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第四章 水沢綾乃
第二十一話 合コンとセックスとトラウマと *
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平成十八年、十月。
大輔は過酷な新人時代をどうにか乗り越え、公務員として四年目を迎えていた。
「菅原君、菅原君」
丸ノ内線・霞が関駅のホームで、大輔は背後から声を掛けられる。
振り返ると、濃紺のスーツを着た男性が笑顔で立っていた。
「新井先輩! どうも、ご無沙汰してます」
新井秀雄。
大輔の大学の一つ上の先輩であり、現在は経済産業省の官僚である。
大輔が三年生の時に参加した公務員セミナーで、彼はチューターとして合格体験談を語ってくれた。
「久しぶり。合格祝賀会以来だね。どう? 元気にやってる?」
新井は大輔の肩に手をおいて、気さくに話しかけてくる。
味気ない真白いワイシャツに、サイドを短く刈り込んだ七三ヘア。まさに官僚といった風体だ。
気まずそうに俯き、後頭部に手をあてる大輔。
「お陰様で……すみません。あれきりご挨拶にも伺わず」
「そんなこと気にしなくていいって。入省してから、息つく暇もなかっただろう?」
「えぇ……想像以上でした」
「俺も最初の頃は、いつ辞めてやろうかって毎日思ってたよ」
新井は白い歯を見せて屈託なく笑い、大輔を促すようにしてエスカレーターに足を向けた。
先輩を先に乗せ、後に続く大輔。その靴が見事に黒光りしているのに気付き、自分の汚れた靴を隠すように、脚を交差気味にして立つ。
世間話をしながら改札を抜け地上に出ると、新井が何かを思い出したようで、突然立ち止まった。
「そうだ。菅原君に頼もうかな」
一歩後ずさりをし、怖気を見せる大輔。
「な、なんですか。急に……」
「今晩、ちょっとした集まりがあるんだけど、付き合って欲しいんだ。頼めるかなぁ?」
新井が誘ってきたのは、所謂合コンであった。相手はキャビン・アテンダント。
急遽男性一名の欠員が出てしまい、困っていたと言う。
「そんな急に言われても、困ります。それに自分、合コンとか経験がないんで……」
「大丈夫、大丈夫。気楽に来てもらっていいから」
「ダメですって。自分今日は、見ての通り適当なスーツに汚い靴で……」
「むしろ歓迎だよ。あんまり気合入った格好だと、逆に向こうがドン引きするから」
「いや、でも……」
何を言っても首を縦に振らない後輩に、新井は最後の手段に出る。
「なぁ、先輩を助けると思って、頼むよ。面接の裏技、教えてあげただろう?」
大輔は観念したように溜息をついた。
「勘弁してくださいよ。そんなこと言われたら、断れないじゃないですか……」
「よっし! 決まりだな」
閉口する大輔とは対照的に、新井はウンウンと満足そうに頷いた。
****
午後七時半。表参道のメキシコ料理屋で、それは開催された。
週末とあって、レストランはほぼ満席である。
色鮮やかな店内の装飾、ラテンミュージック、独特の刺繍を施した民族衣装のウェイトレス。
四人掛けのテーブル席を繋げて、男四人、女四人がそれぞれ向かい合う。
タコスやケサディーヤといった料理が並び、末席の大輔は率先してそれらを取り分けた。何か作業をしていないと、手持ち無沙汰で間が持たなかった。
男性は自分以外、経産省の人間。年齢は自分と新井が二十代、残りの二人は三十代だった。
対する女性陣は、全員三十代。中にはアラフォーに足を突っ込んでいる女性もいた。とはいえ、流石キャビン・アテンダント。美人揃いだ。
男性陣はもとより、女性陣もかなり気合が入っている。彼女たちのメイクや服装が、それを物語っていた。
そして全員が揃ったところで、出身地や家族構成、結婚したらどういう家庭を築きたいかなど、一人ずつ詳しく喋らされた。
この集まりは、合コンなんて軽いものじゃない。
完全に、お見合いパーティーだ。
自分はまんまと、新井に騙されたのだ。
男性陣とは事前に名刺交換をして、だいたいの素性は分かった。
ひとつ共通しているのは、新井も含めて全員、結婚する気満々ということ。お互いに共同戦線を組んで、頑張りましょうと鼓舞しあっていた。
「僕らの仕事って、出会いがないだろう? 親が心配して、結婚相談所とかに入らせようとするんだよ。だから出来るだけ、こういう機会は逃さないようにしているんだ」
参加者の一人は、苦笑いをしながらそう言った。
自分も結婚したい気持ちはあるが、今はそれどころではない。
四年目に突入して、ようやく自分の足で歩けるようになった。責任ある地位に就くのはまだまだ相当先だ。それまではプライベートに足を引っ張られたくない。
自分は一番年下。無難な受け答えに徹し、裏方に回っておくのが賢明だろう。
中座してトイレで用を足した大輔が手を洗っていると、新井が姿を見せた。
「菅原君。さっきの話、すごく新鮮だったよ。面白かった。外務省ネタはやっぱり女性ウケが良い」
機嫌の良さそうな新井。大輔は眉間に皺を寄せる。
「無理矢理喋らせたくせに……これっきりにしてくださいよ」
ハハハと呑気に笑う新井をトイレに残して、フロアに戻る大輔。
薄暗い通路に出た瞬間、横から腕を掴まれた。驚いて肩を竦める。
「ねぇ、外務省」
合コンのメンバーの一人である女性が、腕を掴んでいる。どうやら、待ち伏せをしていたようだった。
「なんでしょう……か」
腰を引きつつ、恐る恐る問いかける。
女性の名は、水沢綾乃。
年は三十一歳。
胸の下まである黒髪。二重の大きな瞳。聡明そうな鼻筋。
自信に満ちたその佇まいは、恭子を思い出させた。
「菅原君、だっけ? あなた、この合コン、数合わせで呼ばれてるんでしょ?」
「いや……そんなことは……」
「無理しなくて良いって。新井君から事情は聞いてるから」
「はぁ……」
げんなりとした大輔の耳元に、綾乃が顔を近づけてくる。
これでもかというホワイトムスクの香りに、むせそうになる。
「実はね、私もそうなんだ。ねぇ、一緒に抜けない?」
****
その後二人は、どちらからともなくラブホテルに入った。
渋谷で飲みなおそうと提案してきたのは、綾乃の方だった。
大輔は彼女の言動から、自分を誘っているのだろうと確信した。これを無視して帰っては、女性に対して失礼だ。
千夏と別れてから、女性とデートどころか、食事もしたことがなかった。
彼女との最後があまりにもショッキングで、もう女性とは付き合えないとすら思っていた。
好きな女性に、あんなことをするなんて。
三ヶ月かけて積み上げてきた彼女との信頼関係を、たった一瞬の情欲でぶち壊してしまった。自分がこれほど、理性の利かない男だったとは。
これから好きになる女性にも、何を仕出かすかわからない。
もう自分の行動に、自信が持てなくなっていた。
しかし今の大輔は、酒が入っていることもあって破れかぶれだった。
新井は合コンと偽って自分を誘った。自分は騙された。その事実に変わりはない。
抜け駆けしたところで、見逃してもらう権利が自分にはある。
それに、誘ってきたのは彼女の方だ。俺じゃない。
アジアンリゾート調の部屋に足を踏み入れると、綾乃は大輔の首に腕を絡ませ、唇を合わせてきた。
大輔は彼女のテーラードジャケットを脱がせ、ベッドに押し倒す。
綾乃は愛撫を受けながら目を丸くした。
「……驚いた。意外と女慣れしてるのね」
「そんなこと……」
彼女とキスをしながら、大輔は器用に上着を脱ぎ捨てた。
参加した四名の女性陣は、さほど仲が良さそうには見えなかった。
中でも綾乃は最年少ということもあり、他の三人に比べて明るくラフな印象だった。
「どうせ結婚するなら、ハイスペックな男が良いと思って」
歯に衣着せぬ物言いの彼女に、面々は呆気にとられたが、大輔は思わず吹き出してしまった。
「なぁに? なにか可笑しかった?」
「いえ。素直な方だなぁと思って」
このやり取りの三時間後、二人はベッドで愛し合っていた。
「ああんっ、もっと……」
裸の綾乃が、腰を浮かしながら息を吐く。
大輔は彼女の両太腿を掴んで、女性器をゆっくりと舐めていた。
三十代の女性はどんなものかと思っていたが、年齢を感じさせる要素は何もない。
気になった点といえば、下着姿にしたとき、彼女が紐パンを履いていたことだ。
普段からそうなのかもしれないが、男からすると「そのつもりで来たんだな」と思ってしまう。彼女は相当遊んでいるのかもしれない。
とはいえ、自分としては人生初の【女性の紐パンを脱がせる】ことができた。経験としては悪くないし、興奮したことは否定しない。
「……やだぁ、気持ちいい……いやぁんっ!」
枕で顔を覆い、綾乃が身体を左右に振りながら善がる。
暫くすると、彼女が顔を上げて大輔の肩を揺らした。
「私も、してあげるぅ」
返事に窮する大輔。
ここで受けたら、またやってしまいそうな気がする。
一夜限りのつもりとはいえ、新井と繋がっている女性だ。失礼なことはできない。
「俺、もう我慢できないんだ。挿れていい?」
嘘だった。
どうかこのまま、やりすごせますように。
どうか、彼女がしたがりませんように。
大輔は過酷な新人時代をどうにか乗り越え、公務員として四年目を迎えていた。
「菅原君、菅原君」
丸ノ内線・霞が関駅のホームで、大輔は背後から声を掛けられる。
振り返ると、濃紺のスーツを着た男性が笑顔で立っていた。
「新井先輩! どうも、ご無沙汰してます」
新井秀雄。
大輔の大学の一つ上の先輩であり、現在は経済産業省の官僚である。
大輔が三年生の時に参加した公務員セミナーで、彼はチューターとして合格体験談を語ってくれた。
「久しぶり。合格祝賀会以来だね。どう? 元気にやってる?」
新井は大輔の肩に手をおいて、気さくに話しかけてくる。
味気ない真白いワイシャツに、サイドを短く刈り込んだ七三ヘア。まさに官僚といった風体だ。
気まずそうに俯き、後頭部に手をあてる大輔。
「お陰様で……すみません。あれきりご挨拶にも伺わず」
「そんなこと気にしなくていいって。入省してから、息つく暇もなかっただろう?」
「えぇ……想像以上でした」
「俺も最初の頃は、いつ辞めてやろうかって毎日思ってたよ」
新井は白い歯を見せて屈託なく笑い、大輔を促すようにしてエスカレーターに足を向けた。
先輩を先に乗せ、後に続く大輔。その靴が見事に黒光りしているのに気付き、自分の汚れた靴を隠すように、脚を交差気味にして立つ。
世間話をしながら改札を抜け地上に出ると、新井が何かを思い出したようで、突然立ち止まった。
「そうだ。菅原君に頼もうかな」
一歩後ずさりをし、怖気を見せる大輔。
「な、なんですか。急に……」
「今晩、ちょっとした集まりがあるんだけど、付き合って欲しいんだ。頼めるかなぁ?」
新井が誘ってきたのは、所謂合コンであった。相手はキャビン・アテンダント。
急遽男性一名の欠員が出てしまい、困っていたと言う。
「そんな急に言われても、困ります。それに自分、合コンとか経験がないんで……」
「大丈夫、大丈夫。気楽に来てもらっていいから」
「ダメですって。自分今日は、見ての通り適当なスーツに汚い靴で……」
「むしろ歓迎だよ。あんまり気合入った格好だと、逆に向こうがドン引きするから」
「いや、でも……」
何を言っても首を縦に振らない後輩に、新井は最後の手段に出る。
「なぁ、先輩を助けると思って、頼むよ。面接の裏技、教えてあげただろう?」
大輔は観念したように溜息をついた。
「勘弁してくださいよ。そんなこと言われたら、断れないじゃないですか……」
「よっし! 決まりだな」
閉口する大輔とは対照的に、新井はウンウンと満足そうに頷いた。
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午後七時半。表参道のメキシコ料理屋で、それは開催された。
週末とあって、レストランはほぼ満席である。
色鮮やかな店内の装飾、ラテンミュージック、独特の刺繍を施した民族衣装のウェイトレス。
四人掛けのテーブル席を繋げて、男四人、女四人がそれぞれ向かい合う。
タコスやケサディーヤといった料理が並び、末席の大輔は率先してそれらを取り分けた。何か作業をしていないと、手持ち無沙汰で間が持たなかった。
男性は自分以外、経産省の人間。年齢は自分と新井が二十代、残りの二人は三十代だった。
対する女性陣は、全員三十代。中にはアラフォーに足を突っ込んでいる女性もいた。とはいえ、流石キャビン・アテンダント。美人揃いだ。
男性陣はもとより、女性陣もかなり気合が入っている。彼女たちのメイクや服装が、それを物語っていた。
そして全員が揃ったところで、出身地や家族構成、結婚したらどういう家庭を築きたいかなど、一人ずつ詳しく喋らされた。
この集まりは、合コンなんて軽いものじゃない。
完全に、お見合いパーティーだ。
自分はまんまと、新井に騙されたのだ。
男性陣とは事前に名刺交換をして、だいたいの素性は分かった。
ひとつ共通しているのは、新井も含めて全員、結婚する気満々ということ。お互いに共同戦線を組んで、頑張りましょうと鼓舞しあっていた。
「僕らの仕事って、出会いがないだろう? 親が心配して、結婚相談所とかに入らせようとするんだよ。だから出来るだけ、こういう機会は逃さないようにしているんだ」
参加者の一人は、苦笑いをしながらそう言った。
自分も結婚したい気持ちはあるが、今はそれどころではない。
四年目に突入して、ようやく自分の足で歩けるようになった。責任ある地位に就くのはまだまだ相当先だ。それまではプライベートに足を引っ張られたくない。
自分は一番年下。無難な受け答えに徹し、裏方に回っておくのが賢明だろう。
中座してトイレで用を足した大輔が手を洗っていると、新井が姿を見せた。
「菅原君。さっきの話、すごく新鮮だったよ。面白かった。外務省ネタはやっぱり女性ウケが良い」
機嫌の良さそうな新井。大輔は眉間に皺を寄せる。
「無理矢理喋らせたくせに……これっきりにしてくださいよ」
ハハハと呑気に笑う新井をトイレに残して、フロアに戻る大輔。
薄暗い通路に出た瞬間、横から腕を掴まれた。驚いて肩を竦める。
「ねぇ、外務省」
合コンのメンバーの一人である女性が、腕を掴んでいる。どうやら、待ち伏せをしていたようだった。
「なんでしょう……か」
腰を引きつつ、恐る恐る問いかける。
女性の名は、水沢綾乃。
年は三十一歳。
胸の下まである黒髪。二重の大きな瞳。聡明そうな鼻筋。
自信に満ちたその佇まいは、恭子を思い出させた。
「菅原君、だっけ? あなた、この合コン、数合わせで呼ばれてるんでしょ?」
「いや……そんなことは……」
「無理しなくて良いって。新井君から事情は聞いてるから」
「はぁ……」
げんなりとした大輔の耳元に、綾乃が顔を近づけてくる。
これでもかというホワイトムスクの香りに、むせそうになる。
「実はね、私もそうなんだ。ねぇ、一緒に抜けない?」
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その後二人は、どちらからともなくラブホテルに入った。
渋谷で飲みなおそうと提案してきたのは、綾乃の方だった。
大輔は彼女の言動から、自分を誘っているのだろうと確信した。これを無視して帰っては、女性に対して失礼だ。
千夏と別れてから、女性とデートどころか、食事もしたことがなかった。
彼女との最後があまりにもショッキングで、もう女性とは付き合えないとすら思っていた。
好きな女性に、あんなことをするなんて。
三ヶ月かけて積み上げてきた彼女との信頼関係を、たった一瞬の情欲でぶち壊してしまった。自分がこれほど、理性の利かない男だったとは。
これから好きになる女性にも、何を仕出かすかわからない。
もう自分の行動に、自信が持てなくなっていた。
しかし今の大輔は、酒が入っていることもあって破れかぶれだった。
新井は合コンと偽って自分を誘った。自分は騙された。その事実に変わりはない。
抜け駆けしたところで、見逃してもらう権利が自分にはある。
それに、誘ってきたのは彼女の方だ。俺じゃない。
アジアンリゾート調の部屋に足を踏み入れると、綾乃は大輔の首に腕を絡ませ、唇を合わせてきた。
大輔は彼女のテーラードジャケットを脱がせ、ベッドに押し倒す。
綾乃は愛撫を受けながら目を丸くした。
「……驚いた。意外と女慣れしてるのね」
「そんなこと……」
彼女とキスをしながら、大輔は器用に上着を脱ぎ捨てた。
参加した四名の女性陣は、さほど仲が良さそうには見えなかった。
中でも綾乃は最年少ということもあり、他の三人に比べて明るくラフな印象だった。
「どうせ結婚するなら、ハイスペックな男が良いと思って」
歯に衣着せぬ物言いの彼女に、面々は呆気にとられたが、大輔は思わず吹き出してしまった。
「なぁに? なにか可笑しかった?」
「いえ。素直な方だなぁと思って」
このやり取りの三時間後、二人はベッドで愛し合っていた。
「ああんっ、もっと……」
裸の綾乃が、腰を浮かしながら息を吐く。
大輔は彼女の両太腿を掴んで、女性器をゆっくりと舐めていた。
三十代の女性はどんなものかと思っていたが、年齢を感じさせる要素は何もない。
気になった点といえば、下着姿にしたとき、彼女が紐パンを履いていたことだ。
普段からそうなのかもしれないが、男からすると「そのつもりで来たんだな」と思ってしまう。彼女は相当遊んでいるのかもしれない。
とはいえ、自分としては人生初の【女性の紐パンを脱がせる】ことができた。経験としては悪くないし、興奮したことは否定しない。
「……やだぁ、気持ちいい……いやぁんっ!」
枕で顔を覆い、綾乃が身体を左右に振りながら善がる。
暫くすると、彼女が顔を上げて大輔の肩を揺らした。
「私も、してあげるぅ」
返事に窮する大輔。
ここで受けたら、またやってしまいそうな気がする。
一夜限りのつもりとはいえ、新井と繋がっている女性だ。失礼なことはできない。
「俺、もう我慢できないんだ。挿れていい?」
嘘だった。
どうかこのまま、やりすごせますように。
どうか、彼女がしたがりませんように。
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