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「あ、あの…ど、どなたですか?ぼ、僕に…何かご用でしょうか…?」
僕は椅子から降りて立ち上がると、ミアを後ろに控えさせたまま男性に向かって一歩前に出た。
見た目の雰囲気からして、いきなり殴っては来ない…と信じている。だけど、こんな人見たことない。薄い金色の髪、青い瞳、これじゃあまるでー
「アレン!パパがね、アレンにお礼言いたいんだって!」
男性の後ろの方から泣きじゃくっていたステラがボロボロの顔で小走りで俺たちの方にやってきた。
確かに、髪の毛や瞳の感じはステラやフェリシアに似ているが、俺は前世でこの人間を見たことがないからハッキリと断言ができない。
ただ、特徴はある…しかもステラがパパと呼んでいるんだ。
「お、お父さん?」
「アレン君。フェリシアを助けてくれてありがとう。あの子が無事でいられるのは、間違いなく君のおかげだ。我が家は君に大きな恩を負った。だがどうか、まずはこの気持ちだけは受け取ってくれ。」
戸惑う俺のことをよそに、俺の手を取ると汚い土の地面に膝をつき、涙を浮かべながら強く手を握ってくれた。
そうだ。思い出した。前世では直接会ったことがないんじゃなくて、会えなかったんだ。
フェリシアが失踪してしまってから魔道具の開発まで、確かこの人は魔導研究所に入り浸っていてほとんど外に出てはこなかったんだ。話したこともなかったし、魔導研究の第一人者ってことで警備も厳重だったし、多分家にもほとんど帰ってきてないんじゃなかったかな。子供時代にもほとんど記憶にないし。
「フェリシアのお父さん…お礼なんて、とんでもありません。僕はただ、大切な友達を守りたかっただけなんです。それに…彼女のスカートまで破いてしまって、足にも傷をつけてしまいました。むしろ謝らなきゃいけないのは僕の方です。本当に…申し訳ありません。」
スカートをめくって足を触った事は話す勇気がなくて怪我をさせてしまった事と、スカートを破いて包帯代わりに使ってくれた事への感謝とお詫びだけは入れてみた。頼む!子供がしたことなんだ。大目に見てくれ。もう二度と近づかないし触らないから許してくれ。人生まだ終わりたくない!
「本当に君は勇敢なんだな。それに薬学の知識もある素晴らしい才能だ。ロザーク家は素晴らしいご子息を持ったな」
彼は立ち上がると、少し後ろで椅子に座るフェリシアを連れて戻ってきた。
「フェリシアの足を切ったのは遅効性の毒がある植物で、君の処置が遅かったら彼女の足はもっと大きく腫れて最悪切断した可能性もある」
そう言うとフェリシアのスカートを少しまくり上げると、傷の周りがまだらに赤紫色に変色していた。
もしあの時、キズに気が付かなかったら?傷に薬を塗るのをためらったら?フェリシアは結果命を落としていたかもしれない。時間という見えない敵は人攫いからフェリシアを救う、というミッションクリアだけではなく、遅効性の毒でフェリシア殺しに来た、という事か。偶然見つけて、偶然持っていたからよかったが、少しでも迷っていたら危なかったな。これが未来を変えるという事なのか…。
「その、さっきは…ごめん。……‥…ありがと」
小さい声でごにょごにょと話すフェリシアは、恥ずかしそうに謝って、小さく最後に「ありがと」と言うと駆け付けたロザーク家の従者に傷の治療のため先に戻ります。とのことで一足先にフェリシアは帰っていった。抱きかかえられたフェリシアが俺に向かって何かを話しかけようとしていたが、気恥ずかしそうにまたそっぽを向いたまま連れていかれてしまった。
「君が持っていた毒に効く薬草、ゆっくり一肌の温度ですりつぶし、すぐに患部へ塗る。完璧な処置だ。改めて言おう。娘を助けてくれてありがとう。どうだろう?何かお礼をさせてくれないか?どんなことでも私にできることは惜しまず協力しよう」
魔導研究の第一人者がお礼をしたい。だなんて、こんなラッキーボーナス、二度とないぞ。何か、今後未来を変えるために必要な知識や材料が欲しい。俺は非力だ。いくら前世の記憶があっても立ち向かう力がない。
魔道具のことを教えて、開発を速めてもらうとか?でもあの人さらいの親分も魔道具の量産化を知っていたし、下手に刺激して未来が大きく変わってしまうのは避けたい。それ以外で、何か俺が生きていく上で必要なものは…。
「おじさん…。その話、もう少し待ってもらってもいいですか?ゆっくり考えてみたいです」
「ルシアンと呼んで構わない。君とはもう他人ではないのだ。友人として接してくれ。いつでもいいんだ。よく考えてもらって構わない。…そうだ。近いうちに家に来ないか?ささやかだが食事会に君を招待させてほしい。」
食事会!?なんだそれ。ステラの家にすら行った事がなかったのに、前世ではなかったイベントがあるぞ。
行かない…、よりは行った方がいいのだろうか?まだ人さらいの件が落ち着いたとは言い切れない。念のために行くべきだろうか。
「ステラやフェリシアも喜ぶと思うんだが、どうかな?」
考えに夢中になってしまい、ルシアンの誘いの返事が遅くなってしまった。ここは、行った方がなにか収穫があるかもしれないな。
「はいっ!ありがとうございます!ぜひお伺いしたいです!」
俺はルシアンの差し出している手を両手で握りしめた。
僕は椅子から降りて立ち上がると、ミアを後ろに控えさせたまま男性に向かって一歩前に出た。
見た目の雰囲気からして、いきなり殴っては来ない…と信じている。だけど、こんな人見たことない。薄い金色の髪、青い瞳、これじゃあまるでー
「アレン!パパがね、アレンにお礼言いたいんだって!」
男性の後ろの方から泣きじゃくっていたステラがボロボロの顔で小走りで俺たちの方にやってきた。
確かに、髪の毛や瞳の感じはステラやフェリシアに似ているが、俺は前世でこの人間を見たことがないからハッキリと断言ができない。
ただ、特徴はある…しかもステラがパパと呼んでいるんだ。
「お、お父さん?」
「アレン君。フェリシアを助けてくれてありがとう。あの子が無事でいられるのは、間違いなく君のおかげだ。我が家は君に大きな恩を負った。だがどうか、まずはこの気持ちだけは受け取ってくれ。」
戸惑う俺のことをよそに、俺の手を取ると汚い土の地面に膝をつき、涙を浮かべながら強く手を握ってくれた。
そうだ。思い出した。前世では直接会ったことがないんじゃなくて、会えなかったんだ。
フェリシアが失踪してしまってから魔道具の開発まで、確かこの人は魔導研究所に入り浸っていてほとんど外に出てはこなかったんだ。話したこともなかったし、魔導研究の第一人者ってことで警備も厳重だったし、多分家にもほとんど帰ってきてないんじゃなかったかな。子供時代にもほとんど記憶にないし。
「フェリシアのお父さん…お礼なんて、とんでもありません。僕はただ、大切な友達を守りたかっただけなんです。それに…彼女のスカートまで破いてしまって、足にも傷をつけてしまいました。むしろ謝らなきゃいけないのは僕の方です。本当に…申し訳ありません。」
スカートをめくって足を触った事は話す勇気がなくて怪我をさせてしまった事と、スカートを破いて包帯代わりに使ってくれた事への感謝とお詫びだけは入れてみた。頼む!子供がしたことなんだ。大目に見てくれ。もう二度と近づかないし触らないから許してくれ。人生まだ終わりたくない!
「本当に君は勇敢なんだな。それに薬学の知識もある素晴らしい才能だ。ロザーク家は素晴らしいご子息を持ったな」
彼は立ち上がると、少し後ろで椅子に座るフェリシアを連れて戻ってきた。
「フェリシアの足を切ったのは遅効性の毒がある植物で、君の処置が遅かったら彼女の足はもっと大きく腫れて最悪切断した可能性もある」
そう言うとフェリシアのスカートを少しまくり上げると、傷の周りがまだらに赤紫色に変色していた。
もしあの時、キズに気が付かなかったら?傷に薬を塗るのをためらったら?フェリシアは結果命を落としていたかもしれない。時間という見えない敵は人攫いからフェリシアを救う、というミッションクリアだけではなく、遅効性の毒でフェリシア殺しに来た、という事か。偶然見つけて、偶然持っていたからよかったが、少しでも迷っていたら危なかったな。これが未来を変えるという事なのか…。
「その、さっきは…ごめん。……‥…ありがと」
小さい声でごにょごにょと話すフェリシアは、恥ずかしそうに謝って、小さく最後に「ありがと」と言うと駆け付けたロザーク家の従者に傷の治療のため先に戻ります。とのことで一足先にフェリシアは帰っていった。抱きかかえられたフェリシアが俺に向かって何かを話しかけようとしていたが、気恥ずかしそうにまたそっぽを向いたまま連れていかれてしまった。
「君が持っていた毒に効く薬草、ゆっくり一肌の温度ですりつぶし、すぐに患部へ塗る。完璧な処置だ。改めて言おう。娘を助けてくれてありがとう。どうだろう?何かお礼をさせてくれないか?どんなことでも私にできることは惜しまず協力しよう」
魔導研究の第一人者がお礼をしたい。だなんて、こんなラッキーボーナス、二度とないぞ。何か、今後未来を変えるために必要な知識や材料が欲しい。俺は非力だ。いくら前世の記憶があっても立ち向かう力がない。
魔道具のことを教えて、開発を速めてもらうとか?でもあの人さらいの親分も魔道具の量産化を知っていたし、下手に刺激して未来が大きく変わってしまうのは避けたい。それ以外で、何か俺が生きていく上で必要なものは…。
「おじさん…。その話、もう少し待ってもらってもいいですか?ゆっくり考えてみたいです」
「ルシアンと呼んで構わない。君とはもう他人ではないのだ。友人として接してくれ。いつでもいいんだ。よく考えてもらって構わない。…そうだ。近いうちに家に来ないか?ささやかだが食事会に君を招待させてほしい。」
食事会!?なんだそれ。ステラの家にすら行った事がなかったのに、前世ではなかったイベントがあるぞ。
行かない…、よりは行った方がいいのだろうか?まだ人さらいの件が落ち着いたとは言い切れない。念のために行くべきだろうか。
「ステラやフェリシアも喜ぶと思うんだが、どうかな?」
考えに夢中になってしまい、ルシアンの誘いの返事が遅くなってしまった。ここは、行った方がなにか収穫があるかもしれないな。
「はいっ!ありがとうございます!ぜひお伺いしたいです!」
俺はルシアンの差し出している手を両手で握りしめた。
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