23 / 135
第三章
3-2 頼まれごとを引き受ける
しおりを挟む
横から話を聞いている限りでは、その『月牙狼』の特殊個体も他の高ランク依頼も、この3人の実力なら問題ないんだろうなぁ。それだけ、この3人は強い。
「ふむ……」
ギルド長の言葉に、ジャウマさんは考え込むように口元に手を当てる。
ジャウマさんたちが『冒険者』として活動をするのは、『黒い魔獣』がそこに居るだろうと当たりを付けた時だけで、それ以外には余計なことに手は出さない。それを決めるのもアリアちゃんなのだそうだ。
ジャウマさんが、隣に座る兎耳の少女に尋ねる。
「アリア、どうする?」
「んー? 私、ケーキが食べたいーー」
アリアちゃんが、満面の笑みでニッコリと微笑む。って、そういうことを聞かれたんじゃないと思うんだけど……
「あ、ああ。ケーキなんかで良ければ、後で買ってこさせよう」
「本当!? わああああいいい」
ギルド長の言葉に、両手を上げて喜ぶアリアちゃんの頭をヴィーさんがガシガシと撫でる。
「決まりだな! アリア、よかったなーー!!」
ええ?? そんなんでいいの??
「次の満月は10日後ですね」
「ああ。いつも通りなら、その日にヤツが現れる」
「わかりました。その10日後の晩までは、こちらの町に滞在しましょう」
ジャウマさんは、改めてギルド長の方に向き直してそう告げた。
時間が遅くなった詫びにと、ギルド長の部屋で夕食とケーキをご馳走になり、冒険者ギルドを後にした頃にはすっかり辺りは暗くなっていた。
紹介してもらった宿で一番広い部屋に案内され、部屋で荷物を下ろした頃には、休むはずの時間をとっくに過ぎていた。
僕とアリアちゃんは、そのまま雪崩れるようにベッドに入り、すぐに眠ってしまった。
* * *
「アリア、ラウル、もう朝だぞ」
ジャウマさんの大声で目が覚めた。疲れの所為と久しぶりのベッドのお陰でぐっすりと眠っていたらしい。
声の大きさからすると、隣のベッドでまだ寝ているヴィーさんへの配慮はまるでないようだ。いや、あれはきっとヴィーさんにも聞かせるつもりなんだろう。
「ジャウパパ、おあよーー」
アリアちゃんは寝起きでもご機嫌だ。でもその向こうで、のそりと起きだしたヴィーさんは、これ以上ないほどに不機嫌な顔をしていた。
「ジャウマ、てめえ朝からうるせぇ」
「うるさくないぞ、もうとっくに日は上がっているからな。お前も昨日は早く寝てただろう。そんな日くらい朝は早く起きたらどうだ?」
「俺はデリケートなんだから、もう少し寝かせろよ」
デリケート……? いや、違うだろう。普段のヴィーさんを見ていると『デリケート』という言葉は全く似合わない。むしろセリオンさんの方が繊細そうだ。
そのセリオンさんの姿は見当たらない。彼もジャウマさんも、いつも朝が早い。
「もうすぐセリオンも朝の散歩から帰ってくるだろうし、朝飯にしよう」
ジャウマさんは、アリアちゃんを肩に抱き上げながらそう言った。
* * *
宿の一階にある食堂で、軽い朝食を頂きながら話をする。
「そう言えば、この町に10日も滞在することになって、良かったんですか?」
「ああ、いいんだ。別に急ぐ旅じゃあない」
「え?」
ジャウマさんの返事に、心で首を傾げる。
でも、毎日のように限界まで歩いていたじゃないか。少なくとも「のんびりと旅をしている」風には思えなかった。だから少し驚いた。
「今までもずっとずっと旅をしていたからな。今更10日ほど延びたところで大したことじゃあない。それにアリアが喜んでるしな」
名前を呼ばれたアリアちゃんは、果物をほおばりながら嬉しそうに笑う。
「まあ、急ぐのなら獣の姿になれば良い」
ジャウマさんに続けるように言ってから、セリオンさんは匙で掬ったスープを上品に口に運んだ。
そうだ。3人とも大きな獣の姿になることが出来るし、その背に僕も乗せてもらったことがある。しかも普通サイズの獣の姿にもなれるのだし、それなら森に紛れて移動することもできるだろう。
「まー、ジャウは難しいけどな」
アリアちゃんの大きなパンをちぎってあげながら、ヴィーさんが言う。
「そうなんですか?」
「大きさを小さく見せても、居るだけで討伐対象だからな。もっと小さくすると、今度は移動に問題が出る」
「小さくなると、ただのトカゲだしなあ」
笑いながら言うヴィーさんを、ジャウマさんが強めに小突いた。
「それなら、歩いて旅をするよりも、獣になった方が楽なんじゃないんですか?」
あんなに毎日ぐったりする程に歩くことはなかったんじゃないかと思い、ほんのちょっと不満な気持ちが胸の内でもやついた。
それを聞いて、ジャウマさんとヴィーさんは、揃ってこちらに視線を向けた。
「だってお前、強くなりてえんだろう?」
へ?
「ああ、なんにせよ基礎体力はもっと付けないとな」
うん? どういうことだろう?
尋ねる先を探して皆の顔を見回すと、目が合ったセリオンさんが、ふぅと軽くため息を吐いてから、二人に向けて言った。
「だから、ちゃんと話をしろと、いつも言っているだろう」
それから、今度は僕の方に顔を向けなおす。
「今回、徒歩で旅をしているのは、基礎体力作りを兼ねている。あと、ジャウマが色々と教えながら旅をしたいとも言っていたな」
「ああ、あの町から出るのははじめてと言っていたからな。知らぬ土地の歩き方や、野営のことも知っておいたほうがいいだろう?」
そう、だったのか。
確かに、徒歩の旅は大変ではあったけれど、日を重ねるごとに大分体力がついてきている。さらに今後も彼らと旅をするのだから、体力はもちろん、そういう知識も必要だろう。
「もしこれ以上に、体力づくりなり特訓なりしたければ、ジャウマに相談するといい」
そう言うと、セリオンさんはテーブルの食事に視線を戻した。
この3人は楽をしようと思えば、いくらでもできたはずだ。
でも歩きで旅をしていたのは僕の為だったのに、それを不満に思っていたことが、ちょっと恥ずかしくなった。
「ふむ……」
ギルド長の言葉に、ジャウマさんは考え込むように口元に手を当てる。
ジャウマさんたちが『冒険者』として活動をするのは、『黒い魔獣』がそこに居るだろうと当たりを付けた時だけで、それ以外には余計なことに手は出さない。それを決めるのもアリアちゃんなのだそうだ。
ジャウマさんが、隣に座る兎耳の少女に尋ねる。
「アリア、どうする?」
「んー? 私、ケーキが食べたいーー」
アリアちゃんが、満面の笑みでニッコリと微笑む。って、そういうことを聞かれたんじゃないと思うんだけど……
「あ、ああ。ケーキなんかで良ければ、後で買ってこさせよう」
「本当!? わああああいいい」
ギルド長の言葉に、両手を上げて喜ぶアリアちゃんの頭をヴィーさんがガシガシと撫でる。
「決まりだな! アリア、よかったなーー!!」
ええ?? そんなんでいいの??
「次の満月は10日後ですね」
「ああ。いつも通りなら、その日にヤツが現れる」
「わかりました。その10日後の晩までは、こちらの町に滞在しましょう」
ジャウマさんは、改めてギルド長の方に向き直してそう告げた。
時間が遅くなった詫びにと、ギルド長の部屋で夕食とケーキをご馳走になり、冒険者ギルドを後にした頃にはすっかり辺りは暗くなっていた。
紹介してもらった宿で一番広い部屋に案内され、部屋で荷物を下ろした頃には、休むはずの時間をとっくに過ぎていた。
僕とアリアちゃんは、そのまま雪崩れるようにベッドに入り、すぐに眠ってしまった。
* * *
「アリア、ラウル、もう朝だぞ」
ジャウマさんの大声で目が覚めた。疲れの所為と久しぶりのベッドのお陰でぐっすりと眠っていたらしい。
声の大きさからすると、隣のベッドでまだ寝ているヴィーさんへの配慮はまるでないようだ。いや、あれはきっとヴィーさんにも聞かせるつもりなんだろう。
「ジャウパパ、おあよーー」
アリアちゃんは寝起きでもご機嫌だ。でもその向こうで、のそりと起きだしたヴィーさんは、これ以上ないほどに不機嫌な顔をしていた。
「ジャウマ、てめえ朝からうるせぇ」
「うるさくないぞ、もうとっくに日は上がっているからな。お前も昨日は早く寝てただろう。そんな日くらい朝は早く起きたらどうだ?」
「俺はデリケートなんだから、もう少し寝かせろよ」
デリケート……? いや、違うだろう。普段のヴィーさんを見ていると『デリケート』という言葉は全く似合わない。むしろセリオンさんの方が繊細そうだ。
そのセリオンさんの姿は見当たらない。彼もジャウマさんも、いつも朝が早い。
「もうすぐセリオンも朝の散歩から帰ってくるだろうし、朝飯にしよう」
ジャウマさんは、アリアちゃんを肩に抱き上げながらそう言った。
* * *
宿の一階にある食堂で、軽い朝食を頂きながら話をする。
「そう言えば、この町に10日も滞在することになって、良かったんですか?」
「ああ、いいんだ。別に急ぐ旅じゃあない」
「え?」
ジャウマさんの返事に、心で首を傾げる。
でも、毎日のように限界まで歩いていたじゃないか。少なくとも「のんびりと旅をしている」風には思えなかった。だから少し驚いた。
「今までもずっとずっと旅をしていたからな。今更10日ほど延びたところで大したことじゃあない。それにアリアが喜んでるしな」
名前を呼ばれたアリアちゃんは、果物をほおばりながら嬉しそうに笑う。
「まあ、急ぐのなら獣の姿になれば良い」
ジャウマさんに続けるように言ってから、セリオンさんは匙で掬ったスープを上品に口に運んだ。
そうだ。3人とも大きな獣の姿になることが出来るし、その背に僕も乗せてもらったことがある。しかも普通サイズの獣の姿にもなれるのだし、それなら森に紛れて移動することもできるだろう。
「まー、ジャウは難しいけどな」
アリアちゃんの大きなパンをちぎってあげながら、ヴィーさんが言う。
「そうなんですか?」
「大きさを小さく見せても、居るだけで討伐対象だからな。もっと小さくすると、今度は移動に問題が出る」
「小さくなると、ただのトカゲだしなあ」
笑いながら言うヴィーさんを、ジャウマさんが強めに小突いた。
「それなら、歩いて旅をするよりも、獣になった方が楽なんじゃないんですか?」
あんなに毎日ぐったりする程に歩くことはなかったんじゃないかと思い、ほんのちょっと不満な気持ちが胸の内でもやついた。
それを聞いて、ジャウマさんとヴィーさんは、揃ってこちらに視線を向けた。
「だってお前、強くなりてえんだろう?」
へ?
「ああ、なんにせよ基礎体力はもっと付けないとな」
うん? どういうことだろう?
尋ねる先を探して皆の顔を見回すと、目が合ったセリオンさんが、ふぅと軽くため息を吐いてから、二人に向けて言った。
「だから、ちゃんと話をしろと、いつも言っているだろう」
それから、今度は僕の方に顔を向けなおす。
「今回、徒歩で旅をしているのは、基礎体力作りを兼ねている。あと、ジャウマが色々と教えながら旅をしたいとも言っていたな」
「ああ、あの町から出るのははじめてと言っていたからな。知らぬ土地の歩き方や、野営のことも知っておいたほうがいいだろう?」
そう、だったのか。
確かに、徒歩の旅は大変ではあったけれど、日を重ねるごとに大分体力がついてきている。さらに今後も彼らと旅をするのだから、体力はもちろん、そういう知識も必要だろう。
「もしこれ以上に、体力づくりなり特訓なりしたければ、ジャウマに相談するといい」
そう言うと、セリオンさんはテーブルの食事に視線を戻した。
この3人は楽をしようと思えば、いくらでもできたはずだ。
でも歩きで旅をしていたのは僕の為だったのに、それを不満に思っていたことが、ちょっと恥ずかしくなった。
0
あなたにおすすめの小説
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
25年の時を超えた異世界帰りの勇者、奇跡の【具現化】で夢現の境界で再び立ち上がる ⛔帰還勇者の夢現境界侵食戦線⛔
阿澄飛鳥
ファンタジー
2000年7月5日、松里アキはバスの中で謎の事故に巻き込まれる。
そして次に目を覚ましたとき、大人たちに伝えられたのは、時は2025年、その間、自分は行方不明になっていたという事実だった。
同時に、この時代の日本には【境獣】と呼ばれる魔物が出現していることを知る。
その日、謎の声に導かれて行き着いた先で手に入れた腕輪を嵌めると、アキは夢を見た。
それは異世界に飛ばされ、勇者になったという記憶だ。
欠落した記憶、取り戻す力、――そして現代に現れた魔物を前に、アキは戦いに身を投じる。
25年という時を超えた夢と現の境界で、勇者は再び前に進むことを選ぶのだった。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
イレギュラーから始まるポンコツハンター 〜Fランクハンターが英雄を目指したら〜
KeyBow
ファンタジー
遡ること20年前、世界中に突如として同時に多数のダンジョンが出現し、人々を混乱に陥れた。そのダンジョンから湧き出る魔物たちは、生活を脅かし、冒険者たちの誕生を促した。
主人公、市河銀治は、最低ランクのハンターとして日々を生き抜く高校生。彼の家計を支えるため、ダンジョンに潜り続けるが、その実力は周囲から「洋梨」と揶揄されるほどの弱さだ。しかし、銀治の心には、行方不明の父親を思う強い思いがあった。
ある日、クラスメイトの春森新司からレイド戦への参加を強要され、銀治は不安を抱えながらも挑むことを決意する。しかし、待ち受けていたのは予想外の強敵と仲間たちの裏切り。絶望的な状況で、銀治は新たなスキルを手に入れ、運命を切り開くために立ち上がる。
果たして、彼は仲間たちを救い、自らの運命を変えることができるのか?友情、裏切り、そして成長を描くアクションファンタジーここに始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる