つまり敵などを欺く為に使う技なのだが………。
「今回は仕方ない、こいつに頼むしかない」
「これ、前に使ってた技だよね?」
「これしか手がないんだよ、じゃあ俺は依頼板に行ってくるから」
冬霧は外に女子がいないのを確認して、教室を出ていった。
冬霧が依頼板に着くと、そこにはもう一枚も依頼書が残っていなかった。
「なんでこういう時に限って、皆依頼に行くんだよ!」
そういえば、後一ヶ月で学園祭が始まるんだったな。
もしかしてその為の資金集めでもしてるのか?
「まあいいや、明日またここに来よう」
「冬霧様がいたわよ!」
え?おいおい〝陽炎〟の能力もう解けたのかよ、仕方ないここは教室に逃げよう。
「後少しで教室だ!」
「私の守の魔法〝六方壁〟」
冬霧が教室に入った途端、春宮が教室の周りに防壁を張った。
「助かったよ、絢香」
「とりあえずあの子達が諦めて帰るまでこうしとくから、安心してシュンちゃん」
まったく、圭人にはいっぱい食わされた。
この前の夏祭りの件で圭人には世話になったからお礼がしたいと言ったら『じゃあ瞬輔の記事を書いてもいいか?』と聞かれたから、どうせろくな事は書かないと思っていたが甘かった。
「そういえば、学園祭の出し物何にするんだ?」
「おい、もしかしてこの騒ぎに扮して俺を利用しようとは思ってないよな………」
「ピ、ピンポーン大正解!」
最悪だ………。いや、俺が出なくても〝陽炎〟で作り出せばいいじゃねぇか!
「言っとくけど、さっきの技を使うのは無しだからな」
駄目だった、あの時使うんじゃなかった。
でも、出し物の内容によったら協力しない事も無い………かな?
「それで、出し物の内容は?」
「演劇だよ、ロミジュリ」
「無駄な質問かもしれないが、そのロミオ俺がやるのか?」
冬霧のこの質問には、クラス全員が同時に満面ない笑顔で頷いた。
おいおい嘘だろ、もしここで降りるって言っても全力で阻止してくるからやめておこう。
「じゃあ、ジュリエットは誰がするんだ?」
この質問にはクラス全員黙りこくってしまった。
「まさか、まだ決まってないのか?」
「いや、候補者が二人いるんだが………」
もしかしてその候補者って………。
「ユカリンと絢香さんの二人なんだが、中々決まらなくてな」
やっぱりこの二人か、いやなんとなく分かっていたが考えないようにしたけど、どう考えてもこの二人に到達する。
「どうするんだ?時間もそんなに無いぞ」
「そうなんだけど、二人に模擬戦で戦ってもらって勝った方がジュリエット役って事だったけど」
なるほど、どうしてもジュリエット役になりたいから両者一歩譲らず決まらなかったというところか。
「じゃあ俺に勝った方がジュリエット役ってのはどうだ?」
「それは無理!」
クラス全員に言われた………なんか傷つく。
「だったら、冬霧を先に捕まえた方がジュリエット役になれるっていうのは?」
「それ面白いな!どうせなら外にいる奴らも混ぜて『ジュリエット役争奪戦』ってのをやるか!」
おい、俺はまだ了承してないぞ、勝手に話を進めるんじゃねぇよ。
「よし、じゃあ制限時間は今から一時間。最初に冬霧の体の一部分に触れたらそいつの勝ちだ」
話まとまるの早すぎだろ!まだ一分も経ってねぇぞ!
「じゃあ冬霧は先に逃げといてくれ、外の女子には話をしといたから」
「ったく、今回だけだからな」
まったく面倒な事になったもんだ。
続く
クラスの男女に春宮、篠文そして冬霧もその一人だ。
「シュンちゃん、なんかしたんじゃないの?」
「俺は何もやってないんだが………」
「多分、これのせいじゃない?」
篠文が広げて見せたのは学園新聞だった。
「えっとなになに、『冬霧瞬輔、命懸けでクラスの仲間を助ける』って何だよこれ!しかもこの写真由佳が攫われて助けに行った時のじゃねぇか」
今更こんな写真を使うなんて、新聞部はそれだけネタがなくなってきてるのか?
冬霧が学園新聞を最後まで読んでみると、ある人物の名前が書いてあった。
「作成者大谷圭人ってお前の事だよな?」
「一体なんの事かな?」
「圭人の奴逃げやがった!逃げる時点で怪しい」
冬霧は大谷を追いかけようとして教室を出ると、一年と二年の女子が冬霧にまとわりつくようにして進路を阻まれた。
「ちょっとどいてくれ!」
「サイン下さい!」
「私が先よ!」
これは、教室に戻るしかないみたいだな。
この騒ぎがおさまるまで依頼を受け続けるしかないか。
「どうだった?」
「外に出れないから、ちょっと細工をする」
「細工って何をするの?」
「冬霧流幻術〝陽炎〟」
冬霧が使った技は〝陽炎〟つまり敵などを欺く為に使う技なのだが………。
「今回は仕方ない、こいつに頼むしかない」
「これ、前に使ってた技だよね?」
「これしか手がないんだよ、じゃあ俺は依頼板に行ってくるから」
冬霧は外に女子がいないのを確認して、教室を出ていった。
冬霧が依頼板に着くと、そこにはもう一枚も依頼書が残っていなかった。
「なんでこういう時に限って、皆依頼に行くんだよ!」
そういえば、後一ヶ月で学園祭が始まるんだったな。
もしかしてその為の資金集めでもしてるのか?
「まあいいや、明日またここに来よう」
「冬霧様がいたわよ!」
え?おいおい〝陽炎〟の能力もう解けたのかよ、仕方ないここは教室に逃げよう。
「後少しで教室だ!」
「私の守の魔法〝六方壁〟」
冬霧が教室に入った途端、春宮が教室の周りに防壁を張った。
「助かったよ、絢香」
「とりあえずあの子達が諦めて帰るまでこうしとくから、安心してシュンちゃん」
まったく、圭人にはいっぱい食わされた。
この前の夏祭りの件で圭人には世話になったからお礼がしたいと言ったら『じゃあ瞬輔の記事を書いてもいいか?』と聞かれたから、どうせろくな事は書かないと思っていたが甘かった。
「そういえば、学園祭の出し物何にするんだ?」
「おい、もしかしてこの騒ぎに扮して俺を利用しようとは思ってないよな………」
「ピ、ピンポーン大正解!」
最悪だ………。いや、俺が出なくても〝陽炎〟で作り出せばいいじゃねぇか!
「言っとくけど、さっきの技を使うのは無しだからな」
駄目だった、あの時使うんじゃなかった。
でも、出し物の内容によったら協力しない事も無い………かな?
「それで、出し物の内容は?」
「演劇だよ、ロミジュリ」
「無駄な質問かもしれないが、そのロミオ俺がやるのか?」
冬霧のこの質問には、クラス全員が同時に満面ない笑顔で頷いた。
おいおい嘘だろ、もしここで降りるって言っても全力で阻止してくるからやめておこう。
「じゃあ、ジュリエットは誰がするんだ?」
この質問にはクラス全員黙りこくってしまった。
「まさか、まだ決まってないのか?」
「いや、候補者が二人いるんだが………」
もしかしてその候補者って………。
「ユカリンと絢香さんの二人なんだが、中々決まらなくてな」
やっぱりこの二人か、いやなんとなく分かっていたが考えないようにしたけど、どう考えてもこの二人に到達する。
「どうするんだ?時間もそんなに無いぞ」
「そうなんだけど、二人に模擬戦で戦ってもらって勝った方がジュリエット役って事だったけど」
なるほど、どうしてもジュリエット役になりたいから両者一歩譲らず決まらなかったというところか。
「じゃあ俺に勝った方がジュリエット役ってのはどうだ?」
「それは無理!」
クラス全員に言われた………なんか傷つく。
「だったら、冬霧を先に捕まえた方がジュリエット役になれるっていうのは?」
「それ面白いな!どうせなら外にいる奴らも混ぜて『ジュリエット役争奪戦』ってのをやるか!」
おい、俺はまだ了承してないぞ、勝手に話を進めるんじゃねぇよ。
「よし、じゃあ制限時間は今から一時間。最初に冬霧の体の一部分に触れたらそいつの勝ちだ」
話まとまるの早すぎだろ!まだ一分も経ってねぇぞ!
「じゃあ冬霧は先に逃げといてくれ、外の女子には話をしといたから」
「ったく、今回だけだからな」
まったく面倒な事になったもんだ。
続く
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