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「こ、ここ、このたびはお招きいただきあ、ああ、ありがとうござい、ます」
ガッチガチに緊張した俺は、挨拶を済ませるとブランシュ家の食卓に座った。左右にはステラとフェリシアが座っている。
「あははは!公式の場でも特別な夜会でも何でもないんだ。緊張しないで、友人の家で食事をする。程度に思ってくれて構わないよ。そんなに緊張されるとかえって僕が悪いことをしている気持ちになってしまうからね」
「は、はぁ…」
ルシアンは大笑いをしながら涙を流していた。僕は自分の発言や仕草がまた恥ずかしくなり、委縮してしまう。
前世の頃から友人はほぼ0だったんだ。友人の家で食事、なんて人生2回目で初めて、と言ってもいいくらいなのに、緊張をするな、という方が無理な話だ。しかもここは初めて来たブランシュ家。隣座っているステラやフェリシアは、普段着…なのかもしれないけど、やっぱりかわいい。
「アレン君はもう学校に行ってるの?」
「う、うん。あの後も普通に行ってるよ。ステラたちはずっとお休みしていたけど、具合悪いの?」
「ちがうの。お姉ちゃんが念のため今日まで安静に寝ていなさい、ってお医者様に言われてたから、私もお母さんやお姉ちゃんのお手伝いがしたくて」
そうだった。安心しきってすっかり忘れてた。フェリシアは足の怪我があったはず。よくなったのだろうか?
そっとフェリシアに視線を向けてみるが、うつむいたまま口先を尖らせてちょっと不機嫌そうな顔をしていた。
いやだなぁ。声かけるの…。なんか急に怒鳴られたりしないだろうか。
「ふぇ、フェリシア?…その、足の傷は大丈夫?もうよくなったの?」
フェリシアは体をピクっと一瞬動かした後、耳を赤くしながらさらに下を向いて小刻みに震えだしてしまった。
やばい、まだ怒っているのかもしれない。
「あ、あのねフェリシア」
「あ、アレンくんのおかげでよくなりました!あの時、キズ薬をすぐに私の足に塗ってくれたから、お医者さんもすぐに良くなる。処置をした人に感謝するように、って言われました。だからありがとうございます!」
俺の呼びかけを遮って、すごく恥ずかしそうな顔と怒った顔が混ざったような表情で、棒読み、しかもところどころ怒りの色が出ていたけど、全体的に、とりあえずフェリシアの足を無断で触ったことの罰はなさそうだ。一安心できた。それに足の怪我も問題ないようだし、この件はこれで解決、と思っていいだろう。
「よく言えたわねフェリシアちゃん。えらいわぁ。ママ、とっても嬉しい」
奥のドアからミアと女性が一人入ってきた。ステラたちと同じ髪色をしたすごくきれいな女性だった。ママ、と言っているあたりお母さんだろう。
「…っ!!」
フェリシアは恥ずかしい、いやだ!って顔のまま無言で唇をかみしめていた。
「ごめんなさいねアレン君。命の恩人なのにちゃんとお礼が言えない子で。誰に似たのかすっごくプライドが高くて、しかもいつもステラちゃんを守る!って言ってたのに、自分が守られたものできっと照れちゃってるのよ。根はいい子だから、これからも仲良くしてあげてね~?」
母親の悪気ないフォローなのだろうが、フェリシアには刺さりまくったらしく小刻みに震えながら耳まで真っ赤になっている。そう言えば俺も前世でミアに、人前で褒められたりこんな風に『本当はいい子なんです』みたいなことを言われて恥ずかしくていても立ってもいられなくなった経験があるなぁ。母の気持ちもフェリシアの気持ちもわかるというのは、複雑なものだ。
「いや、いいんです。フェリシアが元気なら、僕はそれだけで嬉しいです」
「まぁ!なんて聡明な子なんでしょう!ミアちゃんのいう通りね!アレン君、とてもステラちゃんたちと同い年なんて思えないわぁ」
ギクッ!!…聞き分けが良すぎたのか。素直な気持ちを言葉にしただけなのだが、7歳なら何ていうのが正解なんだ?ミアは誇らしげにうなずいているが、お前はステラたちの母親に何を吹き込んだんだ?
「そうだろう?母さんもそう思うだろ?僕の見たところ、彼の精神年齢は13歳、…いや、15歳くらいかもしれない。よほどいい教育を受けているのか、彼自身の能力がすごいのか…。実に興味深い」
「じゅ、じゅうごさい!?」
悪い意味で驚いて声が出てしまった。15歳!?俺は30歳だぞ?30のおっさんだったのに、精神年齢が15歳程度!?いくら子供のふりして隠しているから、といっても…15歳程度とは…。
前世での経験がないからか?所詮無職で、日雇いやバイトなんかでその日暮らしをしていたせいか?頭も悪いし、なにか特技があったわけでもないし、そのせいで前世の俺は見た目は30歳、中身は15歳の痛いヤツだったのか?
ミアたちが料理をテーブルに並べてくれて食事会が始まったが、俺は自分が15歳程度のやつ。と言われたことがショックでこの時何を話していたか覚えていなかった。
人攫いたちの計画を阻止してフェリシアを守り、その後両親からも、ミアからも褒められ、学校に行ってもスターのような扱いを受けて正直、調子に乗っていたと思う。それにしても、世間から見たら俺の知識や経験なんて15歳レベルだったなんて…。
この時に覚えていたのは、肩を落としてがっくりしている俺の姿を見て静かに笑っていたフェリシアの笑顔だった。その笑顔を見て、不思議と自分もつられ笑いをしてしまった。
ガッチガチに緊張した俺は、挨拶を済ませるとブランシュ家の食卓に座った。左右にはステラとフェリシアが座っている。
「あははは!公式の場でも特別な夜会でも何でもないんだ。緊張しないで、友人の家で食事をする。程度に思ってくれて構わないよ。そんなに緊張されるとかえって僕が悪いことをしている気持ちになってしまうからね」
「は、はぁ…」
ルシアンは大笑いをしながら涙を流していた。僕は自分の発言や仕草がまた恥ずかしくなり、委縮してしまう。
前世の頃から友人はほぼ0だったんだ。友人の家で食事、なんて人生2回目で初めて、と言ってもいいくらいなのに、緊張をするな、という方が無理な話だ。しかもここは初めて来たブランシュ家。隣座っているステラやフェリシアは、普段着…なのかもしれないけど、やっぱりかわいい。
「アレン君はもう学校に行ってるの?」
「う、うん。あの後も普通に行ってるよ。ステラたちはずっとお休みしていたけど、具合悪いの?」
「ちがうの。お姉ちゃんが念のため今日まで安静に寝ていなさい、ってお医者様に言われてたから、私もお母さんやお姉ちゃんのお手伝いがしたくて」
そうだった。安心しきってすっかり忘れてた。フェリシアは足の怪我があったはず。よくなったのだろうか?
そっとフェリシアに視線を向けてみるが、うつむいたまま口先を尖らせてちょっと不機嫌そうな顔をしていた。
いやだなぁ。声かけるの…。なんか急に怒鳴られたりしないだろうか。
「ふぇ、フェリシア?…その、足の傷は大丈夫?もうよくなったの?」
フェリシアは体をピクっと一瞬動かした後、耳を赤くしながらさらに下を向いて小刻みに震えだしてしまった。
やばい、まだ怒っているのかもしれない。
「あ、あのねフェリシア」
「あ、アレンくんのおかげでよくなりました!あの時、キズ薬をすぐに私の足に塗ってくれたから、お医者さんもすぐに良くなる。処置をした人に感謝するように、って言われました。だからありがとうございます!」
俺の呼びかけを遮って、すごく恥ずかしそうな顔と怒った顔が混ざったような表情で、棒読み、しかもところどころ怒りの色が出ていたけど、全体的に、とりあえずフェリシアの足を無断で触ったことの罰はなさそうだ。一安心できた。それに足の怪我も問題ないようだし、この件はこれで解決、と思っていいだろう。
「よく言えたわねフェリシアちゃん。えらいわぁ。ママ、とっても嬉しい」
奥のドアからミアと女性が一人入ってきた。ステラたちと同じ髪色をしたすごくきれいな女性だった。ママ、と言っているあたりお母さんだろう。
「…っ!!」
フェリシアは恥ずかしい、いやだ!って顔のまま無言で唇をかみしめていた。
「ごめんなさいねアレン君。命の恩人なのにちゃんとお礼が言えない子で。誰に似たのかすっごくプライドが高くて、しかもいつもステラちゃんを守る!って言ってたのに、自分が守られたものできっと照れちゃってるのよ。根はいい子だから、これからも仲良くしてあげてね~?」
母親の悪気ないフォローなのだろうが、フェリシアには刺さりまくったらしく小刻みに震えながら耳まで真っ赤になっている。そう言えば俺も前世でミアに、人前で褒められたりこんな風に『本当はいい子なんです』みたいなことを言われて恥ずかしくていても立ってもいられなくなった経験があるなぁ。母の気持ちもフェリシアの気持ちもわかるというのは、複雑なものだ。
「いや、いいんです。フェリシアが元気なら、僕はそれだけで嬉しいです」
「まぁ!なんて聡明な子なんでしょう!ミアちゃんのいう通りね!アレン君、とてもステラちゃんたちと同い年なんて思えないわぁ」
ギクッ!!…聞き分けが良すぎたのか。素直な気持ちを言葉にしただけなのだが、7歳なら何ていうのが正解なんだ?ミアは誇らしげにうなずいているが、お前はステラたちの母親に何を吹き込んだんだ?
「そうだろう?母さんもそう思うだろ?僕の見たところ、彼の精神年齢は13歳、…いや、15歳くらいかもしれない。よほどいい教育を受けているのか、彼自身の能力がすごいのか…。実に興味深い」
「じゅ、じゅうごさい!?」
悪い意味で驚いて声が出てしまった。15歳!?俺は30歳だぞ?30のおっさんだったのに、精神年齢が15歳程度!?いくら子供のふりして隠しているから、といっても…15歳程度とは…。
前世での経験がないからか?所詮無職で、日雇いやバイトなんかでその日暮らしをしていたせいか?頭も悪いし、なにか特技があったわけでもないし、そのせいで前世の俺は見た目は30歳、中身は15歳の痛いヤツだったのか?
ミアたちが料理をテーブルに並べてくれて食事会が始まったが、俺は自分が15歳程度のやつ。と言われたことがショックでこの時何を話していたか覚えていなかった。
人攫いたちの計画を阻止してフェリシアを守り、その後両親からも、ミアからも褒められ、学校に行ってもスターのような扱いを受けて正直、調子に乗っていたと思う。それにしても、世間から見たら俺の知識や経験なんて15歳レベルだったなんて…。
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