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3.前途多難な石の日々
石②
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もうすぐ中間考査がはじまる。
テスト期間中は黒崎くんと席が離れる。少しずつ噂も下火になるはずだ。もしかしたら彼の怒りも薄れていくかもしれない。
それを願って毎日を過ごしていた。
「明日から中間テストなので、頑張ります……よしっ」
書いた手紙を丁寧に折りたたんで、隣で待ってくれているブルーの首輪に結ぶ。お礼のおやつを一つ床に置くと、ブルーはいつものように可愛い舌をぺろりと出してそれを食べた。
あれから飼い主さんとの文通が続いていて、夜になるとこうしてブルーは手紙を運んで来てくれた。
ブルーは5歳で、ロシアンブルーとシャムのミックス。あの青い目はシャム猫のお母さん譲りらしい。
チーズとささみが大好き。最近のお気に入りは鈴のついた猫じゃらしで、夢中になって遊んでいるそうだ。
いろんなブルーを知ると、ますます可愛く思えてくる。それに加えて、飼い主さんとの手紙のやり取りも毎日の楽しみになっていた。
飼い主さんは、自称「77歳のおばあちゃん」のとてもかわいい人だ。本名かどうかはわからないけれど、手紙の最後にいつも「花」と記されているから、花さんと呼んでいる。
最近ではブルーのことだけじゃなく、お互いの好みや趣味、学校のことも書くようになった。
恋人はいるかと聞かれて、ずっと女子校だったから男の子が苦手だと伝えると、花さんも女子校だったことや亡くなったご主人との馴れ初めを教えてくれた。
顔も本名も知らない間柄だからこそ、ちょっとした悩みも打ち明けることができた。
テスト期間が終わるとまた石になる毎日が始まる私にとって、花さんとの文通とブルーとの交流は何よりの癒しだった。
テスト期間中は黒崎くんと席が離れる。少しずつ噂も下火になるはずだ。もしかしたら彼の怒りも薄れていくかもしれない。
それを願って毎日を過ごしていた。
「明日から中間テストなので、頑張ります……よしっ」
書いた手紙を丁寧に折りたたんで、隣で待ってくれているブルーの首輪に結ぶ。お礼のおやつを一つ床に置くと、ブルーはいつものように可愛い舌をぺろりと出してそれを食べた。
あれから飼い主さんとの文通が続いていて、夜になるとこうしてブルーは手紙を運んで来てくれた。
ブルーは5歳で、ロシアンブルーとシャムのミックス。あの青い目はシャム猫のお母さん譲りらしい。
チーズとささみが大好き。最近のお気に入りは鈴のついた猫じゃらしで、夢中になって遊んでいるそうだ。
いろんなブルーを知ると、ますます可愛く思えてくる。それに加えて、飼い主さんとの手紙のやり取りも毎日の楽しみになっていた。
飼い主さんは、自称「77歳のおばあちゃん」のとてもかわいい人だ。本名かどうかはわからないけれど、手紙の最後にいつも「花」と記されているから、花さんと呼んでいる。
最近ではブルーのことだけじゃなく、お互いの好みや趣味、学校のことも書くようになった。
恋人はいるかと聞かれて、ずっと女子校だったから男の子が苦手だと伝えると、花さんも女子校だったことや亡くなったご主人との馴れ初めを教えてくれた。
顔も本名も知らない間柄だからこそ、ちょっとした悩みも打ち明けることができた。
テスト期間が終わるとまた石になる毎日が始まる私にとって、花さんとの文通とブルーとの交流は何よりの癒しだった。
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