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第七章
副会長に任命します!
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冬霧は、銘堂会長の言っている意味が分からなかった。いきなり副会長に任命されて、了承するわけがない。
なぜ、冬霧が副会長に任命されたのかを知りたかった。
「なぜ、俺なんですか?いや、その前に副会長は既にいるじゃないですか!」
「昨日の学園祭のイベントが終わった後から彼はもうこの学校にはいないよ」
それじゃあ別れ際に言っていた「いずれまたお会いしましょう」ってのはこういう事だったのか。
「今生徒会には、副会長がいません。だから冬霧君、君に副会長をやってもらいたい」
「嫌ですよ、副会長なんて」
冬霧は即答した。
もちろん銘堂は驚いた顔をし、かつ不思議そうに首を傾げた。
「なぜだい?副会長になれば、来年の会長は君になるかもしれないんだよ?」
「俺は別に生徒会長になりたいわけじゃないんですけど?」
「臀蝦蟇に関する情報が手に入ると分かっていても、そのセリフはまだ言えるかい?」
「どういう事ですか?」
確かに臀蝦蟇は最近、俺に関係した人間ばかり狙いを定めている気はする。
もし俺が副会長になり、臀蝦蟇の情報が手に入れば俺の周りにいる人間には被害が及ばなくなるだろう。
「もう一度聞きますよ、なぜ俺なんですか?」
「簡単だよ、副会長の悪事を突き止める程の頭脳の持ち主であり〝双剣の騎士〟と呼ばれる程の実力者。これ以外に何か理由が必要かい?」
会長まで俺の二つ名を知ってるという事は、裏で何かあると考えてもいいが、今はやめておこう。
「分かりました、副会長になりましょう」
「それは良かった」
「ただし、一つだけ条件があります。俺が臀蝦蟇関係で死んだ時は、他言無用でお願いします」
「いいでしょう、これからよろしく頼みましたよ。冬霧副会長」
臀蝦蟇の連中が、この先何も仕掛けてこないというのはありえない話だ。
だが情報が無いんじゃ、手の打ち用がない。なら副会長になり情報を得て対策を練る方が得策だろう。
「明日から、よろしくお願いします」
冬霧はこの瞬間から、副会長となった。
そして翌日、教室に入ると皆落ち着かない様子を見せた。
昨日までは、鋭い目つきをしてこっちを見ていたくせにいきなりどうしたんだ?
「なあ圭人、一体何があったんだ?」
「さぁ、俺は知らないよ?」
絶対嘘だ、このわざとらしい口調は知ってるという証拠だ。
「お前まさかとは思うが、生徒会室での話を聞いてクラスの皆に話したんじゃないだろうな?」
「な、なんの事かなぁ?」
「ごまかすな!お前は嘘をつく時に必ず目を下に向ける癖があるんだよ!」
まったく、なんでこんな面倒な事になったんだろう。
俺が副会長になったらいけないのかよ!
「それで、絢香と由佳はさっきからこそこそと何をやってるんだ?」
「い、いやぁ、別に何もしてないよ?ねぇ?由佳さん」
由佳さん?あいついつの間に由佳とそんなに親密な関係になってたんだ?
「そ、そうよ!私達は何もしてない!」
「分かった、お前らが何もしてないのはよく分かった」
あいつらは上手く隠せていると思ってるんだろうが、後ろに隠している物がちゃんと見えてるんだよ。
………あれは、パーティとかに使う飾りだな?一体何をするつもりなんだ?
大体予想はつくが、ここはあえて知らないふりをしておこう。
「じゃあ俺は、生徒会室に行くから」
「え?どうして?」
「ちょっとな」
冬霧は生徒会室に向かって、歩いていると四條とすれ違った。
「今日から仕事?副会長さんは」
「今更驚きはしないが、なんで知ってる?」
「生徒会室には、盗聴器を付けてあるから情報が入ってくるのよ」
こいつは一体何をやってるんだ、まずどうやって盗聴器なんて付けたんだ?
「そうかい、せいぜいバレないように注意しとけよ」
冬霧はそう言って四條と別れた。
生徒会室に着くと、ドアを開けるとそこには会長の他に二人は女子で一人は男子が立っていた。
「えっと、生徒会の方達ですよね?」
「そう、冬霧君には紹介しないといけないから、こうして来るまで待っていたんだ」
別に座って待ってても良かったんじゃあ………。
会長は一番左に立っている女子に耳打ちをすると紹介が始まった。
「私は三年二組、書記の堅山紀坂です。分からない事があったらいつでも聞いてください」
堅山は、優しい笑顔で冬霧を迎えてくれた。
「次は私ですね!私は一年四組、会計の浜谷佐那です。よろしくお願いします、冬霧先輩!」
今度の子は、テンションが高く何かと失敗をしそうなタイプに冬霧は見えた。
「俺も一年四組、会計の高峰弘也です。冬霧さんと一緒に仕事ができるなんて感激です!」
最後の一年の男子は、自分より強い男について行くような雰囲気の持ち主だった。
「そして僕が三年一組、会長の銘堂赤津だ。これからよろしく、副会長」
これから……ね、まあ楽しくなりそうだから退屈はしないだろう。
「俺は二年六組、今日から副会長を務める事になった冬霧瞬輔です!よろしくお願いします!」
冬霧が紹介を終えると、生徒会メンバーから拍手が送られた。
続く
なぜ、冬霧が副会長に任命されたのかを知りたかった。
「なぜ、俺なんですか?いや、その前に副会長は既にいるじゃないですか!」
「昨日の学園祭のイベントが終わった後から彼はもうこの学校にはいないよ」
それじゃあ別れ際に言っていた「いずれまたお会いしましょう」ってのはこういう事だったのか。
「今生徒会には、副会長がいません。だから冬霧君、君に副会長をやってもらいたい」
「嫌ですよ、副会長なんて」
冬霧は即答した。
もちろん銘堂は驚いた顔をし、かつ不思議そうに首を傾げた。
「なぜだい?副会長になれば、来年の会長は君になるかもしれないんだよ?」
「俺は別に生徒会長になりたいわけじゃないんですけど?」
「臀蝦蟇に関する情報が手に入ると分かっていても、そのセリフはまだ言えるかい?」
「どういう事ですか?」
確かに臀蝦蟇は最近、俺に関係した人間ばかり狙いを定めている気はする。
もし俺が副会長になり、臀蝦蟇の情報が手に入れば俺の周りにいる人間には被害が及ばなくなるだろう。
「もう一度聞きますよ、なぜ俺なんですか?」
「簡単だよ、副会長の悪事を突き止める程の頭脳の持ち主であり〝双剣の騎士〟と呼ばれる程の実力者。これ以外に何か理由が必要かい?」
会長まで俺の二つ名を知ってるという事は、裏で何かあると考えてもいいが、今はやめておこう。
「分かりました、副会長になりましょう」
「それは良かった」
「ただし、一つだけ条件があります。俺が臀蝦蟇関係で死んだ時は、他言無用でお願いします」
「いいでしょう、これからよろしく頼みましたよ。冬霧副会長」
臀蝦蟇の連中が、この先何も仕掛けてこないというのはありえない話だ。
だが情報が無いんじゃ、手の打ち用がない。なら副会長になり情報を得て対策を練る方が得策だろう。
「明日から、よろしくお願いします」
冬霧はこの瞬間から、副会長となった。
そして翌日、教室に入ると皆落ち着かない様子を見せた。
昨日までは、鋭い目つきをしてこっちを見ていたくせにいきなりどうしたんだ?
「なあ圭人、一体何があったんだ?」
「さぁ、俺は知らないよ?」
絶対嘘だ、このわざとらしい口調は知ってるという証拠だ。
「お前まさかとは思うが、生徒会室での話を聞いてクラスの皆に話したんじゃないだろうな?」
「な、なんの事かなぁ?」
「ごまかすな!お前は嘘をつく時に必ず目を下に向ける癖があるんだよ!」
まったく、なんでこんな面倒な事になったんだろう。
俺が副会長になったらいけないのかよ!
「それで、絢香と由佳はさっきからこそこそと何をやってるんだ?」
「い、いやぁ、別に何もしてないよ?ねぇ?由佳さん」
由佳さん?あいついつの間に由佳とそんなに親密な関係になってたんだ?
「そ、そうよ!私達は何もしてない!」
「分かった、お前らが何もしてないのはよく分かった」
あいつらは上手く隠せていると思ってるんだろうが、後ろに隠している物がちゃんと見えてるんだよ。
………あれは、パーティとかに使う飾りだな?一体何をするつもりなんだ?
大体予想はつくが、ここはあえて知らないふりをしておこう。
「じゃあ俺は、生徒会室に行くから」
「え?どうして?」
「ちょっとな」
冬霧は生徒会室に向かって、歩いていると四條とすれ違った。
「今日から仕事?副会長さんは」
「今更驚きはしないが、なんで知ってる?」
「生徒会室には、盗聴器を付けてあるから情報が入ってくるのよ」
こいつは一体何をやってるんだ、まずどうやって盗聴器なんて付けたんだ?
「そうかい、せいぜいバレないように注意しとけよ」
冬霧はそう言って四條と別れた。
生徒会室に着くと、ドアを開けるとそこには会長の他に二人は女子で一人は男子が立っていた。
「えっと、生徒会の方達ですよね?」
「そう、冬霧君には紹介しないといけないから、こうして来るまで待っていたんだ」
別に座って待ってても良かったんじゃあ………。
会長は一番左に立っている女子に耳打ちをすると紹介が始まった。
「私は三年二組、書記の堅山紀坂です。分からない事があったらいつでも聞いてください」
堅山は、優しい笑顔で冬霧を迎えてくれた。
「次は私ですね!私は一年四組、会計の浜谷佐那です。よろしくお願いします、冬霧先輩!」
今度の子は、テンションが高く何かと失敗をしそうなタイプに冬霧は見えた。
「俺も一年四組、会計の高峰弘也です。冬霧さんと一緒に仕事ができるなんて感激です!」
最後の一年の男子は、自分より強い男について行くような雰囲気の持ち主だった。
「そして僕が三年一組、会長の銘堂赤津だ。これからよろしく、副会長」
これから……ね、まあ楽しくなりそうだから退屈はしないだろう。
「俺は二年六組、今日から副会長を務める事になった冬霧瞬輔です!よろしくお願いします!」
冬霧が紹介を終えると、生徒会メンバーから拍手が送られた。
続く
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